SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2001年12月29日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「カウントダウン」

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 大晦日のことを英語では「New Year's Eve」と呼ぶんだそうで、右の写真を見るに、大晦日に一晩中大騒ぎをするのは万国共通の行事みたいですね。むしろ日本の「紅白」とか「年越しそば」、「二年参り」なんて習慣は、地味な方なのかもしれませんね。
 あちらのテーブル席のお客さまは、海外で新年を迎えられるんだとか。羨ましい限りですが、海外ではどんな風に新年を迎えているのか、ちょっと気になりませんか?その話し声に、ちょっと聞き耳を立ててみてはいかがでしょうか。



image ■ 林望さん(作家)の

「イギリスのカウントダウン」の話

 イギリスでも「A Happy New Year!」と言うには言うんだけど、クリスマスとひと続きな感じで、今ひとつ盛り上がりに欠ける。
 例えば、カードだって「Merry Christmas and Happy New Year!」だし、1年に別れを告げる歌『蛍の光』もクリスマス・ソングとして扱われている。冬至の直後のお祭りがクリスマスで、そこで正月を先取りしたような形で祝ってしまうので、正月では特に何もしない。
 12月24〜26日の3日間はクリスマス休みで、街の機能が完全に停止する。でも27日から普通の生活に戻ってしまい、大晦日もごく普通の平日。元旦だけは休日だけど、2日からは学校や図書館、お店も普通にやっている。日本人の感覚からすると、ちょっとお正月としては寂しい。
 実は向こうでは、正月を祝うというよりは、大晦日を祝うといった趣が強い。大晦日から元旦になる夜に、夜通しパーティーをやる。比較的有名なのがトラファルガー広場で、午前0時になった瞬間に「Happy New Year!」と叫びながら、そこら中の人に抱きついてキスをする。
 『蛍の光』が年越しの定番の歌なのは日本と同じなんだけど、実はあの歌、「酒場で仲の良い友達との別れを惜しむ」という内容。「We take a cup of kindness」という一節もあって、有名な漢詩『陽関三畳』の「君に勧む更に尽せ一杯の酒」と意味はまったく同じ。洋の東西を問わず、友との別れには酒がつきものらしい。

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image ■ 野崎洋光さん(西麻布「分けとく山」料理長)の

「おせち料理」の話

 「おせち料理」と言うと特別な料理のように思いがちだけど、本当は普段から食べているものにすぎない。ただ、日本人特有の「食べ物に感謝の気持ちを求める」習慣が前面に出ている点は、特殊といえば特殊かもしれない。例えば、昆布だった「よろコブ」とか。鏡餅の上に乗せるのも、本当はミカンじゃなくて橙(だいだい)。「代々」と掛けて子孫繁栄の願いが込められている。
 おせち料理は味が濃いとも言われるけど、そんな事はない。そこら辺で既製品を買ってくるから濃くなってしまうだけで、佃煮ですら本来はあんなに味の濃いモノではない。とりたてのアサリや小魚にサッと味を付けて食べるのが元々の佃煮だったのに、外国から冷凍モノを持ってくるようになって、それでは美味しくなくなってしまい、濃い味付けの佃煮が作られるようになってしまった。今でも浦安の方に、薄味の佃煮を作っている店が何軒かあるけど、そこの佃煮は本当に美味しい。
 今の時代、輸送網は発達し、各家庭に冷蔵庫が必ずある。お店も正月からちゃんと開いている。そういう時代に合わせたおせち料理を作った方がいい。そこに、ちょっとお祝い事向けのエビだとか金銀の飾り付けをしてやれば、きっと正月の食卓はもっと楽しいモノになる。
 もちろん、ある種の儀式でもあるから、豆とか、きんとんとか、なますだとか、欠かせないものはある。でも、なますだったら大根とニンジンのサラダ風に仕立てるとか、工夫をしても構わないと思う。とにかく大事なのは、美味しいモノを作って食べる事。焼き物だったら、今なら食べる直前に焼く事だって可能なんだし、電子レンジで温める事もできる。エビだって、生かしておけるのなら、食べる直前にサッと茹でて食べる方が美味しいに決まってる。
 ウチのおせち料理でも、ゴマと酢の中にゴボウを漬けた「たたきゴボウ」は、ゴマの代わりにカシュー・ナッツを砕いて使っている。その方が味がまろやかになって美味しい。どうせゴマだって、ほとんどが中国産なんだから、そこにこだわるよりは、身近にあるモノをうまく使って、美味しいものを食べた方が楽しい。

