■ 中田秀夫さん(映画監督)の
「不思議な話」
映画『リング』で「白い服を着た髪の長い女が映っている」と噂になった。確かにそう見ようと思えば、そう見えなくもない。でも僕は元来理科系の人間なので、そういう話は絶対に信じない。どんなことでも合理的な説明を見つける。これを自分で「内なる大槻教授」と呼んでいる。
ところが、『リング2』の撮影の時に、その「内なる大槻教授」さえも説明できないような、不思議な出来事があった。
地名は伏せるが、とある岩場の海岸で撮影をしていた。カメラは海から撮っていて画面の手前は波打ち際、その向こうで主人公たちが洞窟へと入っていくというシーン。波の音を拾うために、マイクを水面へ向けていたのだが、何度目かのテイクで録音の人が、「リカコ…」と囁く若い男性の声が入っているのに気が付いた。
あまりに明確な声に、最初は録音の人も「誰だ、本番中に喋ったのは」なんて言っていたけど、スタッフは誰も喋っていない。慌ててテープを巻き戻して聞いてみたら、その前のテイクにも同じ声が入っていた。霊感が強いと言われる女優さんに至っては「コレ、若い男性の声以外にも、いっぱい入ってる」なんて言い出すし。
でも当然、僕の「内なる大槻教授」は、そんなモノを認めるハズもない。まず疑ったのは観客。そこは観光地で、周りで見学している観客がかなり居たので、その中の誰かの声だろうと思った。でも集音マイクは水面に向けられていたので、それはあり得ない。そこで「内なる大槻教授」が見つけた言い訳は、「洞窟の反響」。そこは洞窟があったり橋があったりして、非常に音が反響しやすい場所だった。そこに波が打ち寄せると、「カコーン」という音がする。さらにそこに「リ」というノイズが偶然乗れば、「リ、カコーン、リカコーン、リカコ…」に聞こえるかもしれない。それで自分としては納得していた。
ところが後で聞いた話だと、そこは自殺者が多いばかりか、かなり遠くの海で亡くなった人も潮流の関係でそこへ流れ着く、というシャレにならない場所だったらしい。地元の人にこの話をしても、当たり前のように「それは霊の声でしょう」と言う。後でTV番組の撮影で霊能力者を連れていったら、それまではヘラヘラしていた霊能力者が、「海に入る」と言った途端に青ざめて、急に大きな声で海に向かってお経を唱えた、という話も聞いた。
まぁ、そこに霊が居る居ないという話より、急に大声でお経を唱えるヤツの方が怖いんだけど。
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■ 橋本明信さんと小糸栄偉知さん(某商社)の
「商社の真実」の話
ウチの機械部隊なんかは、海外で機械を売るのがメインだったりする。ところが昨今の状況で、海外の人を減らしている商社も多い。それでも海外のお客さんのニーズが分からなければ仕事にならない。そういう時にどうするか。そこで出てくるのが「はりつけの刑」。
あるお客さんから「将来、大きな工場を建てる計画がある、予算は5億ドルくらいだ」なんて話を聞きつけたら、東京から人が飛んでいって、ひっついて離れない。これが「はりつけの刑」。ビザの関係で期間は6ヶ月くらいが限度なんだけど、何がツライって、「コレで絶対に儲けて見せます」って言って出ていって、「やっぱりダメだったんで、帰ってよろしいですか?」って帰国伺いの電話をするときが一番ツライ。電話の前に話す内容を全部箇条書きにして、完璧に筋道を立てて「〜という理由で、帰ります」と言おうと思っていたら、それをうち崩されて「で、どうするの?」「………すみません、残ります」って言ったヤツもいるらしい。
商社というと、出張でロンドンとかニューヨークへとか、世間では格好良いイメージがあるけど、本当に商社っぽいのは、日本人が誰も行ったことのないような場所。なぜなら、誰も行っていないからこそ仕事があるから。そういう所へ行くと、上司からは「お前、もう大臣には会えたのか?なんだ、そっちへ行って何カ月経ったと思ってるんだ!」なんて言われたりする。結局それは、発展途上国で一番安心してお金を貸したり仕事を頼めるのは、その国の政府だから。そこで、橋を架けたり、鉄道を敷いたり、携帯電話のネットワークを作ったり、という仕事を受ける。それが商社の仕事。
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■ 浜村弘一さん(週刊ファミ通編集長)の
「どうぶつの森」の話
今、一番はまっているゲームがNINTENDO 64の『どうぶつの森』。
これは凄く単純なゲームで、動物が住んでいる森があって、そこへ汽車に乗って引っ越していく。そこで1つ部屋を与えられるんだけど、当然その部屋には最初は何もない。そこで動物たちのお手伝いをして、家具をもらって部屋を飾っていく、というゲーム。
これだけだと何が面白いのか分からないと思うけど、実はこのゲーム、与えられる部屋は4つ用意してあって、自分以外の誰かも住むことができる。ウチの場合は息子が住んでいるんだけど、動物との会話の中で、「そういえば○○ちゃん(息子)が遊びに来てくれて、こんな手紙をくれたんだよ」と言われて、その手紙を読ませてもらうと、「今度お父さんと一緒に遊びに行くね」と書かれていたりする。
またある時は、自分の家の前に息子から贈り物が置いてあって、「お父さん、テーブル欲しいって言ってたからあげるよ」とメッセージが添えられていたり、今度は逆に「ありがとう、お前が欲しがっていたクワガタだよ」とか。
