SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2000年12月2日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「ベスト・コニサー」

 改めまして、いらっしゃいませ。今週からこのサイトを任されました、バーテンダー見習いの小穴顕治です。バーテンダーとしてもホームページの運営者としてもまだまだ駆け出しで、至らぬ所もあるかと思いますが、精一杯頑張りますので、宜しくお願い致します。
 さて、当AVANTIには、様々なお客様がいらっしゃいます。今日も、草なぎ剛さんや山城新伍さんのような有名な方から、茅場町の天ぷら屋「みかわ」のご主人のような普通の方まで、非常にバラエティに富んだお客様がいらっしゃってます。
 ですから、そのお客様たちのお話を聞いていると、とても面白いんです。映画、音楽といった柔らかい話や、政治、科学のような堅い話、珍談奇談に、怪しげな噂話。本当にいろんな話を聞くことが出来ます。
 誰が言い始めたのかは知りませんが、常連のお客様の間では、そんな面白い話をして下さる方々を、敬意を込めて「コニサー」と呼んでいるとか。なんでもフランス語で「目利き、玄人」という意味らしいんですが。
 よろしかったら、私と一緒に「コニサー」のお話に、聞き耳を立ててみませんか?




  • 村上てつやさんと黒沢カオルさん
     (ゴスペラーズ)の

    「ハーモニーの楽しさ」の話

     5人で歌うときには、ハーモニーによる倍音が聞こえている時もあるし、遠くの人の声が聞こえない時もある。
     面白いのは、上手くハモっている時には、音は大きく聞こえるという事。それは、大きな声を出しているからではなくて、パートの声がジャストの位置に入ったときに倍音として増幅されるから。どんなに下手クソが頑張ってハモっても、上手い人が口先で「ふっ」とハモるだけで負けてしまう。
     歌っているときには、できるだけ全体を聞くようにしなくてはならないのだが、ときどき「あ、このままハモリが一生崩れないな」とすら思う瞬間もある。その快感は、やっている本人達にしか分からない特権だと思う。正しい音、自分や相手の声質、そういうものが絶妙に絡み合って奇跡のように一致する瞬間が、確かにある。年に一回くらいだけど。
     ステージ上ではあまりないけれど、練習の時などは、まずマイクを通さず、5人で輪になって歌う。アカペラでという事ならば、その輪の中心に座ってハーモニーを聞くのが一番気持ち良いと思う。

    【Hot Link !!】

  • The Gospellers(公式サイト)
  • G-FILE(ファンサイト)



  • 阿刀田高さん(作家)の

    「ギリシャ神話」の話

     古代ギリシャ人は、原理原則を問うていく事、理性的にものを考えていく事において、非常に優秀な民族だった。ヨーロッパ文明の根底に、古代ギリシャ人の智恵があることは間違いない。だから、本当にヨーロッパ文明を理解しようとするなら、ギリシャ神話や哲学、古典劇などの知識がないと難しい。特に絵画の鑑賞に至っては、19世紀あたりまでは題材がほとんどギリシャ神話にあるので、その知識がないのに見てもしょうがないのではないか、とすら思う。
     もう一つ重要な点は、ギリシャ文化というのは、キリスト教以前の文化であるという事。キリスト教誕生以後、それがヨーロッパに与えた影響は計り知れない。うっかりすると、全てがキリスト教の影響の傘下に入っていると思ってしまうが、別の視点で見ようとするならば、それはギリシャしかない。
     ローマ人というのは珍しいことに、自分たちに固有の神話よりも、影響を受けたギリシャ神話のほうが優れていて、面白いので、それをそっくり自分たちの神話として取り入れてしまった。だから、素人が考える分には、両者はまったく同じと考えてよい。
     ただ、ローマ人も神様の、名前だけは自分たちの神様の名前を残した。たとえば、ギリシャ神話で全能の神は「ゼウス」だが、ローマでは「ユピテル(ジュピター)」。「ポセイドン」はローマで「ネプチューン」、「アフロディテ」は「ヴィーナス」。
     もっと面白いのは、ローマで「キュピドゥ(キューピッド)」と呼ばれる神様は、ギリシャ神話では「エロス」という事。だから、「お母ちゃん、今日はエロスちゃん人形買ってきたよ」なんて言ったら、大人のおもちゃ屋かどこかで変なものを買ってきたんじゃないかと思って奥さんもびっくりするかも。二人の恋を取り持つのもエロス。ギリシャ人は「エロス」と男女の恋愛は同じものだと捉えていた。日本人にとって、愛はココロの作用のことだと思う人が多いけれど、欧米人にとっては、カラダの方も半分くらいは入っている。

