SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2001年11月10日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「海外ドラマ」

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 最近、海外ドラマが人気みたいですね。今年の5月でついに完結した『ビバリーヒルズ青春白書』を筆頭に、『ER・緊急救命室』『フレンズ』『アリー my Love』など、レンタルビデオ店でも人気海外ドラマのビデオが大量に並べられています。
 私もいくつか見てみたのですが、さすがにアメリカで人気になったドラマを選りすぐって輸入しているだけあって、文句なしに面白かったです。もしまだご覧になってなければ、忙しい時でも映画と違って30分で区切りを付けられますし、絶対にオススメですよ。(本当は面白くて止まらないのですが。)
 実は、今日は先程から『ビバヒル』や『フレンズ』の日本語吹き替えを担当なさった方々がいらっしゃって、みなさんで盛り上がっていらっしゃいます。なんだかディランやレイチェルが本当にここにいるみたいな気がして、私ちょっと感動しております。よろしかったらお客様もその声に聞き耳を立ててみませんか?



■ 若村麻由美さん(女優)の

「アリー my Love」の話

 『アリー my Love』で主人公アリーの吹き替えをしているんだけど、第1シリーズの第1回目が思い出深い。主人公だけにアリーのセリフだらけだったし、口調は早いし、本格的な吹き替えをやるのは初めてだったし、第1回を撮り終わった後には「もう来週はやりたくない…」と思った。
 でも、この作品の製作総指揮をしているデビッド・E・ケリーは本物の天才だと思う。『プラクティス』という別の作品ではものすごくシリアスな弁護士の物語を作っているんだけど、『アリー…』ではその鬱憤を晴らしているんじゃないかというくらい、やりたい放題だけど。最近なんて音楽ドラマに変わりつつあるし。
 『アリー…』の第1シリーズが始まった時は、業界の人がたくさん見ていた。この種のドラマを作っている人達の間で、「すごく面白い」と反響を呼んでいた。今では、大勢の一般の視聴者の皆さんにも見てもらっていて、「アリーと若村さんの吹き替えを意識しないくらい良い」なんて言ってもらえると、来週も頑張ろうという気持ちになる。
 今回、初めて本格的な吹き替えに挑戦したんだけど、吹き替えのプロはスゴイ。吹き替えは集中力と瞬発力が大事で、反射神経も必要。右の耳でヘッドフォンから流れる英語の原音を聴きながら、左の耳で日本語で喋っている相手役のセリフを聴き、右目でモニタの映像を見ながら、左目で台本を読む。その様子は、さながら聖徳太子みたい。
 自分が演じるお芝居ならセリフを暗記するけど、吹き替えでそれをやると、自分の呼吸になってしまう。吹き替えはあくまで相手の呼吸に合わせるものなので、セリフは覚えずに、その場で台本を読むようにしている。だけど本番の前に何度も何度も繰り返しビデオを見て研究するので、実際はほとんどのセリフを覚えているんだけど。
 自分の演技だってこんなに繰り返し見たことはない、というくらい、1人の演技を4年に渡って細かく見続けるのは、新鮮な経験だった。息継ぎのタイミングをチェックし、カウンターの数字でセリフの切っ掛けの秒数を調べ、とにかく何度もビデオを巻き戻して研究する。そのお陰でビデオデッキを2台も壊したけど。
 とにかく、吹き替えという仕事は大変な仕事。私は本業の方で本番中に緊張したことはないけれど、吹き替えは4年たった今でも手に汗握って、綱渡りをしているような気持ちで収録している。ヒマラヤから帰ってきて『アリー…』の収録があった時なんて、「ヒマラヤより大変かも」と思った。

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image ■ 加藤響子さん(東北新社)と
  久笠弓子さん(スーパーネットワーク)の

