SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2001年4月21日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「コメディエンヌ」

 今日のAVANTIは、素敵な女性でいっぱいです。
 久本雅美さん、重田千穂子さん、もたいまさこさん、樹木希林さん、高畑淳子さんと、バラエティ番組や舞台、コメディ・タッチのドラマでご活躍の皆さん。喜劇俳優「コメディアン」は数多くいらっしゃいますが、喜劇女優「コメディエンヌ」がこれだけ集まるのは、珍しいのではないでしょうか。
 せっかくの機会ですから、コメディエンヌの愉快なお話に、聞き耳を立ててみませんか?



  • 久本雅美さん(タレント)の

    「女性のコメディ」の話

     「コメディエンヌ」って言葉は良い響き。そう呼ばれるようになりたいと、心から思う。でも、やっぱり女性心理というのは複雑なモノで、面白いと言われたい、と思いつつも、キレイに見られたい、カワイイと言われたい、という気持ちも正直ある。だからコメディエンヌになるには、並大抵じゃない決意が必要だと思う。
     好きな人が出来て、その人が舞台を見に来てくれて、「頑張ろう」と思ったとする。でも、舞台の袖でフッと自分の見たら、股間にひょっとこのお面を付けて、ほっかむりにババシャツ、乳首にはぐい飲み、なんて格好だったりする。そうすると、どこかで可愛く見られたくて、演技が小さくなってしまったり、笑いが小さくなってしまう。実際、それをやってしまった時は、「何のために何ヶ月も稽古をしたんだろう…」と落ち込んだ。
     それ以来、「自分のそういうところも含めて好きと言ってくれる人じゃなきゃダメなんだ」と吹っ切るようにしたけど、お笑いをやっている女性は、一度は必ず越えてきている壁だと思う。だから同じ事で悩んでいる女性には、どんな格好をしていようと「頑張れ!恥ずかしくない!カワイイ!キレイだ!」って言って、励ましている。
     女性っぽく振る舞うと、どうしても笑いは半減してしまう。私が髪を伸ばさないのも、それが理由。汚くてイイことはないので、キレイであることは大事だけれども、その上で女性らしさを感じさせない。その加減が難しい。
     ここのところずっと彼氏がいないんだけど、もし誰かを好きになったら、久しぶりの恋愛にドキドキしちゃって、また同じ過ちを繰り返してしまうかも知れない、とビビっているところ。でも、森光子さんの舞台『おもろい女』を観たら、女性のコメディアンって大事なんだ、と感動した。それに、清川虹子さんに合った時も、「久本でございます」って挨拶したら「いつもテレビで見てるわよ。女の喜劇、頑張りましょう!」って励まされた。

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  • おもろい女(ほら貝)



  • 重田千穂子さん(女優)の

    「お江戸でござる」の話

     『お江戸でござる』は時代劇の形を借りたコメディ。だから時代劇っぽくやると、かえって良くない。
     『お江戸〜』に時代劇の大御所がゲスト出演した時も、「袖を取ってイヤンイヤン」みたいな、時代劇的に「照れている」演技をしてくれ、という話が出たことがあった。そうしたら野川由美子さんが「やらんでええ!」って言ってくれて。さらに「おシゲちゃんはおシゲちゃんらしく演技するのが良いんだから」って励まされた。今はその言葉を大事に、自分の演技をするよう心掛けている。
     レギュラー陣は、伊東四郎、由紀さおり、魁三太郎、桜金造、えなりかずき、そして私と、かなり地味な番組だけど、チームワークはバッチリで、それがコメディでは一番大事。ゲストの方も、みんな「テンポが速い」って驚くほど。
     私もかなり素の演技をしているけど、もっと凄いのは伊東四郎さん。テンポは速いし、メリハリは付けない。でも内面はちゃんと伝わってる。一度本人にその秘訣を聞いてみたら、「相手の言うことを聞くこと」と言っていた。伊東さんは、「てんぷくトリオ」の中でも一番若くて、あまりセリフをもらえなかったらしい。しかも、下手に目立つと怒られる。だから、相手の言うことを聞いて聞いて聞いて、どこか付け入るスキはないか、いつも考えていたんだとか。だからリアクションが本当にうまい、本物の聞き上手になったのだろう。私なんかは、伊東さんのお陰で自由に泳がせてもらっている、と言っていい。
     笑いには、あまり練習しない方が面白い場合もある。「最初は面白かったけど、いつしか演じる方が飽きてしまう」という事は往々にして起こりうる。ところが、ある一線を越えると、「毎回、新鮮な反応が出来る」ようになる。何度観ても面白いし、何度やっても面白い。それこそが役者の力量。

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  • 重田千穂子(太田プロ)
  • お笑い番組ガイド・レビュー コメディーお江戸でござる
    (THE OWARAI 〜西条昇の爆笑大全〜)
  • 上原半兵衛道場門前



