■ 木村東吉さん(アウトドアライター)の
「自分で建てた家」の話
家を建てた。河口湖の湖畔に、窓や扉がターコイズブルーの「サンタフェ・スタイル」の家を建てた。でも、お金がなかったので、自分で建てた。
河口湖は寒冷地。だから窓は二重サッシでなければいけない。ところが、アルミのサッシでは色が付けられない。つまりサンタフェ・スタイルにしようと思ったら「木製の二重サッシ」が必要なんだけど、これが日本ではムチャクチャ高い。どれくらい高いかというと、窓だけで家の予算を全部使い切ってしまうほど高い。それで、アメリカなら安いと聞いて、シアトルまで行って自分で買ってきて、自分で窓を付けた。
それでも予算をオーバーしてしまった。その原因は、窓だけじゃなくて、壁にもお金がかかったから。サンタフェ・スタイルと言えば、スパニッシュ・コロニアル風の塗り壁。あのデコボコした壁を作るのが、また大変だった。左官屋さんに「こんな風にしてくれ」と言ったら、「俺たちは中学を卒業してからずーっとこれまで、親方から1ミリの狂いもなく塗るように教えられてんだ、こんな下手には塗れねーよ」と拒否。日本でもペンションとかで時々見掛けるから何とかなるハズだと思って工務店に聞いてみたら、「ああいうのは商業施設だから凄く高いんですよ」と言う。仕方がなく、1袋25キロのモルタルを150袋買ってきて、自分で壁を塗った。お陰で半年間、来る日も来る日もモルタルを練る日々が続いた。
結局、家を建てる全工程の7割くらいは大工さんにお願いしたんだけど、残りの3割の仕上げの部分は、自分でやった。それで分かったのが、家の予算は「坪35万」とか坪単価で計算する割に、その違いは「仕上げ」の部分に出るというコト。例えば扉。ウチの扉は普通に日本で買えば1200万円掛かるところを、向こうで買ってきたお陰で300万で済ませている。それから「キッチン」も違ってくる。奥様憧れのシステム・キッチンなんて、ちょっと凝るとすぐに1000万円とか掛かってしまうけど、僕たちは自分たちで作ったので250万円。その代わり扉は天井材の余り、棚は床材の余り、フライパンは上から吊してある、なんて状況だけど。
細かいところで、ドアノブも意外と高い。立派な扉を買ったので、それに見合うドアノブを買おうと思ったら、1個6万円もした。家の値段に比べたら6万円なんて大したことないように聞こえるかも知れないけど、扉の表と裏で2個1セット、それがトイレなども併せて20箇所だから、結構シャレにならない。結局、またアメリカへ行って買ってきたら、1個12ドルで済んだけど。でも、それまでの半年間、ウチはドアノブなしだった。
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■ 山本道明さん(日本DIY協会)の
「DIY」の話
「DIY」とは「Do It Yourself」の略。英語だけに元々はアメリカの言葉で、西部開拓史の中で根付いた言葉。東海岸から西海岸へ、延々と馬車で向かう途中で、要所要所に集落を作った。その時、大工がいるとは限らなかったので、全部「自分でやる」人が多かった。それが「DIY」。
本来は、人間が地球上で生活するためには、DIYが基本のハズ。ところが日本人は、近代化の波の中でDIYを忘れてしまった。これがアメリカなら、まだDIYの習慣が色濃く残っている。その良い例が中古住宅。アメリカには中古住宅を買い、何年か掛けて自分で改修し、買った時よりも高額で売却するという人がたくさんいる。だから中古住宅市場というものが日本とは桁違いの大きさで存在している。これが日本なら、下手をすると土地だけで建物がない方が高く売れる、なんて不思議な現象もしばしば起こる。
でも、さすがにこの価値観は、そろそろ変わっていくと思う。今までは、日本の住宅の平均寿命は26〜27年だった。つまりそれは、家の構造自体が劣化したから建て替えるのではなく、土地のおまけ的な扱いだった建物が、常に新しいデザインや機能を要求されてきた、という事だった。しかし、土地神話も崩壊し、これからは住宅というもの自体の資産価値が重視されるようになる。だからこれからは、「せっかく建てた家は、手入れしながら長く住もう」という人が増えていくだろう。そこで改めて見直されるのが「DIY」という考え方。
現在、いわゆる「ホームセンター」では、全国3700店舗で約3兆7500億円の売り上げがある。その内、実際にDIYに使われる商品の売り上げは約1/3なので、約1兆円。さらに言えば、例えば1万円分の壁紙を買ってきたとして、それを自分で貼れば、手間賃を考えれば10万円分の仕事になる。塗装の場合も、私が実際に自分の家でやった経験では、家の内側を全部塗り替えるのに14リットルの缶が10缶必要で、これにハケやパレットを買って、総額12万円くらいの費用が掛かった。ところが、作業は全部自分でやったので、後はタダ。ところが、外装の塗装をプロに頼んだら200万円もした。もっとも外装の場合は屋根が高いので、プロに頼まざるを得なかったのだが。つまるところ、DIYの経済的な波及効果は、売り上げの約10倍、だいたい10兆円と考えられる。
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■ 吉村泰徳さん(東京大学「襖クラブ」)の
「襖クラブ」の話