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image ■ 朝倉史さん(善福寺僧侶)の

「善福寺の年越し」の話

 善福寺では大晦日は、夜の12時前に正面の門を開けて、ほぼ12時くらいから除夜の鐘を突き始める習わしになっている。正面の門を開けるまでは、みなさんに門の前で列を作って待っていただいているのだけど、最近は本当にすごい人数になってきて、多い時には500人以上の人が列を作っている。
 というのは、実はウチの寺では、参拝に来たみなさんに、除夜の鐘を突いてもらっているから。だからウチの除夜の鐘は108つとは限らなくて、突きたいという人がいなくなるまでずっと続く。こういう寺は、浄土真宗のお寺には意外と多い。
 土地柄、外国人の方がいらっしゃっる事もある。外国の方が除夜の鐘を突いている光景はなかなか面白い。
 12時に門を開けて、鐘を突きに来る方、初詣の方、いろんな方がいらっしゃって、みなさんがいなくなるのが大体3時くらい。それで門を閉めて、善福寺の年越しは完了する。

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image ■ チローノフさん(ロシア大使館外交官)の

「ロシアの正月」の話

 私の年齢は25歳。物心ついた頃にはまだ共産主義国家だった。その頃はあまり宗教的な行事をおおっぴらにやるワケにもいかなくて、クリスマスもあまり祝えなかった。その代わりに祝っていたのがお正月。その影響で今でもロシアでは、クリスマスよりも新年のお祝いの方が圧倒的に重要なイベントになっている。
 だからロシアでは、「クリスマス・ツリー」じゃなくて「ニュー・イヤー・ツリー」を飾る。天然のモノあり人工のモノあり、星とか電気で飾り付けたツリーを、年末から1月半ばまで飾る。
 実は、ロシア聖教のクリスマスは、ヨーロッパなどの普通のクリスマスよりも2週間遅い1月7日。これはロシア革命までロシアに古い暦しかなかったせい。
 ロシアで新年を祝う時は、キャビアとシャンペンがつきもの。さすがにロシアでも、毎日キャビアを食べているワケじゃないけど、この日だけは特別。「新年くらいキャビアくらい食べないと、ちゃんと新年を祝えない」と考えられているので、貧乏な家でも頑張ってキャビアを用意する。

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image ■ 佐藤直秀さん(『ラスベガス大全』スタッフ)の

「ラスベガスのカウントダウン」の話

 去年から、ラスベガスのカウントダウンで花火のショーが行われるようになった。今年もそれを継続するという話なので、ちょっと取材がてら、ラスベガスで新年を迎える事にした。
 なんて言って、実はなんだかんだ理由を付けて、ここ数年は毎年ラスベガスで新年を迎えている。ラスベガスには「ストリップ」という大通りがあって、ココが日本で言えば明治神宮のように、一番人が集まる場所。その数は20〜30万人とも言われる。
 カウントダウンに関しては、去年からホテル同士が提携して、同時にカウントダウンするようになった。各ホテルのディスプレイに「10、9、8、7……」と表示が出て、「0」になった瞬間に10万発の花火が上がる。ただし日本の花火と違って、ホテルの屋上から上げるので、ちょっと迫力に欠ける。それでも数が上がるので、それなりに見る価値はある。
 今、ラスベガスではショーが盛ん。日本で『サルティンバンコ』をやったシルクドソレイユが、ラスベガスのショーを変えたと言われている。特にベラッジオというホテルでやっている『O(オー)』というショーは、完成度が高く評価が高い。サーカスと音楽と照明の織りなす幻想的な世界の魅力は、実際に見てみなければ絶対に分からないと思う。
 しかも日本でやった『サルティンバンコ』は、サッカーでたとえるなら「アウェイ」。いろんな会場を回って公演するためのセッティングを特別に組んでいる。でも、ラスベガスでやっているショーは「ホーム」。その違いは決して小さくない。
 人間ってこんな事ができるのか、という驚きや、幻想的な雰囲気。そして生演奏による音楽と歌。ラスベガスに着いた当日は、絶対に『O』を見ない方がいい。目の前に繰り広げられるあまりに非現実的な世界に、夢を見ている気分になってしまい、時差ボケと相まって寝てしまう可能性が大きい。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
7'52" I'm nobody's baby Vic Damone Capitol CDP 7243 8 31775 2 3
16'37" Dancing In The Dark Frank Sinatra Capitol TOCP-8131
26'23" What Are You Doing New Year's Eve? Nancy Wilson 東芝EMI TOCP-50038
33'08" Look Out Joanie Sommers Sutudio West #106 CD
41'49" Back in Your Own Backyard Peggy Lee Capitol 7243 8 54543 2 5


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