SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2000年10月21日の放送内容

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「スポーツの道具」

 右の写真が何か、お分かりになるだろうか? 照明の関係でちょっと分かりにくいかもしれないが、上がサッカーのイエローカードとレッドカード。そして、下が灰皿とグラス、ではなく、クレー射撃に使われる「クレー」である。
 先日のシドニーオリンピックでは、普段あまり見ることない競技を見る機会も多かった。射撃、ソフトボール、砲丸投げ、シンクロナイズド・スイミング……。これら競技は、今回初めてルールを覚えたという人も多いことだろう。
 いつもテレビ中継されている野球やサッカーですら、実際にやったことのない人には、道具のことはよく分からないものである。ましてや初めて見た競技では、独特の形状や素材に興味を持ちながらも、道具のことなど何も分からないのではないだろうか。
 そこで今日は、AVANTIを訪れた、スポーツの道具を作っている裏方の人の話に、聞き耳を立ててみるとしよう。道具のことが分かれば、そのスポーツの事がもっとよく分かるに違いない。




  • 斎藤圭太さん(クリックスヤスダ)の

    「イエローカード」の話

     サッカーのイエローカードが導入されたのは、今から32年前、1968年のメキシコオリンピックの時。当時、まだカードに慣れていなかった選手の中には、出されたカードを受け取って、そのまま持っていってしまう選手もいたらしい。
     その前から、「警告」「退場」というルールはあったのだが、それまでは言葉で伝えるだけだった。ところが、サッカーが世界中に広まると、国際試合などで言葉が通じないケースが出てきた。そこで生まれたのが「イエローカード」と「レッドカード」。
     これは警告を受けた選手のみならず、敵味方、観客、記録員にも、何が起こったのか明確に分かる、優れたシステム。だから遠くからでもよく見えるように、特殊な蛍光色を使っている。
     カードの材質は、昔はただのボール紙を使っていたのだが、今はプラスチック。たたみ1畳ぐらいあるプラスチックを裁断して、色を塗り、ウチの場合は「Fair Play Please」と印刷して、イエローカードの出来上がり。
     このイエローカード、年間5万枚くらいは売れている。意外なくらい多いと思うかも知れないが、4級から国際まで、日本のサッカー審判員は約15万人といわれるので、それくらい売れる。

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  • FairPlay(サッカー審判に関する情報)
  • レフェリーMの審判日記



  • 梅津宣弘さん(梅津商会)の

    「クレー」の話

     クレー射撃の「クレー」は、直径110mm。ピッチというアスファルトに似た素材に石灰を混ぜ合わせ、機械でプレスして作っている。
     クレー射撃は、元々「クレーバード」といって、ハトを撃つ競技だったらしい。それではあまりに残酷だ、というコトで、こういう物が作られた。
     このクレー、当然、良いクレーと悪いクレーがある。まず、クレーは機械で飛ばすので、その時に壊れないぐらいの、ある程度の硬さが必要。ところが、当たったときにちゃんと粉々にならないと、競技に差し支える。だから適度な硬さのクレーというのが、良いクレー。規格は決められているが、各社独自の形や溝などで工夫をしている。
     ちゃんと作っても、運送中に手荒に扱われて、割れてしまうこともある。壊すために作る物だが、その扱いは意外とデリケート。

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  • Clay Pigeon Shooting(初心者による、初心者への情報提供 )
  • 射撃入門



  • 増谷彰信さん(ニシスポーツ)の

    「砲丸」の話

     砲丸投げやハンマー投げでは、道具の持ち込みは認められていないので、主催者側が道具を用意する。この間のシドニーでは、ウチで作った砲丸やハンマー、円盤などが採用さた。
     採用されるのは1社ではないので、選手にはリストが渡され、その中から好きな砲丸を選ぶことができる。シドニーではベスト8に残った選手全員に、ウチの砲丸を使ってもらえたので、かなり良い評価をしてもらえたんだと思う。
     選手が選ぶ基準は、一言でいえば「フィーリング」。それから、記録を出した選手の使っていたものは、周りの選手も使ってみようと思うらしい。
     重さや形は規定で厳格に決められているので、特別な砲丸を作れるワケじゃないけど、作り方次第でフィーリングは微妙に変わってくる。例えば、日本製の砲丸は、鋳物を旋盤で削りながら形を作っていくが、外国では型に流し込んで作っているのだが、外国のやり方だと、微妙にバランスが悪くなってしまうことがある。普通の人では気が付かないような狂いでも、世界のトップレベルの選手にとっては重要な問題。その辺りが評価されたのではないだろうか。
     それ以外にも、規格では「砲丸の表面はなめらかでなくてはいけない」と決められているが、ウチの砲丸は、「なめらか」と認められる範囲の中で、できるだけ「ザラザラ」な感じにして、手に引っ掛かりやすいような工夫をしている。