「襖クラブ」が生まれたのは1954年、朝鮮戦争が終わった直後だった。当時は今のような大不況で、苦学生が多かった。それでみんな「なにかいいアルバイトはないだろうか」と探していて、「庭の草むしりサークル」とか「犬の散歩サークル」みたいな「バイト・サークル」が乱立したらしい。その中から唯一、今まで生き残ったのが、僕たち「襖クラブ」だと伝えられている。
つまり僕たちは、趣味で襖を張り替えているワケじゃなくて、ちゃんと仕事として襖の張り替えを行っている。でも一応、学生の身なので、世間の相場よりは安くしている。学祭でビラなんかも配っているけど、お客さんのほとんどは口コミで来る。
現在、襖クラブに所属している部員は10数名。やっぱりちゃんとやる気のある人間じゃないと、お客さんに迷惑が掛かるので、それなりに厳しくしている。もちろん、高校で襖の張り替えをしていた、なんて人間はいないので、最初はみんな初心者。それを先輩に教わって、部内の試験に合格したら初めて仕事に出られる。
襖の張り替えの場合は、まずお客様のところへ伺って、見積もりをする。襖の状態をチェックして、使う紙を決めていただいて、見積もりを出す。使う道具は、糊を塗るハケが何種類かあったりするんだけど、部内の試験に合格すると先輩から手渡される。
さすがに、卒業してからこの道に進んでしまった先輩は1人も居ないらしいけど、実家に帰った時は、障子の張り替えくらいはやっている。
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【吉村さんの襖張り替え7つ(?)道具】
■ 板垣康子さん(生活コーディネーター)の
「リフォーム」の話
リフォームの時は、最初に部屋の中の物をすべて外に出してしまうのがコツ。紙1枚から洋服ダンスから全部外に出して、元々の部屋の形として床が見えるようにする。その後で、図面に1つずつ物を置いていくように、配置をしていく。それをしないで、これをちょっと右に動かして、それを左に動かして、なんて事をやっていると、いつまでたっても片づかない。これは部屋の大小や片づける場所に関係なく、片づけようと思った時の秘訣。
引き出しの中を片づけようと思った時も、引き出しの中身を1度全部出す。それから必要な物だけを使いやすいように納める。そうすると、必ずはみ出す物がたくさん出てくる。それは、本来その場所にある必要がない物。例えば台所なら、引き出物でもらった食器の類。使うつもりならいいんだけど、使いもしないのに台所に置いてあることが多い。
あるお宅では、ダイニングキッチンにピアノが置いてあった。ダイニングキッチンとは言っても、ちょっと広めの台所でご飯を食べている、という感じ。そういう場所は、油煙はかかるし、油は飛ぶし、湿気も多いし、ピアノにとって最悪の環境。なんとか別の場所に移せないか、と考えても、そんな場所はなかなかない。そこで、押入を改造して、そこへピアノを入れてしまった。そうすると今度は、押入の中の物がはみ出してくるので、それを納めるための場所を作った。プラスチックの収納ケースの外側に、木枠のボックスを作って、ベンチ風に並べたりした。
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■ 桑原啓子さん(「ホームチャンネル」ディレクター)の
「ホームチャンネル」の話
『ホームチャンネル』で「初級の人向け」の番組だと、「水道のパッキンの取り替え」なんかを扱っている。外し方が分かれば、ポンと入れ替えるだけなんだけど、その前に元栓を閉めないと、家中水だらけです……など。
「中級」では、「押入の改造」みたいな事を扱っている。段を取ってクローゼットに改造するとか、仕事としては以外と派手。
「上級」は、「ブロック塀をキレイにする」とか、外回りが多い。泥が付いたりしているのをキレイにして、さらに色を塗ったり。「インターホンを取り付ける」という回もあった。まずは取り付ける場所。ブロックに付けるのか、石に付けるのか、木に付けるのか、それによって接着剤が違って、さらにコードをどう這わせるか、など。木工関係だと「キッチンのスパイスラックを作る」なんてテーマもあった。これは奥様ご自身でも作れる。
『ホームチャンネル』はスカイパーフェクTVで、月々300円の番組だけど、1年通して見ていただければ、家全体がリニューアルされること請け合い。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 8'35" |
By Myself |
Rosemary Clooney |
RCA |
R25J-1002 |
| 19'19" |
My Baby Just Cares For Me |
Sandra Cross |
パイオニアLCD |
PICP-1157 |
| 31'31" |
Who Cares (As Long As You Care For Me) |
Kate Smith |
Capitol |
CDP 7 96792 2 |
| 37'12" |
Here In My Heart |
Ella Fitzgerald |
verve |
821 580-2 |
| 45'29" |
Wasn't It Wonderful |
Nancy Wilson |
Capitol |
7243 8 56060 2 1 |
|