    【Hot Link !!】

  • AREA-66(ギリシャ、ローマ神話に関する情報)
  • ギリシア神話DATABASE[神聖紀]
  • 阿刀田高のミステリーゾーン(ファンサイト)



  • 早乙女哲哉さん(茅場町「みかわ」)の

    「おいしい天ぷらの揚げ方」の話

     材料の鮮度によって揚げ方も変わってくるのだが、仮に今日は良い材料が手に入ったとして考えると、多少強めの火で仕事すると、意外とマズくはならない。10のものを10のまま食べるには、強めの火で調理すること。でも多くの人は、10のものを4とか5にしてしまう。
     油の鮮度も重要。油の鮮度とは「揚げる力」の事。揚げる力が無くなってしまうと、油としての用を為さなくなる。それは言葉にはしづらいんだけど、毎日料理をしている人、たとえば家庭の奥さんなら分かっていると思う。ただ、普段は「もったいないから」と、節約しているだけ。せっかく良い材料を手に入れたのなら、たまには油も贅沢に使って欲しい。
     逆に言えば、男の人の料理がおいしいのは、そういう所で妥協しないから。無理して良い材料を買ってきて、道具まで新しく揃えちゃったりして、よく考えたらお店で食べた方が安かった、なんて事も多い。
     高い安いと言えば、天ぷら屋の値段はピンからキリまで色々ある。でも、その値段は、店が勝手に決められるものじゃなくて、お客さんが納得して初めて成り立つもの。だから、何万円もするような天ぷら屋も、それなりの価値があるのだろうと思う。やっぱり、「何万円も払って食事をするなんて、オレも立派になったものだ」みたいな満足感も、決して間違いじゃない。そういう満足感を与えられる人が、ある意味うらやましいと思う。
     でも、ウチの6800円の天ぷらも、味なら絶対に負けない自信がある。ただ、ウチは「自分の天ぷらを、1人でも多くの人に食べて欲しい」と思って始めた店なので、これ以上値段を上げようとは思わない。

    【Hot Link !!】

  • Yahoo!グルメ - みかわ
  • 家庭で美味しい天ぷらを揚げたい(「らいむの屋根裏部屋」内)
  • HISTORY OF COOK(天ぷら)(「澤田こず恵のホームページ」内)



  • 草なぎ剛さん(タレント)の

    「食べ物番組」の話

     「フードファイト」「どっちの料理ショー」「スマスマ」「プッスマ」と、やけに食べる番組に出る機会が多い。唯一食べないのは、「笑っていいとも」ぐらい。芸能界でも、「食いしん坊バンザイ」に出演している人の次に、「よく食べるタレント」になっているかも。
     散々食べているので、太りそうなものだけど、案外そうでもない。というのは、三食すべてを、収録中の食事で済ますことが多いから。この間は、「フードファイト」の収録で三食全部「おにぎり」だったし。結構ツラかったけど。「コロッケ」や「大福」の時もツラかった。「かき氷」の時は、さすがにちゃんと別のものも食べた。嬉しかったのは「寿司」の時。それでも、「サバ」と「ウニ」を立て続けに食べたら、かなりキツかった。
     「フードファイト」は、必ず食べられる分、まだマシ。「どっちの料理ショー」で、何時間も掛けて収録をした末に、食べられなかった時が本当にツライ。スタッフも厳しくて、収録が終わっても絶対に食べさせてくれない。というより、スタッフ自体が2チームに別れて真剣勝負をしているので、負けた側のスタッフに悪くて「ちょっと食べさせてよ」なんて言える雰囲気じゃない。

