「コメディエンヌ」って言葉は良い響き。そう呼ばれるようになりたいと、心から思う。でも、やっぱり女性心理というのは複雑なモノで、面白いと言われたい、と思いつつも、キレイに見られたい、カワイイと言われたい、という気持ちも正直ある。だからコメディエンヌになるには、並大抵じゃない決意が必要だと思う。
好きな人が出来て、その人が舞台を見に来てくれて、「頑張ろう」と思ったとする。でも、舞台の袖でフッと自分の見たら、股間にひょっとこのお面を付けて、ほっかむりにババシャツ、乳首にはぐい飲み、なんて格好だったりする。そうすると、どこかで可愛く見られたくて、演技が小さくなってしまったり、笑いが小さくなってしまう。実際、それをやってしまった時は、「何のために何ヶ月も稽古をしたんだろう…」と落ち込んだ。
それ以来、「自分のそういうところも含めて好きと言ってくれる人じゃなきゃダメなんだ」と吹っ切るようにしたけど、お笑いをやっている女性は、一度は必ず越えてきている壁だと思う。だから同じ事で悩んでいる女性には、どんな格好をしていようと「頑張れ!恥ずかしくない!カワイイ!キレイだ!」って言って、励ましている。
女性っぽく振る舞うと、どうしても笑いは半減してしまう。私が髪を伸ばさないのも、それが理由。汚くてイイことはないので、キレイであることは大事だけれども、その上で女性らしさを感じさせない。その加減が難しい。
ここのところずっと彼氏がいないんだけど、もし誰かを好きになったら、久しぶりの恋愛にドキドキしちゃって、また同じ過ちを繰り返してしまうかも知れない、とビビっているところ。でも、森光子さんの舞台『おもろい女』を観たら、女性のコメディアンって大事なんだ、と感動した。それに、清川虹子さんに合った時も、「久本でございます」って挨拶したら「いつもテレビで見てるわよ。女の喜劇、頑張りましょう!」って励まされた。