SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2000年8月5日の放送内容

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「ベスト・コニサー ビール編」

 元麻布は仙台坂上の辺りは古くからの屋敷町。その閑静な住宅街の奥、細い路地をちょっと入ったところに、イタリアンレストラン "AVANTI" はひっそりと佇んでいる。ちょっとわかりにくい場所にある上に、入り口もこの上なく地味。看板一つ出しているわけでもないので、誰もレストランとは気づかないだろう。
 そのせいか、この店を訪れる客のほとんどが、常連と呼ばれる人たちばかり。しかし、長いこと店をやってきたお陰で、土曜日の夕方ともなると、店は大勢の常連客で賑わっている。
 今日はその常連客の一部で、「ビールに一番合うつまみはなにか」という議論が沸き起こっている。枝豆派、鳥の唐揚げ派、どちらにも言い分はあるようだ。だが、ここはイタリアン・レストランとして、お勧めしたいものが一つあるのだが…
 この暑さの中、仙台坂を歩いて上がってきたのなら、何はともあれ、まずは冷えたビールをグッと一杯。そして、その「オススメ」が出来上がるまでの間は、隣の席から聞こえる話し声に、聞き耳を立てているとしよう。



  • 渡部潤一さん(国立天文台)の

    「ディープ・インパクト」の話

     先日、NASAが次の惑星探査に関するセレクションを行った。そして各方面から探査計画が寄せられた中、『ディープ・インパクト』という惑星探査衛星の計画が採用された。
     元ネタはもちろん、同じ名前の大ヒット映画。映画の中に、地球にぶつかりそうなほうき星に人工衛星をぶつけて、割ってしまおうという話が出てくるのだが、それを本当にやろうという事らしい。別にほうき星が地球にぶつかるわけではないが、いつも外側だけをのぞいている天文学者としては、割って中身を調べられるというのは、夢のような話。
     この計画は2003〜2004年頃に衛星を打ち上げて、2008〜2010年頃にほうき星に突っ込むというスケジュール。その突入日時は、7月4日(独立記念日)と決められている。
     この話を聞いて、この計画によって得られる天文学的な知見が非常に大きいという事はさておき、ネーミングや企画のセンスに関しては、アメリカ人にはかなわないと思った。アポロ計画の時もそうだったが、アメリカ人は納税者を意識した宣伝が本当に上手い。
     「ディープ・インパクト」話ついでに言ってしまうと、残念ながら我々天文学者は、SF映画をまったく楽しめない。「スター・ウォーズ」を見ても、敵宇宙船を撃ち落とすシーンで、ドーンと効果音が鳴ると、「真空だから音は鳴らないのに…」なんて考えてしまう。まぁ、作っている方もそんな事は百も承知で、エンターテイメントと割り切って作っているとは思うのだが、どうしても気になってしまうのが科学者の悲しい性。

    【Hot Link !!】

  • 渡部潤一のホームページ(渡部さんの個人サイト)
  • 国立天文台 天文情報公開センター 広報普及室(渡部さんの勤め先)
  • ディープ・インパクト計画(国立天文台HP内)
  • ディープ・インパクト(映画の紹介・WOWWOWにて8/14放送予定)