しかも森へ行くと、動物たちが「この間○○ちゃんが遊びに来てね、こんな事があったんだよ」なんて噂話をしている。つまり、ゲームの中ではリアルタイムで時間が流れていて、息子がこのゲームをやるのは朝で、僕は夜中だったりするんだけど、自分の居ないところで何かが進んでいるのがすごく面白い。その面白さは、一言でいうとネットワークの面白さだと思う。
このゲームにはデータ用のカートリッジが付いていて、他の人の村へ遊びに行くこともできる。するとその時に、自分の村にいた動物たちが、一緒にその村へ引っ越したりもする。そこでさらに「浜村さんが手紙をくれたときに…」みたいな噂話も伝わって、ネットワークはどんどん広がっていく。そういうコミュニケーションの楽しさがこのゲームにはある。
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■ 徳大寺有恒さん(自動車評論家)の
「フランス」の話
自動車を発明したのはドイツだったかもしれない。でも、自動車を発展させたのはフランス。それは19〜20世紀のはじめ、フランスにすごくお金があった時代に、フランスはドイツの自動車をどんどん買って楽しんでいたから。
フランスはスピードの国。コンコルドとか、TGVとか、スピードの出る乗り物をとにかく作りたがる。自動車も、世界で初めて時速100kmに達した車は、フランスの車だった。
シトロエンの車を見ていて感心するのは、モノ・クラスであること。つまり、クラスという思想がない。お金持ちにはこの車、貧乏人にはこの車、という考え方をしない。特に好きなのが「シトロエン2CV」。僕が飼っている猫にすごく似ているなと思ったんだけど、そんな風に感じたのはこの車が初めてだった。606ccと言えば、日本の軽自動車よりも小さい。しかも、ローテクの固まりのような車で、昔はワイパーを手で動かしていたような車。でも、そういう車だからこそ、動物に抱くような愛情を感じる。
この間は、ジャガーの試乗会があってブルゴーニュへ行ってきた。ブルゴーニュはご飯が美味しいハズなんだけど、あんまり美味しくなかった。というのは、ブルゴーニュと言えば何といってもワイン。そのワインのためには、牛を出して欲しい。牛がダメなら、せめて羊。でも、今のフランスはどっちもダメだった。だから出てくるのは鶏ばかり。ちょっと前にモンテカルロであったオペルの新車発表会は、さすがフランスという感じで美味しかったのに。
ヨーロッパではメディアがあまりなくて、TVなんかも1〜2チャンネルしかないところが多い。だから自動車雑誌に力を入れていて、新車発表会や試乗会に取材で行くと、いつも大いに歓待してくれる。そういう期待をして行っただけに、ガッカリ。
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■ 鷺巣詩郎さん(アレンジャー)の
「ロンドン」の話
実は、僕はイギリスのノッティングヒルに住んでいる。ジュリア・ロバーツの映画で有名になっちゃったけど、本来は日本でたとえるなら笹塚みたいな、かなり生活臭に溢れた街。だから日曜日にほとんどパジャマのような格好で近所に買い物に行くと、観光客に出くわしたりして、かなり恥ずかしい思いをするようになった。そういう風に、映画のおかげで街の雰囲気が変わっていくのも、見ていて意外と面白い。
ロンドンに来た人は、みんな「メシがまずい」って言うけど、僕はメシがまずいと思ったことはない。イギリスの名誉のために言わせてもらうと、僕はむしろ、アメリカの食事の方が、どこかケミカルな感じがして美味しくないと思う。野菜一つをとっても、そういう感じがする。
「イギリス料理を食べたければブレックファーストを食べなさい」と言われたりするけど、朝食は美味しい。しかも、変な話だけど、どこの店でも1日中朝食セットが食べられる。
もし今度ロンドンへ行く機会があったら、ぜひ試して欲しいのがジャマイカン・フード。ジャーク・チキンっていうスパイシーなチキンがあって、名古屋の手羽先にそっくりな味なんだけど、このチキンの下にご飯が敷いてある「ジャーク・チキン&ライス」はかなり美味しい。日本人がロンドンへ行って安心して食べられる料理として、中華料理とインド料理が有名だけど、ジャマイカン・フードはその2つに匹敵すると思う。
ロンドンへ行ったら、ちょっと濃いところ、例えばノッティングヒルでも良い。あそこは有色人種が多いことで有名な土地なので、そこでジャマイカ料理の店に入って欲しい。そこで「チキンちょうだい」と頼めば、ジャマイカの人は本当にフレンドリーなので、楽しく美味しい食事ができる。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 10'44" |
Gotta Have Me Go With You |
Debbie Reynolds |
Dot |
MVCJ-19233 |
| 21'18" |
Around The World |
Matt Monro |
EMI |
0777 7 98440 2 9 |
| 31'47" |
Moonlight Saring Time |
Blossom Dearie |
Verve |
POCJ-2082 |
| 40'50" |
Meu Juramento |
Marcio Faraco |
Emarcy |
UCCM-1019 |
| 47'26" |
Sweet Happy Life |
Peggy Lee |
Capitol |
7243 4 9888 3 2 6 |
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