SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2001年10月20日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「Brand City Tokyo」

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 ここ最近、東京中に高級ブランドの直営店が、次々とオープンしているそうですね。
 6月に銀座のエルメス直営店「メゾン・エルメス」がオープンした時はテレビでもずいぶん話題になりましたが、その周りにもプラダ、エンポリオ・アルマーニ、ジャンフランコ・フェレ、シャネルなどの直営店が軒を連ねているのだそうで。
 それから、つい先日オープンしたばかりの「エスキス表参道」。こちらは以前「ビブレ原宿」だったビルが改装され、シャネルやイブ・サン・ローランを初めとして、数多くのブランド直営店が入ったビルに変身したとか。さらに、来年にはその近くに、ルイ・ヴィトンの大型直営店もできると聞いております。
 実は、今日はその方面の専門家の方々がいらっしゃっているんですよ。私もちょっと興味があるので、先程からグラスを磨きながらその話し声に聞き耳を立てているのですが……お客様も興味がございましたら、もう1杯なにかお持ちしましょうか?



image ■ 佐藤秀幸さん(三菱商事)の

「エスキス表参道」の話

 最近、キャリアの女性には疲れている人が多い。そういう人を癒すため、表参道に「白亜の御殿」を造ってしまった。それが「エスキス表参道」。
 外回りは依然の「原宿ビブレ」のままだけど、ガラス面を大きくして、現代的な開放感を出すようにした。中は吹き抜けになっていて、ちょっとした図書館のようなイメージ。シャネル、イヴ・サン・ローランなどの高級店が入るにふさわしい建物になったと思う。
 デパートに入っているお店と違うのは、その広さ。デパートだとどうしても狭くなってしまうので、限られたものしか置けない。例えば、この前シャネルのお店が西武にできたけど、そこは靴しかおいていない。だけど、エスキス表参道のお店にはシャネルの全アイテムが置いてある。それこそ、今までは眼鏡屋にしか置いていなかった眼鏡やサングラスまである。しかも、表参道という立地を考えてくれて、買いやすい値段に設定している。だから20〜30代のOLには受けると思う。
 実は今から1年くらい前、マイカルから原宿ビブレを買ったときには、「ブランドのビル」なんて考えていなかった。最初に考えていたのは、表参道という場所柄、スポーツなどのカジュアル路線。ところがその後、ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールといったブランドのお店が次々と表参道にオープンしていって、周りの見る目が変わった。それで、今年の初めにシャネルやグッチに話を持っていったら、かなり乗り気で聞いてくれて、トントン拍子に事が運んでしまった。
 今、表参道のケヤキ並木は、まさにシャンゼリゼ。表参道の交差点からエスキス表参道までは、高級ブランドのお店が軒を連ねている。

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image ■ 吉峰里恵さん(エルメス・ジャポン)の

「エルメス」の話

 6月28日、銀座に「メゾン・エルメス」がオープンした。やたらと目立つ建物なので、おかげさまで建物だけを見に来てくださるお客様もいらっしゃるほど。
 デザインは、日本のランタンをイメージした、と聞いている。昼間は外からの光を中に吸収して、夜は中からの光を外に発信する、というコンセプトの下、夜の12時まで電気をつけている。彫刻家の新宮先生がおっしゃるには、光の入り方が日本の障子に似ているそうで、とても柔らかい光が入ってくる。
 建物自体は、地下3階、地上11階なんだけど、エルメス銀座店の売り場は地下1階から地上4階まで。1階の入り口を入ってすぐがスカーフの売り場になっていて、シーズン毎に12〜15の新作が並ぶ。一つ一つの絵に、ちょっとしたエピソードやヒストリーがあるので、スカーフの柄を見ていただくだけでも楽しいと思う。
 スカーフは、広げた時と結んだ時で見え方が全然違うし、結び方によってもすごく表情を変えるので、旅行の時などもスカーフを数枚持っていけば、様々なバリエーションを楽しめる。私も、最初はスカーフの結び方に詳しいワケではなかったのだけど、フランスのお店のスカーフコーナーにいたアドバイザーが毎年開く「結び方講座」を見て、見よう見まねで覚えた。今、そのアドバイザーが銀座店のスタッフとして1階にいるので、彼女のアドバイスを聞いて選ぶのも良いと思う。
 現在、エルメスの全世界における売り上げの中で、日本の占める割合は約1/4。だから日本の市場は非常に重要とは考えられているけれど、それで日本向けの何かを作ろうという事にはならないらしい。ただ、日本で人気のトートバッグなどは、新しい色が出てシリーズ化になったみたい。