  • 平井堅さん(シンガー)の

    「ニューヨークの旅」の話

     この前、ニューヨークのアポロシアターでステージに立ってきた。
     アポロシアターというのは、ニューヨークの中でもハーレムという黒人地区にあるライブハウス。そこで毎週、アマチュア・ナイトが開催されている。平たく言うと黒人素人のど自慢なんだけど、そのゲストとして歌わせてもらった。
     素人のど自慢とは言っても、スティービー・ワンダーやジャクソン・ファイブ、ジェームス・ブラウンなどが、その「のど自慢」からメジャーに上がっている。その憧れの場所で歌えたことは、何とも言えない感動だった。
     歌ったのは、スティービー・ワンダーの「レイトリー」という曲。本当はその曲1曲だけの予定だったのだが、バンドが凄く盛り上がってくれて、もう1曲歌えと言われ、レパートリーもあまりなかったこともあって、ゴスペルの「アメイジング・グレイス」を選んだ。
     ところがゴスペルといえば、現地の客たちにとっては、童謡のように慣れ親しんだもの。僕の歌次第で盛り上がりもするし、ブーイングが出ることもある。非常に緊張したのだが、その時は途中からみんなが口ずさんでくれて、大合唱になった。それはすごく良い経験だったと思う。
     そもそもニューヨークへ行ったのは、「いろんなところで歌う」というTV番組企画の為。というワケで、アポロシアター以外でも、地下鉄の中やらタクシーの中やら道端やら、本当にいろんなところで歌ってきた。  ある時は、公園にいた女性2人組を相手に、「楽園」をアカペラで歌ったこともあった。当然、日本語が判るはずもないのだが、声の色味や曲の雰囲気で、「コレ、切ない歌でしょ?」と分かってくれたのがとても嬉しかった。  「いろんなところで歌う」と言っても、道端でいきなり歌い出すわけにもいかないから、そこにいる人に自分で「歌ってもいいか?」と聞いて、許可が取れたら歌い、終わったら感想を聞く。そんな作業を1週間、朝から晩まで続けさせられて、イジメなんじゃないかと思った。でも今になってみると、すごく貴重な経験だったと思う。

    【Hot Link !!】

  • Ken Hirai(公式サイト)
  • THE CHANGING SAME 平井堅
    (「Sony Music Online Japan」内・オンライン試聴)
  • LOVE LOVE LOVE(ファンサイト)



  • 深沢敦さん(ボイス・トレーナー)の

    「辛くて酸っぱい料理」の話

     辛いものが好き。酸っぱいものも好き。だから辛酸っぱいタイ料理は最高。ホット&サワーを求めて、香港や台湾へ行くことも多い。
     タイ料理の良いところは、自分で辛さを調節できるところ。クロアポンと言って、乾燥唐辛子、酢に漬けてある唐辛子、ナンプラーに漬けてある唐辛子、そして砂糖の4種類の調味料が、どこの屋台にも置いてある。それらを使って、その時の湿度、気温、その店のスープの味を考えて、自分で味付けを調整する。
     クティアオという麺一つとっても、センヤイ、センレク、センミーと、麺の細さによる3種と、卵麺のバミー、計4種類がある。さらに、汁あり、汁なしの違い。そしてその時々の調味料。これだけバリエーションがあるので、1度として同じ麺を食べたことがない。
     そしてタイ料理の醍醐味といえば、ヤン、あの混ぜくったサラダ。春雨サラダに魚介類のサラダ、牛肉のサラダ。僕にとって究極の「酸っぱくて辛い」を実践してくれている。ソムタムという青パパイヤのサラダを、カオニオ(餅米)を食べながら摘むなんて、こうして話をしているだけで、そろそろタイへ行こうかなと考えしまうほど。

    【Hot Link !!】

  • 瓦版 You(ファンサイト)
  • タイの台所(タイ料理の紹介・レシピ等)
  • 日本で作るタイ料理(「タイ語で散歩」HP内)
  • KAE'S THAI CUISINE PAGE(タイ料理のレシピ)



