最近、ビーチボーイズとかビートルズとかの「リマスター」CDが非常に多い。
デジタルリマスターは16ビットから24ビットに進化して、音が本当に良くなった。だから、初めて聞く人にはスゴク良いんじゃないかと思う。ドラムなんか、これまでは音圧しか感じられなかったのが、革の上の空気が震えている感じまで聞こえてくる。
ただ、僕が70年代に聞いていたバンドはそうじゃなかったという思いが僕の中のどこかにあるので、アナログ盤の方がしっくりくる。物理的に音が良くなることが音楽にとって良いことなのかどうか、という根元的な問題なんだけど。
でも、24ビットでリマスターされたビーチボーイズなんかは、僕が聞いてもすごく良い。多分、「声」とか「ハーモニー」には合っているのでは。一方で、ビートルズなんかだと、この間の27曲入ったヤツでも、つい「オレのビートルズはこうじゃなかった、ビートルズは右と左に歌と演奏がわかれているもんだ」と思ってしまう。
それから、リマスターでノイズを削るのも善し悪しだと思う。ノイズを削るということは、どこかの周波数を削るということ。むしろ、ノイズも含めて、昔のアナログ盤の感触を、デジタル技術で再現して欲しい。
ノイズを気にしてフェードアウトが早くなっていたり、頭も音が出る直前までカットしているのも、しっくりこない原因の一つだと思う。例えば、レコーディングの時に「ワン、ツー、(スリー、フォー)」とカウントする。その無言でカウントした「フォー」のところもレコードに収められていたので、演奏者が演奏に入る直前に息を飲む雰囲気も、アナログ盤からは伝わってきた。ところがデジタルリマスターでは、その部分がカットされてしまう。音を音楽として見ていなくて、音質としてしか見ていないのが残念。
新しい今の音楽は、最初からノイズがない状態で録音されているからそれでも良いんだけど、昔のリマスターなら、ノイズも含めて音楽だったんだという事を考えて作って欲しい。