SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2000年11月4日の放送内容

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「ベスト・コニサー」

 元麻布、仙台坂上の辺りは古くからの屋敷町。その閑静な住宅街の奥、細い路地をちょっと入ったところに、イタリアンレストラン "AVANTI" はひっそりと佇んでいる。ちょっとわかりにくい場所にある上に、入り口もこの上なく地味。看板一つ出しているわけでもないので、誰もレストランとは気づかないだろう。
 そのせいか、この店を訪れる客のほとんどが、常連と呼ばれる人たちばかり。しかし、長いこと店をやってきたお陰で、土曜日の夕方ともなると、店は大勢の常連客で賑わっている。
 一口に常連客と言っても、有名人から普通の会社員まで、その立場は様々。しかし彼らに共通点があるとすれば、なにがしか一家言ある事と、人生を大いに楽しんでいる事だろうか。
 このような人々を、AVANTIでは敬意を込めて「コニサー」と呼んでいる。フランス語で「目利き・玄人」という意味の言葉である。
 それでは、今日もその「コニサー」たちの話に聞き耳を立ててみるとしよう。




  • 織田裕二(俳優)の

    「ダーツ」の話

     今は、ちょっとセミ・グータラ期間。それほど仕事は忙しくない。そこで、ちょっと前まで、ダーツにはまっていた。
     きっかけは、最近あちこちのお店に置いてある「ソフト・ダーツ」。点数を自動計算してくれるのが便利で、家にも1台買ってしまった。普通のハード・ダーツも買ったし、矢は山ほど買い込んだ。
     買った場所は、阿佐ヶ谷にあるダーツ専門店。インターネットで調べたら、そこが一番良さそうだということで、車を飛ばしてその店へ行った。そしたら凄く安くて、つい選びもしないで、まとめ買いをしてしまった。
     「301」も「501」もやったけど、一番はまったのが「クリケット」。15から20の枠をお互いに潰し合うゲームなんだけど、これはかなり面白い。
     元々道具好きな性格なので、普通のケースでは満足できず、自作のケースまで作った。釣具屋でフライケースを買ってきて、中のスポンジをちょっとカッターで切ると、これが信じられないくらいピタッとはまる。
     ところが困った事に、道具に腕がついていかなかった。格好いいケースにマイダーツを入れて持ち歩いてるクセに、実際に投げると全然ヘタ。仕事柄、そんなに格好悪いのも問題なので、必死になって練習した。
     でも、必死に練習して分かったのは、ダーツは飲み屋に向かない、ということだった。ほろ酔い加減で適当に楽しめば良いモノを、つい競技志向で本気になってしまう僕が悪いんだけれど。
     最終的に、上手い人に教わっていたら、「ここから先は、毎日投げるしかないよ」と言われて、諦めた。

    【Hot Link !!】

  • Yuji ODA's official site
  • Lambeth Walk 73(ダーツの総合情報)
  • 英国流ダーツの薦め クリケット(「Lambeth Walk 73」内)
  • NOZ DARTS(阿佐ヶ谷のダーツショップ)



  • 斎藤圭太さん(クリックス・ヤスダ)の

    「サッカー審判」の話

     これがサッカー審判の7つ道具が収められた、レフェリーサイドバッグ(下の写真参照)。このコインは、エンドを決める時に使うトスコイン。ルール的には別に何を使って良くて、私も昔はイギリスやドイツの硬貨を使っていたけれども、こういう専用のコインもある。
     この磁石のような形をした物は、ボールのプレッシャーゲージ。試合前にボールの圧力を計るのに使う。公式には、試合前の段階で0.6〜1.1というのが決まり。雨の日だったらちょっと硬めの0.9ぐらい、晴れの日の人工芝だったら柔らかめの0.8ぐらいに調節する。雨の日に硬めに調節するのは、ボールの縫い目から水分が入って、皮が伸びてしまうから。人工芝だとボールがよく弾むので、柔らかめにする。そういう調整も、審判の仕事。
     ボールの調整のみならず、サッカーの審判は試合の前からやるべき事は多い。まず最初に、大会によって微妙に違うルールを確認する。リーグ戦なのかトーナメントなのか、試合時間は何分か、延長戦は有るのか無いのか、同点の場合はPK戦なのかVゴールなのか、交代人数は何人か…等々、試合によって細かいところはだいぶ違う。
     それからグラウンドの確認。グラウンドの広さ、ラインの太さ、コーナーフラッグ、ゴールネット等、全部一通りチェックする。グラウンドのチェックが終わったら、審判同士の打ち合わせ。主審、副審、予備審判が集まって、審判同士の合図や取り決めを確認する。
     そして、この審判同士の打ち合わせで欠かせないのが、不測の事態に逃げる場合の確認。興奮した観客がスタンドから降りてきた時は、まず予備審判が止める。それでも止まらなかったら、逃げる。日本ではそんなに深刻な問題じゃないけど、国際試合や海外の試合では真剣に確認しなければならない。何かが投げ込まれても大丈夫なように、トンネル状の逃げ口が用意されていたり、観客が降りてこないように水壕が作ってあったり、ブラジルなんかだと本当に危ないみたい。

