SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2001年11月24日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「会議は踊る」

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 サラリーマンをしている友人がよく愚痴をこぼすんですが、会議というのは嫌なものなんだそうですね。無駄に長くて、退屈で、あまり意味がない。そんな会議があまりにも多いとか。
 じゃあやらなければいいかと言われれば、やっぱり必要だから会議をやっているワケで。
 実は先程からあちらの席で、「会議」の話題で盛り上がっていらっしゃるお客様がいらっしゃるんです。そのお話に聞き耳を立てて、友人にアドバイスをしてあげようと思っているのですが、もしお客様も興味がございましたら、お教えいたしましょうか?



image ■ 高見千鶴さん(産業能率大学研究員)の

「会議のコツ」の話

 「3人寄れば文殊の知恵」ということわざもあるけど、1人でものを考えるよりは大勢で考えた方が良いアイデアがでるもの。そこで会議というモノが必要になる。
 会議を開くときは、まず最初にリーダーと書記を決めるのがコツ。リーダーには、もちろん仕切り屋としての資質も求められるんだけど、それと同じくらい重要なのが、意見を引き出すための「引き出し屋」としての資質。「意見を言え」と命令してもそうそう簡単に意見なんて出てくるものではないので、「〜の観点についてはどう考えていますか?」なんて、うまく意見を引き出せるのが良いリーダー。
 「ただメモすりゃいい」なんて思われがちな書記も、会議においては意外と重要。というのは、普通、会議では一番最初にアイデアがバンバン出てくる。ところが、ここで優柔不断な人が書記をやっていると「え〜っと、今の意見はなんて書いたらいいですかね〜」なんて言っている内に、アイデアの出が悪くなってしまう。だから書記に求められる資質は、とりあえず思い切りが良いこと。出た意見は、考える前に書くのが良い書記。
 『ブレイン・ストーミング』というのは、今から約60年前にアメリカの広告代理店の副社長が考えだした会議のやり方の1つ。いわゆる「アイデア出し」の会議に向いているやり方で、今ではアメリカのみならず日本やドイツなど、世界中で使われている。ブレイン・ストーミングには4つのルールがあって、「批判厳禁(誰のどんな意見も批判しない)」「自由奔放(どんな意見でも構わない)」「質より量」「結合改善(みんなが出した意見をみんなで改善していく)」を守りながら会議を進めていく。
 でもこの4つのルールは、わざわざ「ブレイン・ストーミングをやろう!」なんて肩肘張って言わなくても、何か新しい物を作ろうという会議ではもともと必要な物だと思う。そういう会議でなくては、新しい物なんてそうそうは作れない。

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image ■ 樋口卓治さん(放送作家)の

「放送業界の会議」の話

 会議の楽しさは、番組にそのまま反映する。逆に言えば、会議がつまらない時は番組もイマイチのことが多い。
 良い会議では、「こりゃテレビじゃできないよ」という発言があったら、ピタッと笑いが止まって「なんとかテレビでできないだろうか」とみんなが考え出す。これが悪い会議だと「また危ないこと言っちゃって〜」と笑って終わり。視聴率を取っている番組は、どれも「会議でみんなが真剣に悩む時間」がある。
 悪い会議では脱線も多い。良い会議ではほどほどの脱線で済むところが、悪い会議では脱線に脱線を重ねて、最後には話の本筋を忘れてしまう。それで「じゃあ、時間だから…」で終わっても、何も決まっていない。
 会議はサッカーに似ていると思う。みんなでパスを回し合って、センタリングを上げたり、また戻したりしながら、誰かがゴールしないと得点にはならない。これが悪い会議では、パスばかり回し合って、いつまで経ってもシュートをしない。中には芝の悪い会議があったり、ボールが何個出てるのかわからない会議もある。
 「ボール」に当たるのは、キーワード。例えば「ドッキリをやろう」というボールがあったとする。それを「どういうドッキリにしよう?」とパスすると「お父さんをだますドッキリにしよう」と返ってくる。さらに「お父さんじゃベタだから彼氏にしよう」「時期はクリスマス?それともバレンタインデー?」という感じで、どんどんボールを回して、最後にシュートする時は「やっぱりお父さんで」という話になっているかもしれない。でも、そうやってパスを回すことが大事。
 「よくわかんないんだけど…」「全然違うかもしれないんだけど…」と最初にフォローしながら話を切り出すのは放送作家に共通する癖。これは「目線を下げる」という技術で、「この話おもしろいんだけど…」と切り出すと面白い話も面白く聞こえない。だから話の入り口は低いところから始めた方がいい。ちなみに、この口癖の元祖はテリー伊藤さんだと言われている。
 タレントさんはテレビに出ている時が見せ場だし、ディレクターはロケや編集の時が見せ場だけど、放送作家は会議が見せ場。「事件は現場で起きている」の逆で「テレビは会議で作られている」……というのは言い過ぎだけど、そういう側面もある。