    【Hot Link !!】

  • どっちの料理ショー(「よみうりテレビ」HP内)
  • フードファイト(「テレビドラマデータベース」内)



  • 山城新伍さん(俳優)の

    「東映映画」の話

     今まで出演した映画は、全部で約400本。なにしろ、昔の東映は年間150〜200本も映画を撮っていた。その東映映画の、ほぼ1/4に出演していたから、毎日が大変だった。まあ、台本なんか全然読まなかったんだけど。
     台本を読まなかったのは、僕だけじゃない。地井武男がよそから来て、一生懸命台本を読んでいるのを見た安岡力也は、梅宮達夫に向かってこういった。「アニキ、新しく入ってきたあの野郎、台本呼んでますゼ。」それを聞いた梅宮、「生意気だなぁ、シメちゃえ」だって。台本読んでシメられたんじゃ堪らないけど、こんな具合に、東映では台本を読まないのが伝統だった。
     松方弘樹主演の「真田幸村の陰謀」という映画では、梅宮達夫が真田幸村の兄貴役を演じた。梅宮の出るシーンが一通り撮り終わり、「お疲れ様でした!」なんて声が掛かる中、また梅宮が一言。「なんでオレだけ『幸村!』なんて、偉そうに呼び捨てにしてるの?」それを聞いた監督は大慌て。「だって、幸村の兄の役じゃないですか!」「あぁ、そうだったの、お疲れ様」って言って、帰ったらしい。
     でも、実際に監督をやってみると、そういう役者の方が使い易い。下手な小理屈をこね回さず、監督の希望通りの演技をしてくれるから。
     僕が映画監督として一番影響を受けたのはマキノ雅弘監督。マキノさんは、芝居作りがうまい。例えば、「次郎長三国志」という映画では、こんなシーンがあった。凶状持ちの身のため、なかなか清水へ帰れない次郎長の一行の中、ついに「お蝶」が死の病に倒れてしまう。お蝶は、大政、小政と、次々に子分達へ別れの言葉を告げていく。しかし、田中春男演じる「法院大五郎」だけが声を掛けてもらえずに、オロオロとしている。最後になって大五郎が「姐はん、わての名前も呼んどくなはれ」と言うと、お蝶は「法院サン、最期に私のお経を唱えてね」と頼む。そこで大五郎、「姐はん、わてはお経を忘れた坊主だす。思い出すまで死なんといておくれやす」と言うのだが、実は最後のこのセリフ、田中春男のアドリブだった。そのセリフに号泣する子分達。その声を表で聞いていた次郎長は、目に涙を浮かべるのだった…。こんな演出は、マキノさんしか出来ない。
     アドリブの下りでも分かるように、かなりアバウトな人なので、よくよく見ると切り返しの両カットに同じ人がいる、なんて事もあるけど。

    【Hot Link !!】

  • 次郎長三国志(「日本映画データベース」内)
  • 本日またまた休診なり
    (山城さん監督作品・「@nifty CINEMA TOPICS ONLINE」内)





    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    7'11" Betcha By Golly, Wow The Gospellers ki/on KSC2 13 2
    18'37" I Love You Keely Smith Jasmine JASCD 322
    24'28" I Like Men! Peggy Lee Capitol 7243 4 96729 25
    27'42" I Can't Belive That You're In Love With Me Dean Martin Capitol CDP 7243 8 29389 27
    45'51" Cry Your Sadness The Hi-Lo's Reprise WPCR-1134

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