SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2000年7月29日の放送内容

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「暑い話」

 長期予報によると、今年の夏は「平年よりも平均気温が高くなる確率が高い」そうで、一言でいうと「暑い夏になりそう」なのだ。
 その暑さに負けてしまったわけではないだろうが、今日のAVANTIはクーラーの効きが今一つ良くなかった。ジェイクも電機屋を呼んではいるのだが、いかんせん向こうも一番忙しい時期だけに、なかなかやって来ないようだ。
 快適とは言い難い店の中では、よせばいいのに「暑い話」があちこちから聞こえていた。その話し声の主たちは、どうやら「普段はこんなもんじゃない」と涼しい顔でグラスを傾けている様子。道理で苦情の一つも出ないワケである。
 電機屋も、もう直に現れる頃ではあるし、ここは一つ、我慢較べのつもりで「暑い話」に聞き耳を立てるとしよう。



  • 片山右京さん(レーサー)の

    「コックピットの中」の話

     「レーシングドライバーやってます」と言うと、「いいねぇ、エアコンの効いているところで、CDでも聞いて」なんて言う人がよくいるけど、とんでもない。レーサーこそ肉体労働者の典型。
     今、乗っているツーリングカー、通称「箱」は、エンジンが前に付いている。しかもターボ。だからシフトアップするたびに、すごい熱がコックピットに入ってくる。去年乗っていたル・マンの車に至っては、車内の温度が60度近くまで上がった。もちろんエアコンはない。そんな環境で、どてらみたいなレーシング・スーツを着て、マスクを被って、ヘルメットをして、その状態で長いレースなら3時間も走る。
     だから夏が近づくと、精神的に嫌になってくる。そうならないように、わざわざ暑い時間にサウナスーツを着てジョギングしたり、自転車で長い距離を走ったりして、トレーニングをしている。この間は、静岡で仕事が終わってから、東京まで自転車で帰ってきた。そうやって慣らしていかないと、この肉体労働は勤まらない。
     一応、車内にドリンクを積んでいたりはするんだけど、これが結局、車内の熱で暖まってしまうので、まずくて飲めない。ホット・オレンジジュースなんて最悪だった。レーシング・スーツの下に着るクール・スーツというモノもあって、チューブの中を水が流れて体を冷やしてくれるはずなんだけど、これもあっという間にお湯と化す。
     エアコンを付けようと思えば付けられるんだけど、そうすると約20馬力が消費されてしまう。レース用の500馬力のエンジンにとって、この負担はバカにならない。だから結局、「高い給料もらっているんだから、体を鍛えて対応しろ」という結論に落ち着いてしまう。

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  • ukyo-net.com(公式サイト)
  • JGTC OFFICIAL WEBSITE(片山さんも参戦)
  • UKYO F1(ファンサイト)



  • 川原ひろしさん(世田谷「なんでんかんでん」)の

    「夏のラーメン屋」の話

     ウチはラーメン屋なんだけど、とにかく暑い。キッチンの天井は、50〜60度になっている。180cm以上のアルバイトには、特別に時給を30円アップしているくらい。今まで、いろんな人がアルバイトで働いてくれたけど、みんな必ず5〜7kg、多い人だと10kgは痩せる。痩せたい人はウチでバイトをしてみて欲しい。
     お店にはクーラーは付いていてるんだけど、まったくと言っていいほど効かない。店舗の規模からしたら最大級の、350万円も掛けたクーラーなのに、全然効かない。ところが、店が終わって厨房の火を落とすと、凍え死にそうなくらい寒くなる。だからクーラーのせいと言うよりは、火力の問題みたい。
     全部で7つのコンロを使っているんだけど、1つのコンロが家庭用の15倍の火力なので、10坪の中に100件の家庭が同時に料理をしているようなモノ。これじゃクーラーが効くワケない。
     夏にウチでラーメンを食べるなら、外のスタンドで食べた方が気持ちいい。中には暑い中で食べるからいい、というお客様もいるけど、いくら何でも限界があるみたい。特にこの時期、夕方の6〜8時なんて、昼の暑さが残っているので、申し訳ないと思うほど。

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  • 東京のラーメン屋さん(ラーメン屋情報満載)
  • ラーメン初心者の会(ラーメン初心者の観点から情報発信)



  • 喜田川務さん(俳優)の

    「ゴジラの中」の話

     今、新作のゴジラの撮影の真っ最中。ゴジラの着ぐるみを着て、暑い毎日を送っている。正確に言うと、セットの中は冷房がギンギンに効いているので、最初の内は暑いという感覚はない。ところが、撮影に夢中になり、一日が終わって着ぐるみを脱ぐ時に、汗でドロドロになっている自分に気付く。「あぁ、生きてた〜」なんてホッとすることもある。
     着ぐるみは体にピッタリと密着するので、まず皮膚呼吸ができない。それに普通の呼吸も、厚いマスク越しにしているような感覚。リハーサルの間はエアチューブを繋いでもらうんだけど、本番はもちろん外されてしまう。目も覆われて、頭はほとんど動かせない。だから着ぐるみの中にいる間は、暑いとか苦しいとかを、まともに考えられる状態ですらない。
     何が大変って、歩くのが一番大変。1cmでも段差に引っ掛かったら、あっさり倒れてしまう。そういった意味では、ゴジラは意外なくらい脆い。この間も、大阪の街を壊すシーンで、ビルを格好良く壊した瞬間に足が引っ掛かってしまった。ヤバイ!と思ったけど、結局そのままなすすべなく倒れてしまって。そのビル一つ作るのに、丸一日掛かっているので、撮り直しもできない。みんな「いいよ、いいよ、喜田川ちゃん」って言ってくれたけど、目の奥は笑っていなかった。
     着ぐるみは、「脱ぐ」というよりは「出る」という感覚に近い。造型のスタッフが付きっきりで背ビレから順々に外していって、10分以上掛けて「脱皮」する。その頃には、もう体中が融け出しているような感じ。でも、体が融けて流れ出た汗がゴジラに染み込んで、はじめてゴジラは動きやすくなる。その事に気が付くのに1年以上掛かった。もしかしたら、僕がゴジラの着ぐるみを着ているんじゃなくて、僕がゴジラに吸収されているのかも。