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image ■ 近藤正臣さん(日本通訳学会会長)の

「会議の通訳」の話

 EUはこれから15カ国ぐらいになるけど、もしイタリア人の演説をそのまま英語やドイツ語に直訳したら、戦争になるだろうという人もいる。それくらい国によって言葉のニュアンスは違うもの。イタリア人にとっては「お前ら馬鹿じゃない?」みたいな表現は当たり前で、言われた方も「何を!お前こそクソ馬鹿野郎だ!」と返すのが普通なんだけど、イギリスでそういう言葉を使うとシャレならない。
 だから通訳においては「ウォーター・ダウン」といってニュアンスを変える技術も大事になる。イタリアの政治家が「お前ら馬鹿じゃない?」と言ったら「おたくの政策は、お言葉ではありますが、私どもと致しましては同意できません」ぐらいに訳す。
 日本の政治家がよく使う「善処します」も訳すのが難しい言葉の1つ。「我が国では日本に学んで経済発展をしたい、ついてはダムを1つ作ってもらえないだろうか」「善処しましょう」これを字面だけで訳すと「Yes」になってしまうけど、日本人、特に国会答弁用語の感覚では「No」。これは本当に困ることが多かった。
 ところが面白いもので、最近では外国の政治家もこの言葉を覚えてしまい、「We will deal with the problem in a forward looking manner」などと言い出すようになった。この英語を日本語に訳すなら、まさに「善処いたします」。
 アメリカの政治家はこの言葉を言った後で、通訳の僕にウインクしてきた。要するに「やるような雰囲気の事を言ってても本当はやらないよっていう、日本お得意のニュアンスで訳してくれよ」って合図。「いや〜、便利な言葉だね」って、向こうの政治家にも好評らしい。
 だから「善処します」という言葉の通訳で悩むことは、今はなくなった。

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image ■ 竹綱章浩さん(コクヨ・オフィス家具事業部)の

「会議のテーブル」の話

 普通の会議に使うテーブルでは、全員が等距離に並んでいて、全員の顔がちゃんと見える事が必要。横長のボート型テーブルなら、こちら側と向かい側、2者の協議に向いている。環境や場の雰囲気は、人の行動に大きな影響を与えるので、会議にどんなテーブルを使うかは非常に重要な問題になる。
 丸いテーブルの場合は、いくつかのテーブルを組み合わせる事で自由にレイアウトできるという利点がある。だから自由なリラックスした雰囲気を作り出す効果がある。ちょっと斜めに座ったり、背中を伸ばした姿勢をしたりしても不自然じゃないので、発想を柔らかくしたい時に向いている。
 ウチの社内でも、会議の時はいろんなテーブルを使っている。時にはカウンターのようなテーブルで横に座って打ち合わせをする事もある。ちょっと軽い話なんかは、バーみたいに横に座って話した方が話が弾む。
 「立ち会議システム」というものもある。アメリカでの研究によると、人間は立っていると心拍数が増えるらしい。そうすると身体機能が高まって、発想が速くなったり、考えがまとまりやすくなるんだとか。しかも、立っている方が「自分の意見を相手に伝えようとする」という姿勢になりやすい。それから何より、とっとと会議が終わる。「立ち会議システム」はかなり面白い。

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image ■ 森戸英幸さん(成蹊大学法学部助教授)の

「学会」の話

 大学の先生は意外と会議が多い。教授会、委員会の会議、政府関係の研究会や審議会、そして年に1〜2回開かれる学会。なんだかんだで、会議に出席する機会は多い。
 学会は地方で行われる事も多い。というのは、地方に新しい大学ができたりすると、学会を開いて全国から先生を招き、大学をアピールしたいと考えるから。だから学会の最後の夜には必ず懇親会みたいなパーティーが開かれるんだけど、そこではその地方の名産が出てきて、しかも学会の評判なんてそれで決まってしまったりする。「5年前の北海道で開かれた学会は良かった」って、何か良い発表があったのかと思いきや、「最後に出来てきた豚の丸焼きが良かった」なんて話だったり。「食い物の恨みは恐ろしい」とは、本当によく言ったモノだと思う。
 逆に東京の大学の場合は、「面倒くさいから学会なんてやりたくない」というのが本音。だから懇親会なんかも気合いが入っていなくて「学食の2階で」とか、「お昼は学食の食券を配りますから、学生と一緒に食べてください」なんて事すらあったらしい。もちろんその学会は大不評。発表とか内容はさておき、「学生と一緒に並ばされた」という事だけでずっと陰口を叩かれている。
 国際学会や国際会議ともなると、ちょっと事情が違ってくる。日本人の場合は、奥さんから逃げるために学会に行く、なんて人もいるくらいなのに、海外の先生は奥さんを連れて来ることが多い。そうすると旦那が会議に出ている間は奥さんが暇になってしまうので、「ワイフのためのオプショナル・ツアー」を催して、東京で会議をやっている間に奥さんたちを鎌倉に連れて行ったりする。これがまた、その学会の評判なんて、そっちのツアー次第で決まってしまったり。「日本で開かれた会議は良かった」と言うから、何が良かったのかと思えば「最後のパーティーで見た太鼓のパフォーマンスが良かった」とか。
 学会とか会議には、懇親とか人脈作りという側面もあるので、一概には否定できないけど、どうかと思うことも時々ある。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'33" Fancy Meeting Bing Crosby Rosemary Clooney RCA R25J-1003
18'14" What Can I Say After I Say In Sorry Jhon Pizzarelli NOVUS 01241
32'14" You're Lucky To Me Lee Wiley AudioPhile ACD-300
42'22" I'll Buy You A Star Jesse Belvin BMGジャパン BVCJ-35018
48'09" Great Scot June Christy Capitol 7243 5 35209 22


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