  • 萩尾純子さん(ダーツ学生チャンピオン)の

    「ダーツ」の話

     ロンドンへ語学留学をしていたときに、ダーツというものを知った。
     日本でダーツを教えに行くと「ダンス?」なんて言われてしまうくらいマイナーだけど、イギリスでは誰もが知ってる、誰もが出来るポピュラーなスポーツ。みんな「マイ・ダーツ」を持っているし、ダーツ・ボードがなくても、ワインの樽に投げている人もいる。酒場で挨拶代わりにダーツで一勝負、なんて普通の光景。
     だからみんな、本当に上手い。日本の学生チャンピオンになってから、そこらのパブで挑んだら、ボロ負けしてしまった。
     私がダーツを憶えたきっかけも、留学先にダーツ好きな先生がいた事だった。一緒にパブに行って、程良くビールでいい気分になったところで、「先生、ダーツをやりませんか?」と誘った。何のことはない、ダーツで勝って機嫌の良くなった先生に「ところでテストはどの辺が出るんですか?」なんて聞くのが目的だったんだけど。それくらいイギリス人は、ダーツで勝てば機嫌が良いし、負ければ本気で怒る。
     イギリス人の文化において、ダーツが必要だということは、子供がダーツをやっていることでも感じることができる。ダーツ・ボードが家に必ずあるし、学校にもある。そして体育の授業でも、ダーツの時間がある。

    【Hot Link !!】

  • 日本ダーツ協会
  • Darts Pub Lambeth Walk 73(ダーツの知識、リンク等)



  • アンジェロ・コッツォリーニ(下北沢「ラ・ベファーナ」)の

    「サルシッチャ」の話

     サルシッチャは、イタリア人にとって大事な料理。
     僕の生まれた南イタリアでは、各家庭で豚を育てている。豚は1年で80kgぐらいに成長するので、毎年さばいて、必要な肉を取る。生ハム、パンチェッタ(豚バラの塩漬け)など、必要な部分を取ったら、残った肉を全部ミキサーにかける。それを腸に詰めたのがサルシッチャ。だから豚をさばいた時に、使わないのは爪だけ。
     南イタリアの場合、サルシッチャを作る時に、甘いカエン・ペッパーを使うのがポイント。このペッパーを入れると、虫が入らないし、味も引き立つ。これを2ヶ月ほど乾燥させて、オリーブオイルに漬けると1年でも2年でも保つ。これがちょっとサラミっぽいサルシッチャ。
     それに対して、作ってすぐ食べるフレッシュなサルシッチャもある。これを鉄板で焼いてパンに挟んで食べると美味い。僕はこのフレッシュなサルシッチャを食べると、喧嘩、ディスコ、女を思い出す。
     日本で夜中に屋台で食べるものといえばラーメンだけど、イタリアではサルシッチャ。ディスコに行って、女の子をナンパしたり、女の子を巡って喧嘩になったり、その喧嘩が元で友達ができたり、そんなことの後で、よくサルシッチャを食べに行った。ディスコの前にサルシッチャの屋台が出ていて、帰りに必ず寄ったものだった。
     そういえば、このサルシッチャ屋台のオヤジ、15年前に商売を始めた時はただのオヤジだったんだけど、この前、久しぶりにイタリアへ帰ったら、えらい金持ちになっていた。昔はボロボロの軽自動車に乗って、1人でサルシッチャを売っていたのに、今は一家総出で、おしゃれなトラックを何台も使って商売をしている。なんだかポルシェにも乗っているみたい。それでも屋台でサルシッチャを売り続けているのが偉いけど。
     サルシッチャは楽しいときに食べるもの。祭り、パーティー、バーベキュー、楽しい記憶を思い出させてくれる。

    【Hot Link !!】

  • LA BEFANA(Yahoo!グルメ)
  • Rotonda Club Italiana<北イタリアですが>フィレンツェ食べ歩き紀行)
  • 男は黙ってパスタを食う(パスタ総合情報)




    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    8'51" Canoeiro Astrud Gilberto verve 314 519 801-2
    18'00" Trevo De 4 Folhas Joao Gilberto World Pacific CDP 7 9 3891 2
    24'58" Domingo Em Copacabana Elis Regina Sony Records SRCS 8026
    35'17" Triste Alegria Miucha & Tom Jobin RCA BVCP-2104
    46'24" Nao Fale Em Samba Doris Monteno Bomba Records BOM 557

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