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  • GODZILLA the WORLD(公式サイト)
  • ゴジラスーツの遍歴(ファンサイト)
  • まけるな!!日本のゴジラ(ファンサイト)



  • 神部正守さん(麻布十番「浪花家」)の

    「夏のたい焼き屋」の話

     ウチの店はたい焼き屋。お陰様で、大勢のお客様にいらしていただいているけど、実は店内に冷房がない。だから夏はお客様もツライみたい。
     こっちでお釜の火がついて、向こうでたい焼きの火が2台ついていて、その真ん中に客席がある。焼いているところの近くに座ったお客様は、他の席が空くと移動するほど。年輩の女性だと、10人に1人は暑さに耐えきれなくて帰ってしまう。かき氷も出しているんだけど、食べる時間よりも待っている時間の方が長かったりして。
     作る方も大変で、ポロシャツを着ていると、帰る頃には汗でウルトラマンのようなまだら模様になっている。気温もさることながら、たい焼きの熱い型から出る放射熱が凄くて。遠赤外線を浴びつつ、日々たい焼きを作り続けている。
     そんな思いをしてまで代々たい焼きを作り続けてきたのは、お客様の笑顔があったからだと思う。「うまい!」の一言は、サッカーにおける声援と一緒。どんな疲れも吹き飛ばしてくれる。
     ウチで出来立てのたい焼きを食べるときに気をつけて欲しいのが、とにかく「たい焼きは熱い」という事。「すごく熱いから気をつけて下さいよ」と必ず注意しているのに、10人に2人は「あちちちっ」と慌ててしまう。これは好みの問題かも知れないけど、僕は冷め切って、まだほんのり暖かいかなと思うくらいのたい焼きの方が、あんこの美味しさが分かると思う。
     夏はあんこを使ったかき氷が人気。最近はかき氷を食べようとしたら、冷房の効いたお店で待たされて、かき氷が出てきたときには寒くて食べられないという店がほとんど。そういう店でかき氷を食べて涼しくなっても、店の外に出たらムッとした熱気にさらされる。ウチの店なら自慢じゃないけど冷房がないので、かき氷は美味しく食べられるし、外に出たら真夏でも涼しく感じる。ぜひ一度お越し下さい。

    【Hot Link !!】

  • 麻布十番商店街(公式サイト)
  • わかば(「住楽考」内・四谷見附のたい焼き屋の紹介)



  • 立川キウイさんと立川志加吾さん(落語家)の

    「サウナ」の話

     ある暑い夏の盛りに、師匠(立川談志さん)から「お前ら、サウナに行くから一緒に来い」と言われた。
     師匠の命令に否応もなく、そこら辺の銭湯にでも行くのだろうと思って師匠についていった。ところが師匠、銭湯とは全然反対の方向へ歩き出す。しかも、テクテク、テクテク、どこまでも歩いていく。いったいドコへ行くつもりなんだろうと考えていたら、おもむろに師匠が「ココだ!」と言って指さした先には、なんと電話ボックスがあった。
     確かに、さんさんと真夏の日差しが降り注ぐ電話ボックスの中は、暑いなんてもんじゃない。「これがオレのサウナだ!」って言って、師匠はその中に入ってしまった。「サウナに入って、電話で仕事も片づいて、しかもタダ!」って、そりゃそうかもしれないけど…
     師匠がその「サウナ」に入っている間、弟子はずっと外で待っていなくてはならない。それで日射病一歩手前でフラフラになって立っていたら、20分も経った頃に「お前も一緒に入るか?」だって。そんな暑苦しい場所に、暑苦しい人と一緒にいたくないって!
     さらに10分ぐらい外で待っていたら、「か〜、いい汗かいた!」と師匠が出てきて、「いい汗かいてノド乾いちゃったから、ウーロン茶、おごれ。」弟子が師匠におごるなんて話、聞いたことがないっつーの!さらに続けて、「お前も好きなもん、飲んでイイぞ」って、オレの金じゃねーか!
     夏に電話ボックス見ると、そんな事ばかり思い出す。

    【Hot Link !!】

  • 立川キウイの仮小屋(キウイさんのHP)
  • 志加吾君とその愉快な仲間たち(志加吾さんのHP)
  • 立川談志 地球も最後 ナムアミダブツ(談志師匠公式サイト)




    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    8'12" Together Wherever We Go Peggy Lee Capitol TOCJ-5418
    18'23" Gopher YMA Sumac Right Stuff 0777-7-80863-2-1
    32'03" Will His Love Be Like His Rum? Hamy Belafonte RCA 53801-2
    42'33" Adies Rosemary Clooney RCA BVCJ-2636
    47'22" Sonny Bay Mel Torme Capitol CDP 077-7-89941-2-1

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