子供の頃から模型は大好きだった。飛行機、戦艦、何でも好きだったけど、特に好きだったのが怪獣もの。ガメラやバルゴンを作っては砂場に持っていき、砂山を壊して巨大な怪獣を想像していた。
でも、誰でも同じだと思うけど、大きくなるにつれて徐々に怪獣から離れていった。ところが18歳になってプロレスの世界に入って、当時の国技館がまだ蔵前にあったんだけど、その周りがおもちゃ問屋だらけであることに気付いてしまった。会場へはバスで向かうんだけど、信号待ちの時にふと窓の外を見ると、「大魔人」とか「ガメラ」、「ゴジラ」なんて模型がこれでもかというぐらい並べてある。それで昔の記憶が呼び戻されたというか、一気に燃え上がってしまった。
それで、当時はまだ新日の道場に住んでいたんだけど、近所のおもちゃ屋にいったら、あるわあるわ。しかも僕が子供の頃よりもリアルになっている。もう感動してしまって、それから模型を買い集め始めたんだけど、そうしたら止まらなくなってしまった。
大きなメーカーが作った模型だけ飽き足らなくて、ガレージキットにも手を出すようになった。ガレージキットというのは、個人で模型を作って、10〜20個くらいを販売するという、非常にコアな世界なんだけど、これが本当にリアル。怪獣の微妙な曲線や凸凹が、キレイに再現されている。
中には身長1m、尻尾まで含めると2mなんてゴジラがあってたりして、いったいどこに置けというのか!みたいなものまで売っている。そういうのは組み立てずにそのまま仕舞っておく「ツンドク・モデラー」も多い。それもまたコレクションの形の一つ。
さらに趣味が高じると、自分で原型を作りたくなってくる。僕も何度かガレージキットを作って、「ワンダー・フェスティバル」という模型のお祭りに持っていき、当日版権を取得した上で販売した。
この「ワンダー・フェスティバル」というお祭りが面白くて、例えば大手のメーカーがその日限定のモデルを発売するとなると、長蛇の列ができたりする。でも、そういう模型はだいたいソフビ(ソフト・ビニール)のヤツなので、僕はあんまり興味がない。ところが僕の友人で、ケンドー・カシンというプロレスラーがいて、どうやらコイツがその列に並んでいたらしい。しかも周りに黙って行ったので、行列の中で「カシンさんですよね?」とファンに声を掛けられても、必死になって「いえ、違います」って隠そうとしていたとか。その噂を聞きつけて、「お前、並んでたらしいじゃん」ってカシンにいったら、「えっ!どうして知ってるんですか?!」って驚いていた。プロレスラーなんて、誰でも一目で分かるのに。