  • もたいまさこさん(女優)の

    「やっぱり猫が好き」の話

     『やっぱり猫が好き』は、役者自らが企画会議に参加するような変な番組だった。
     普通、構成作家が書くコントというのは、右行って左行って右行ってオチ、みたいな、ある種のセオリーがある。だけど、私達のやりたかったのは、そういうコントじゃなかった。それは一言でいえば、「ダラダラしたくだらないモノ」。
     夜遅く、疲れて帰ってきて、ビールでも飲みながら何となくテレビをつけたときに、「なにこれ?くっだらね〜」って言われるような、「こんなバカ達が暮らしているんだから、明日も大丈夫か」と思えるような、そんな番組をやりたかった。
     だから「笑い」を作っているという認識は全然なくて、ひたすら「くだらないこと」を考えた。台本の打ち合わせでも「これじゃ、くだらなすぎない」とか「意味ありすぎ」なんて言葉が飛び交ったりして。
     だから脚本家もやりにくかっただろうと思う。本当に骨組みだけもらっておいて、オチは勝手に変えちゃったり。本番を撮っている最中に、いきなり「休憩を入れたいんですけど〜」って言って、奥へ行って3人で相談した事もあった。スタッフも「仕事ちゃんとやれよ!」みたいな、冷たい目で見るし。
     小道具や衣装を自分で持ってきたりもした。その小道具をこっそり隠しておいて、本番であとの2人をビックリさせたりして。とにかく慣れてしまったらつまらない、と思っていたから、とんでもない事を片っ端からやっていた。

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  • とにかく「やっぱり猫が好き」
  • やっぱり猫が好きファンのページ
  • Macya's Cafe



  • 樹木希林さん(女優)の

    「女優という仕事」の話

     この仕事をするようになってから、ずっと「逃げ腰」で続けている。今でも「他に自分に合った仕事があるんじゃないか」なんて考えたりしている。
     そもそも、文学座へ入ったこと自体、行きがかりだった。その時、薬科大学に入るべく受験勉強をしていたら、足を折ってしまい、受験すらできない状態になってしまった。それで足が治ってから、その春に応募できるところを探したら、何の間違いか文学座に入ってしまって。
     当時は、ちょうど新劇の役者がテレビに出だした頃。でも、舞台の役者は、テレビや映画はあくまで「アルバイト」と考えていて、ましてやCMに出るなんて…、なんて雰囲気があった。でも、私は平気でテレビにも出たし、CMにも出た。それで分かったのが、CMの仕事が一番私に向いているということ。だって、CMは短いから。
     最初に出たCMは、東海地方だけで流れたローカルなCMだったんだけど、そのCMは年の暮れのサンデー毎日で、堂々「CMワースト10」の3位に選ばれた。ちなみに1位は「おめぇ、ヘソねぇじゃねぇか」というセリフをカエルが言うCMで、「下品な言葉を使っている」というのがその選評。で、私の出たCMは「お醤油はサンビシ醤油、しょうゆうこと」という下手な駄洒落がマズかったらしい。サンビシ醤油は今でも売ってるけど、今となっては良い想い出。
     当時は、先輩や周りの人の「新劇女優たるものが…」という軽蔑のまなこで見られたものだけど、最近はそういう事もなくなった。私自身は、やっていることも考えていることも変わったつもりはないから、世の中が変わったのだろう。





  • 高畑淳子さん(女優)の

    「セリフ間違い」の話

     一度だけ、物凄く飽きちゃった芝居があって、わざとセリフを忘れたフリして「忘れちゃった」と言ったことがある。今となっては「魔が差した」としか思えないけど、コメディって、どうしようもないくらい飽きてしまって、「ココで裸になってしまいたい」と思う瞬間が時々ある。
     役者にもセリフをよく間違えたり忘れたりする人はいるもので、そういう人と一緒の舞台に立つのは、やっぱりあまりいい気がしない。というのは、間違えた本人は気付いていないから涼しい顔をしていられるけど、周りの人間は大慌てになるから。
     セリフの間違いといえば、凄かったのが黒柳徹子さん。ある芝居の千秋楽で、徹子さんがセリフを飛ばしてしまった事があった。私は「そのまま続けるしかないのかな?」と思っていたんだけど、徹子さんは、たった4行のセリフとはいえ、そのセリフがないと後で辻褄が合わなくなる事に気が付き、いきなり芝居を最初に戻してしまった。慌てたのが、共演していた私と千堂あきほさん。徹子さんが一人語りで説明している間、後ろへ行って窓の外を見ているふりをしているしかなかった。
     後で舞台を観に来ていた友達に聞いたら、それがアクシデントだとはまったく気が付かなかったらしい。やっぱり森光子さんとともに、生テレビの時代を支えてきた人は、一味違う。

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  • 舞台チャンネル 「幸せの背くらべ」(トットチャンネル)
  • 徹子の部屋 出演:高畑 淳子(テレビ朝日)





    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    8'39" When You're Smiling Frank Sinatra Capitol CDP 7 46573 2
    16'19" How I'd Love You Nat King Cole Capitol CDP 0777 7 80536 2 0
    24'34" You're So Right For Me Peggy Lee Capitol TOCJ-5418
    36'30" I Ain't Got Nobody Rosemary Clooney RCA R25J-1002
    47'03" Do It Again Mitzi Gaynor verve POCJ-2660

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