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image ■ 甘糟りり子さん(コラムニスト)の

「プラダ」の話

 丸の内のプラダのお店には、奥にVIP用の試着室がある。そこにはバング&オルフセンのオーディオと電話が付いていて、国際電話OK、CD持ち込みもOK。国際電話を掛けた人はまだ居ないらしいんだけど。バング&オルフセン付きの試着室があるのは、丸の内のお店とミラノのモンテナポレオーネ通りのお店の2店だけ。結構スゴイかな、と思う。
 プラダといえば、根津美術館の手前に大きな看板が出ているけど、2002年の春にオープンの予定でお店を作っている。地下2階、地上4〜5階、一番上にはイベントスペースを作って、これは未確認情報なんだけど、カフェかバールも作るらしい。プラダがサンドイッチやコーヒーを作るワケじゃないだろうから、どこかと提携するとは思うんだけど、そういう風にして飲食店をやる可能性もあるかもしれない、という話を小耳に挟んだ。
 今、その工事現場に行くと、菱形のガラスの壁がある。その菱形のガラスで全面ガラス張りの建物になるみたい。最近は「ファッションと建築のコラボレーション」みたいな事が流行だけど、プラダのお店もその流れに乗って、そのお店の空間自体もプラダの表現、という感じになると思う。
 というのは、これまで丸の内やモンテナポレオーネなどのプラダのお店を作ってきたのはロベルト・バチョッキさんという建築家だったんだけど、今回初めてヘルツォーク&ド・ムーロンという人達に頼んでいるから。この人達は、雑誌「ブルータス」の表現を借りると、「建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を今年受賞したスゴイ人達」なんだとか。プラダはかなりやる気と見た。

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image ■ 森本陽子さん(クリスチャン・ディオール)の

「クリスチャン・ディオール」の話

 1997年、ジョン・ガリアーノがデザイナーになってから、クリスチャン・ディオールのイメージが大きく変わった。
 就任した当初は、彼自身も迷っていたらしい。彼にしてみれば「大ディオール」を背負わなければならないというプレッシャーがあったハズ。それでも彼は、コンサバな部分は残しつつ、彼らしい新しさをディオールに吹き込んでいった。
 最初のコレクションは、「ニュー・ニュールック」と言われた。ニュールックというのは、初代クリスチャン・ディオールの最初のコレクションで話題を呼んだスタイルで、今ではファッション辞典にも必ず載っている言葉。その初代ディオールのエスプリを継承しつつ、さらに新しさを加えたニュー・ニュールックは絶賛された。
 それが3年ぐらい続いて、さらに2000年の春夏コレクションで、ロゴブームの復活に先鞭をつけるスタイルを発表する。私の世代だと、ちょうど大学の頃を思い出させるロゴブームなんだけど、ジョンは、かつてはジャカード織りという素材だったものをデニム地にして、今という時代を反映させた。一番象徴的なのが左右非対称の「ロゴバッグ」。彼は馬の鞍の形からインスピレーションを得たらしいんだけど、あれを持つときはお約束がある。バッグを右肩に掛けて、「D」の金具に親指を引っかける。そうすると、すごく姿勢が良くなるので、「どう?私はイイ女よ!」という感じで街を闊歩する。そういうバッグ。
 そんなジョンの斬新でクリエイティブな面と、それを形にするアトリエのスタッフの伝統的な技術。その2つで、現在のクリスチャン・ディオールは成り立っている。

