僕も雑誌の編集者を10年続けてきて分かったのだが、編集者とは校正する人生。たとえば今年は「アボガド」の年だった。
「アボガド」は、英語で書けば「avocado」。つまり「アボカド」が正しい。ところが今年の初め、世の飲食店の9割は「アボガド」と書いている事に気が付いた。そこで、お店に行っては「アボガド」を片っ端から校正していった。この間も、西麻布の「坊」という和食屋で「ウェイターさん、ちょっとゴメンナサイ」と言って、今世紀最後の「アボガド」校正をしてきたところ。
それ以外にも、「コミュニケーション(communication)」を「コミニュケーション」、「シミュレーション(simulation.)」を「シュミレーション」、「エキシビション(exhibition)」を「エキシビジョン」と書いてしまう間違いのなんと多いことか。しかも、ワープロさえその間違いを許してしまうケースがある。
「クロースアップ」を「クローズアップ」、「ニューズ」を「ニュース」、「スムース」を「スムーズ」は許そう。しかし「アボガド」は許さん!と思って、今年1年頑張ってきた。
ところが、ここへ来て新たな強敵が出現。それは椎名林檎。マキシシングル第5弾「ギブス」、これは「ギプス(gips)」が正しい。でも、今まですべてのアルバムを買っている椎名林檎だけは、許さざるをえない。だからこれからは、僕の中では「ギプス」は「ギブス」として、生きていこうと秘かに決めた。