    【Hot Link !!】

  • 日本サッカー審判協会
  • FairPlay(サッカー審判に関する情報)
  • レフェリーMの審判日記



  • 奈良巧さん(DIME編集部)と
     橋本保さん(ライター)の

    「キャスピー」の話

     ポケットボードに、受信したメールを読み上げてくれる新型「キャスピー」が登場した。女の人の声とか相撲取りの声とか色々あって、けっこう面白い。満員電車の中でポケットボードを広げると邪魔なので、閉じたままイヤホンでメールを聞くための機能なんだけど、イヤホンを指し忘れてたらかなり恥ずかしいことになりそう。
     iモードみたいにちょっとしたやり取りをするというよりは、もうちょっと長い文章をやり取りするのに、ポケットボードは便利なアイテム。キャスピー同士だと、音楽付きのメールも送れたりもする。読み上げている文章にタイミングを合わせて、誕生日の音楽を付けたり、ガックリする効果音を付けたり、いろいろ工夫できる。
     日本語を読み上げる音声合成は、かなり最先端の技術。「、」や「。」をちゃんと付けると、キャスピーが文章を理解して、自然な口調で文章を読み上げる。例えば、ひらがなで「ならさん」と書くと、平板に「な・ら・さ・ん」と発音してしまうけれど、漢字を使って「奈良様」と書くと、「ならさま」と人の名前として読む。この機能は本当に凄い。

    【Hot Link !!】

  • DIGITAL DIME -デジタルダイム-
  • CHASPY(「DoCoMoNet」内)
  • モバイルCATCH UP しゃべって遊べるメール端末「CHASPY」
    (「ケータイWatch」内)
  • 踊るパケット通信 「キャスピー」(「ケータイWatch」内)



  • 目黒考二さん(「本の雑誌」編集人)の

    「オススメのミステリー」の話

     面白いミステリーは沢山ある。まず、今年のベスト1と言えば、クレイグ・ホールデンの『夜が終わる場所』。1ページ目を開いた瞬間に「これは傑作だ!」と判る小説が3年に1つくらいあるんだけど、これがまさしくそう。パトロール警官が呼び出しを受けて、少女が失踪した現場へ急行するシーンで始まるんだけど、ここを読んだだけでこの小説は傑作だと判る。話の骨格は、現在起きた少女の失踪事件と、7年前に起きた少女の失踪事件を、交互に描きながら進んでいくのだが、過去の回想がどんどん過去へ遡っていく内に、悲しい青春小説であり、切ない恋愛小説であり、友情小説でもあることが判ってくる。それでいて警察小説だっていうんだからスゴイ。ミステリーなので、あまり詳細を説明できないのがもどかしいんだけど、本当に面白いから読んでみて欲しい。
     でも実は、このぐらいの名作は年に1本ずつぐらいあって、例えば去年だったら『モスクワ、2015年』。近未来にモスクワで内乱が起き、その混乱がまだ収まっていない時期に地方の警官がモスクワへ呼び出され、ある事件を担当することになるというミステリー。この小説は、やはり警察小説であるにもかかわらず、切ない親子小説でもあり、恋愛小説でもある。これも素晴らしい名作。
     ここ10年の最高傑作と言うと、さすがに候補は2つあって、甲乙つけがたい。その2作品とは、H.F.セイント『透明人間の告白』と、ケン・グリムウッド『リプレイ』。
     『透明〜』は、SF的なシチュエーションを使った一般小説。これは大衆小説の新しい潮流で、日本でも大沢在昌さんの『天使の牙』や北村薫さんの『スキップ』なんかも同じタイプ。『透明〜』では、冒頭でいきなり主人公が透明になる。今までのSF小説なら、どうして透明になったのかが重要なんだけど、『透明〜』ではその点に関しては無視される。その代わり、主人公は「どうやって会社に行こう?」と悩んだり、「スーパーでどうやって買い物しよう?」と悩む。100年前にH.G.ウェルズが書いた透明人間は哲学的に悩んだけど、100年後の現代に書かれた透明人間は生活に悩む。その違いが非常に現代的で面白い。
     この『透明〜』が10年に1度の名作だとしたら、『リプレイ』の方は生涯の名作かも知れない。『リプレイ』の主人公である43歳のビジネスマンは、物語の1行目で死んでしまう。ところがその主人公は、43年間の人生の記憶を持ったまま、25年前の自分に戻ってしまう。そこから25年に起こる世の中の出来事はほとんど知ってしまっている状態で、そのやり直しの人生をいかに生きるか。それがテーマの物語。僕はこの小説を主人公と同じ43歳の時に読んでしまったので、受けた衝撃も大きかった。初めて読んだのはもう10年も前だけど、今でも時々、主人公を自分に置き換えて考え込んでしまう瞬間がある。僕は生涯、何度もこの小説を思い出しては、その度に考え込むのだろう。

    【Hot Link !!】

  • Web 本の雑誌
  • 著名人の本棚【目黒孝二】(「味噌蔵・「本の雑誌」研究のページ」内)
  • 『夜が終わる場所』(「八方美人な書評ページ」内)
  • 『モスクワ、2015年(上)』(「BOOK-CHASE.COM」内)
  • 周の書評(SF篇)(「将門Web」内・『透明人間の告白』等の書評)
  • リプレイ(「YagiのReview Column」内)




    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    9'37" This Can't Be Love Joni James DIW DIW-394
    22'59" Where Were You? Not King Cole Capitol CDP 0 777 78595 23
    30'59" Too Marvelous For Words Frank Sinatra Capitol CDP 0 777 780326 25
    46'35" I've Got A Feelin' Your Feelin' Heren Carr Bethlehem COCY-9929

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