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  • 株式会社 ニシ・スポーツ



  • 一井潤一さん(三協織物)の

    「まわし」の話

     相撲のまわしに使われる生地は、「綿の綾織り」。しっかりした生地だけど、人の肌に直接触れる物なので、原材料に気を使ったり、製造過程で機械油に触れないように気を使ったり、かなり繊細な生地でもある。
     幅47cm、長さ5mの生地を、縦に三つ折りにすれば、「まわし」の出来上がり。5mというと、ずいぶん長いように聞こえるけど、ほどけてしまったら負けになってしまう勝負。だからこの長さが必要になる。
     何年か前に映画「シコふんじゃった」で、本木雅弘さんのまわし姿が話題になったけど、彼はおそらく、本物のまわしはしめていないだろうと思う。というのは、本物のまわしは非常に硬いから。その硬さは、プロや学生相撲をちゃんとやっている人でないと、ちょっと耐えられないだろう。と言っても、私もしめたコトがないので、どれくらい痛いのか、本当のところは分からない。それでも、「じゃあ試しに…」とは思えないくらい、本当に硬い。
     まわしは洗濯しないのが決まり事と聞いている。せいぜい、天日干しにするくらいだとか。まぁ、5mも長さがあるので、洗濯機に入れても回らないだろうとは思うけど。

    【Hot Link !!】

  • 大相撲ホームページ(日本相撲協会による公式サイト)



  • 植木正孝さん(ウエタックス)の

    「水中スピーカー」の話

     シンクロナイズド・スイミングでは、水中スピーカーを使い、水の中でも音楽が聞こえるようにしているのだが、この水中スピーカーを作るのが非常に難しい。
     まず、外装ケースの振動部。普通のスピーカーをケースで覆っただけでは、音はほとんど聞こえない。そこで、ケースの一部を直接振動させる工夫が必要になる。普通のスピーカーの振動部にはコーン紙が使われていて、その厚さは0.5mmくらい。それが、水中スピーカーの振動部は、特殊なプラスチックを使って、厚さ1mmほど。この振動部を作るのが大変だった。
     音の聞こえ方も、空気中と水中ではかなり違う。音の早さは、空気中では334m/sなのに対して、水中では1540m/sと、実に約5倍もの差がある。そうすると、水中では低い音よりも高い音の方がよく聞こえてしまう。そこで、水中スピーカーは、ある帯域の周波数を特に強調して出すような作り方をしなくてはならない。
     さらに、プールサイドは湿度が高く、レンズがすぐに結露してしまうので、CDやMDは一切使えない。そこで、ウチの水中スピーカーシステムでは、いまだにカセットテープを使い続けている。

    【Hot Link !!】

  • UETAX
  • シンクロナイズドスイミングリンク集



  • 志村積さん(群馬セノー株式会社)の

    「あん馬」の話

     体操のあん馬は、国際体操連盟でサイズが決められている。ボディの表面には牛革を使い、中身は木の枠にスポンジを2重に張った構造になっている。手で掴む取っ手の部分は「ポメル」と呼ぶ。
     鞍馬を作る上で一番大変なのが、ボディ表面の牛革を見つけること。だいたい1m60cmぐらいの革が必要になるのだが、これは50枚中1枚ぐらいしかない。その大きな革の中で、さらに傷が付いていない物となると、100枚に1枚になる。だからあん馬に使える革を探すのは、いつも一苦労。
     そんなワケで、あん馬1台の値段は60万円もしている。

    【Hot Link !!】

  • セノー(株)
  • 体操アニメgifのページ



  • 廣西二葉さん(ササキスポーツ)の

    「新体操の道具」の話

     新体操のリボンは、レーヨンが使われることが多い。私達も、「こんな素材はどうだろう?」といろいろ試しに作ってはみるのだが、クルクル回すと摩擦で結ばれてしまったり、なかなかうまくいかない。
     新体操は、ロープ、フープ、こん棒、ボール、リボンの5種類。ロープは麻のロープを使っていて、長さは身長によって各自調整している。ロープは長さに関する規定はないが、リボンは「6m以上」と決められている。6mのリボンを操るには、かなり力が必要。でも、リボンも色は自由なので、むら染めにしたり、5色に染めたり、買ってきたリボンを自分で好きなように染めている。レオタードや曲に合わせる人が多いと思う。
     フープやこん棒の場合、「ミラクルテープ」という光るテープを巻き付ける人が多い。元は同じ道具でも、選手各自が工夫しているので、試合会場で見ると本当にバラエティに富んでいる。

    【Hot Link !!】

  • Fantastic! RG(個人サイト・ルールや解説など)
  • RSG FAN(写真が充実)



  • 円増朋子さん(ミズノ)の

    「ソフトボールのダブルベース」の話

     今回のシドニーで知った人も多いと思うけど、ソフトボールの1塁はベースが2つ並んでいる、いわゆる「ダブルベース」になっている。
     走者はオレンジベース、野手は白いベースを踏むのだけれど、ウチの製品の場合、間を踏んで足を挟んでしまわないよう、一体型になっている。ソフトボールは生涯スポーツなので、怪我をしないよう工夫している。
     ちなみに値段は、セカンドやサードに使うベースが1個8000円なのに対して、ダブルベースは1万9千円。ホームペースは、厚さによっていろいろな値段の物がある。

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  • MIZUNO
  • ソフトボール基礎講座




    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    7'59" Love Is Sweeping The Century Jacky & Roy Universal Victor MVCJ-19007
    15'32" Almost Like Being In Love Nat King Cole Capitol CDP 7243 82938 422
    26'30" Too Darn Hot Mel Torme verve 314-511-070-2
    31'33" The Masquerade Is Over Patti Pagre Emarcy PHCE-10014
    42'14" Swingin' Down The Lame Kay Starr Jasmine JASCD307
    49'34" You're Getting To Be A Hobit With Me Gogi Grant RCA BVCJ-1008
  • 20001014.html