「海外ドラマの買い付け」の話

 9月から始まるアメリカのドラマの新シリーズは、5月に行われる見本市のようなイベントで見ることができる。そのイベントではパイロット版の1〜2話が試写されているので、世界のバイヤーはそれを見てドラマの出来を予想する。もっとも、パイロット版だけにシリーズが始まってみたら主役が変わっていた、なんて事もしばしば起こる。
 実際の購入はアメリカで実際に放送された後で、その視聴率や評判を見てからになる事がほとんど。試写でよっぽど面白ければ話は別だけど、大体どのドラマも1話目は気合いを入れてお金も掛けて作るものだし、しかも2話目からいきなりショボくなるのもお約束なので、一応13話ちゃんと見てから、というのが基本。
 アメリカはシビアで、視聴率が悪いと途端にスポンサーが降りると言い出して、番組自体が打ち切りになるケースが多い。しかも視聴率が悪いと言っても、「鳴り物入りで始めたのに、思ったより良くない」程度で止めてしまうらしい。
 逆に、「なんでこの作品が長続きしているんだろう?」と思う番組もある。例えばスーパーチャンネルで放送している『ベイ・ウォッチ』なんかがそう。最初は3大ネットワークのNBCで放送していたらしいんだけど、あまり視聴率が良くないのでNBCが打ち切ったら、コアなファンと制作スタッフが「どうしても続けたい」とローカル局に売り込んで、今では200エピソードにも達してしまった。

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image ■ 安達忍さん(声優)の

「フレンズ」の話

 『ビバリーヒルズ』シリーズのドナ役と『フレンズ』のレイチェル役をやっているけど、特に声を変えようとは考えていない。
 役者さんの芝居のテンションという意味では『フレンズ』の方が、公開収録という事もあって『ビバリーヒルズ』よりも圧倒的に高い。目の前にお客さんがいるので基本的に「舞台の芝居」になっていて、お客さんにどう受けるかみたいな緊張感がある。聞いた話だと、アメリカの『フレンズ』の収録ではお客さんのウケが悪いと、その場で脚本家が台本を直す事もあるらしい。だから声を当てていても、「手を抜いてない」という事はヒシヒシと感じる。
 手は抜いていなくても、「体調が悪そう」とか「太った」と感じる事はある。特に『フレンズ』の場合は男性にその傾向が強くて、チャンドラー役のマシュー・ペリーなんかは1度太って、今は激ヤセ。なんでも聞いた話によると、マシュー・ペリーは『フレンズ』に特別出演したジュリア・ロバーツとつき合ってた時期があったらしい。しかもその後、ジュリア・ロバーツに捨てられたという噂もある。そんなこんなで、マシュー・ペリーはしょっちゅう太ったり痩せたりしているしている。
 『フレンズ』はアメリカで視聴率No.1を取ったり、賞を取ったり、もの凄くグレードの高い番組になっている。なにせ1人のギャラが1本8000万円。「1シリーズ」じゃなくて「1本」でこの値段というのが信じがたい。6人合わせて4億8000万。だからゲストが少ないらしい。ちなみに吹き替えでは「向こうは8000万、こっちは8000円」がキャッチフレーズなんだけど。
 でも、あの6人にはそれだけの価値がある。いかに「ドラマ」というのは脚本と役者さんに掛かっているか、向こうのドラマを見るとつくづく痛感させられる。

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image ■ 小杉十郎太さん(声優)と松本梨香さん(声優)の