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image ■ 高橋みどりさん(エストネーション)の

「エストネーション」の話

 「エストネーション」は有楽町にできた大型服飾専門店。場所柄、30歳以上の働く男女をターゲットにしている。
 お店に置いてある物の80%はオリジナルの商品。そうしているのは、できるだけ工場や生地屋まで行き、一緒に組んでくれるデザイナーを探して、自分たちで商品を作った方が、きちんと「30歳以上の男女が働くための服」ができると思ったから。おかげさまで、この手のお店は想定した年齢層よりも若い人がメインになってしまうケースが多いのに、ウチはちゃんと狙った通りの30代の人がメインで、20代の人は比較的少なくなっている。
 お店を作るにあたっては、「"日本人であることを忘れる" のを止めよう」という考えがベースにあった。私たちのようなファッション業界に身を置く人間は、「パリでこの店が流行っている」とか「ニューヨークだったらあの店を見に行かなきゃ」という情報交換をいつもしている。それは海外にはそういう「見るべき店」が必ずあるから。ところが、日本にはそういうお店がない。だから外人が日本に来ても、買い物に行くのはせいぜい秋葉原ぐらい。そこで、私たちはそういうお店になりたい、という想いを持って、日本人らしい色やセンスを少しでも入れようと努力した。
 お店全体の色調はグレーで、赤や黄色でアクセントを付けているんだけど、「赤」は朱色に近い色にしたり、「黄色」は山吹色にこだわったり、「青」だったら紺色にたり、日本の伝統色を取り入れている。デザイナーのクリスチャン・ディシェールにサンプルを渡して頼んだり、フランス人である彼が見た日本のイメージを盛り込んだりもした。
 キャピトル東急やオークラも似たような部分があるけど、それをもっと今風の日本にして、「今の東京」を発信できれば、と思っている。

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image image ■ 関知良さんと田居克人さん
  (日本ファッションエディターズクラブ)の

「エストネーション」の話

 去年あたりから世界の有名ブランドが東京に次々と路面店を開いている。その理由は、わかりやすいところで東京の地価が下がったから。
 それから、海外ブランドの世界戦略における「東京」の占める地位が、非常に大きくなったのも大きい。あれだけの土地を買って、あれだけ大きな建物を建てて、大変な投資をしているんだけど、彼らはそれが長期的な展望ではリターンすると考えている。そのお店単体で利益が出れば一番良いんだけど、もしそうならなくても、イメージとしてアジア全体の中でのポジションが上がれば良い。
 例えばエルメスだったら、この間銀座に大きな路面店を作ったけど、その中に入れば、そこは「エルメスの世界」。あらゆる商品が置いてあるし、昔の商品の展示すらしている。あのお店に行くこと自体が、エルメスを感じてもらうチャンスになる。
 そういったブランド側の事情とは別に、「ゾーンの開発」という側面もある。昔は丸の内の仲通りと言えば、ファッションとは縁遠い場所だった。しかし丸の内エリアの再開発の一環として仲通りを活性化するため、ブランドのショップを呼ぼうという地元の計画が動いていた。さらに歩いて5分くらいの並木通りも、歩道を広げ、敷石も換え、並木も全部植え替えている。そういう地道な努力の結果、ブランドのショップが出やすい環境が整った。
 元々人の集まる場所に、ブランドのショップが集まり、さらに人が集まる。そんな相乗効果が街の活性化をもたらした。2003年まで東京の再開発が一斉に進行する事になっているけど、街がぐんぐん大きくなって、新たな状況が作り出されていく時に、お店も一緒になって「東京」という街の役割を担っていくんだと思う。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'25" All Of You Nancy Wilson Capitol CDP 7243 8 28515 2 3
17'11" Always True To You In My Fashion Eydie Gorme MCA UCCC-3018
22'58" That's My Style Peggy Lee Capitol 7243 5 21096 2 3
32'01" It's Too Good To Talk About You Blossom Dearie verve MGV-2125
41'32" You're Not So Easy To Forget Morgana King Emarcy EJD-3101
50'13" My Shining Hour June Christy Capitol 7243 8 55455 2 8


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