「ビバリーヒルズ」の話

 『ビバリーヒルズ○○白書』シリーズでは、それぞれ役によってセリフの語尾が決まっている。例えばブランドンだったら語尾に「ね」が付く。「僕はそう思うね」とか。
 (小杉さんが声を当てた)ディランはちょっと不良ぶっているので、語尾は「だぜ」。ブランドンが初めてビバリーヒルズに来た時に、ディランが自分のポルシェにブランドンを乗せて海まで連れて行くんだけど、その時ブランドンがディランに向かって言う最初のセリフが「パラダイスへようこそだぜ」。台本を見て「ようこそに "だぜ" なんてつくかぁ?」とは思ったけど、番組も始まったばかりなので注文をつける雰囲気でもなく、そのまま読んだ。
 『ビバリーヒルズ…』は出てくる役者がみんな格好良くて目の保養にもなった。女性も綺麗な人ばかりで、初めに(松本さんが担当するのが)ケリーの役だと教えられた時は「本当に私がコレをやるの?」と思ったし。
 ディラン役のルーク・ペリーも、ジェームス・ディーンの再来と言われるくらい格好良いヤツなんだけど、喋る時に口をあまり開けないでボソボソと喋るのには(小杉さんが声を当てる時に)本当に参った。ケリーも、セリフがない所でもずっと口が開いてるし。役者の口が開いているのに吹き替えの声が入っていないと、往々にして見ている人は「ミスしてるんじゃないか」とか「日本語と英語の違いで入りきらなかったのかな」とか考えてしまう。だから、そうじゃないという事を判らせるために、アドリブでセリフを入れたり、とにかく大変だった。
 それから困ったのが、向こうで流行っていたのか何なのか、喋り出す直前にやたらと「チェッ」という舌打ちのような音を出す事。日本人の感覚だとそれはネガティブな表現なんだけど、どうやら向こうではポジティブな会話でも入るみたい。この表現はどうして良いか、かなり悩んだ。
 ケリーは泣いたり興奮したりすると鼻が膨らむし。吹き替えでも「鼻から息を出す音」を出した方がいいのかどうか、コレも微妙で悩みの種だった。「鼻で息を吸う(吐く)」のと「口で息を吸う(吐く)」のでは音は全然違うので、そこはちゃんと合わせないと変に聞こえてしまう。
 その人の気持ちも判っていないとリズムが掴めないので、(松本さんがケリーの声を当てる際に)ケリーが泣いている時は自分も泣く。だからラストテストですごく感情が高ぶって泣いてしまうと、本番で最初から鼻の詰まった声になってしまった。そういったやり繰りも大変だった。

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image ■ 坂田雄馬さん(某大手広告代理店)の

「再放送」の話

 「再放送」という事が、日本の放送関係者の間ではワンランク下の扱いを受けているけど、それは間違いだと思っている。というのは、「再放送できる」という事実が、それだけ優れた番組である事の証明であるハズ。
 視聴率20%のドラマがあったとする。4600万世帯の20%の人たちが見ている、というのは確かにスゴイ事で、その番組を作った人たちは大いに誇って良いと思う。でも、よくよく考えてみれば80%の人は見ていないわけで、そんなに面白い番組を作ったのなら、残りの80%の人に見せる努力をすべき。その手段が、再放送なのでは。
 もっとも、日本とアメリカでは事情が違うというのもよく分かる。アメリカの場合、9月から新しいシリーズが始まって、5〜6ヶ月でそのシリーズが終わる。残りの半年は再放送のシーズンで、そのシーズンはスポーツ番組が中心のプログラムになる。その事で1度、アメリカのプロデューサーに「なんで視聴率が取れる番組を、年間通してやらないのか」と質問してみた。すると「お前は何を考えているんだ?」みたいな顔で「クリエイターたるもの、休みがなければアイデアが枯渇してしまうではないか」という答えが返ってきた。そういう意味で、日本でも成功しているのは『渡る世間は鬼ばかり』シリーズだと思う。
 アメリカにも『笑っていいとも』的な高視聴率バラエティ番組はあるけど、それだって3ヶ月は休む。その間は名場面集みたいな番組をやっているんだけど、見る側としては面白い事は分かっているんだから、名場面集だって見たいはず。
 新しいモノを掛けるのは、ビジネス的にリスクを伴う。月曜日の9時に視聴率20%を取ったドラマなら、次のクールで水曜日の9時に放送すれば、月曜日では見られなかった人も見られるかもしれない。そういう考え方があっても良いと思う。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
10'15" I've Got You Under My Skin Anita O'day Verve 849 266-2
19'08" It All Dpends On You Four Freshmen Capitol 7243 4 95002 2 8
28'51" This Dream Nancy Wilson Capitol 07777 80409 2 7
37'43" I Remember You Julie London Capitol 7243 8 56059 2 5
47'59" I'm Beginning To See The Light Peggy Lee Capitol 7243 8 54543 2 5


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