「夏祭り」
東京の夏は、入谷の朝顔祭りと、浅草のほおずき市で始まる。
京都の夏は、祇園祭で始まり、大文字五山送り火で終わるという。
7月から8月にかけては、博多の祇園山笠、青森のねぶた祭り、秋田の竿灯祭、山形の花笠祭、仙台の七夕、熊本の火の国祭り、徳島の阿波踊り…等々、大小様々な祭りが、日本の各地で催される。
日本の夏は、お祭りの季節。今日はお祭りの話に、聞き耳を立ててみよう。
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芳賀日出男さん(写真家)の
「お祭りの写真」の話
大学の国文学の授業で、折口信夫という先生の講義を聴いたのだが、その中で、「訪れ神」という話に関心を持った。これは、お祭りの時に神様がお客様のようにその場所へ現れる、という風俗の事で、その神様は、お面を付けていたり、あるいは蓑を被っている事が多い。
その話を聞いて、それを写真に収めたら面白いんじゃないか、そう思って写真家になった。
お祭りを見ながら、「人は何故こんなことをしているのだろう」と考えると非常に興味深い。良いお祭りだと、「悪魔払い」であったり「豊作祈願」であったり、その目的意識が明確で、見ていて面白い。
中には、そんな目的なんかどうでも良く、ただ興奮することが目的の人もいて、これもまた面白い。例えば、東京の祭りならどこでも行って、あちこちでお神輿を担いでいる人がいるけど、こういう人はお神輿を担いで、陶酔して、興奮した時に「生きている」と感じるのだろう。
お祭りの写真を撮るようになってしばらく経つと、日本の祭りだけでは飽きたらず、海外のお祭りにも出掛けるようになった。ところがお祭りは、これは日本でも海外でも同じなんだけど、1回行っただけではうまく撮れないことが多い。
始めていったお祭りで、パレードを撮ろうとして、「こっちに来るかな?」と思ったら反対に行ってしまうとか。それで、2回目に行ったら雨で中止だったり。平均して3回くらい行かないと、うまく撮れない。3回目になると、さすがに向こうに顔見知りもできて、「あっちに行けば先回りできるぞ」なんて教えてくれたりする。
展覧会で50枚くらいの写真を展示すると、お嬢さんに「毎日旅行して、こういう写真を撮ってくるなんて、良いですね」なんて言われるけど、その50枚を撮るのに20年掛かっていたりする。お祭りの写真を撮るのも楽じゃない。
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Festival around the World(芳賀さんのサイト)
渡部潤一さん(国立天文台)の
「七夕」の話
「七夕」というのは、もともと中国の伝説で、話の内容も非常に大陸的。例えば、川を挟んでお互いが離ればなれになるというのは、長江や黄河ぐらい大きな川をイメージしている。これが日本の川だったら、その気になったら、何とか渡れてしまいそう。
それから七日という数字は、昔の暦(太陰暦)で言うと、月が三日月と半月の間くらいの日。そしてその月は、天の川の西側、つまり織り姫側にいて、それが日付の変わる頃、彦星の側に移動する。そこで昔の人は、月を舟に見立てたのではないかと言われているんだけど、この「舟」の形も、どことなく中国っぽい。
日本の「七夕」と言えば、お祭りなのだが、織り姫と彦星の逢瀬がかなう、という伝説に引っかけて、その日に願いを掛ければかなう、という祭りになった。だから、旧暦七日の月の形に似ている笹の葉を使って笹舟を作り、織り姫や彦星の想いと共に願いをかなえましょう、という事になっている。
この七夕祭り、平安時代には日本へ伝わっていたらしく、貴族の書き残した書のの中に、そういう描写が含まれている。平安の頃は、貴族が風流な遊びとして楽しんでいたようだが、後に江戸時代になって、一部の粋な藩で大々的な祭りとして行われるようになり、仙台や平塚などでは、その風習が現代まで受け継がれている。
我々天文学者にとって、星が原点になっている行事の時は、星に興味を持ってもらうまたとないチャンス。今の暦では七月七日はまだ梅雨の真っ最中なので、なかなか難しい面はあるけれど、ぜひ夕涼みがてら、星を見上げて欲しい。
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渡部潤一のホームページ(渡部さんの個人サイト)
仙台七夕まつりOFFICIALホームページ
仙台市天文台(七夕イベントを行う予定)
伊奈かっぺいさん(タレント)の
「ねぶた祭り」の話
ねぶた祭りは、8月2日〜6日まで。7日は「なのかび」と言って、その日だけねぶたを昼に運行する。そして夜は賞に選ばれるような良いねぶたを船に乗せ、花火大会と同時に水上運行する。ねぶた祭りを見るなら、この日が一番のオススメ。
「ラッセラー、ラッセラー、ラッセラッセラッセラー」という掛け声も、ねぶた祭り独特のもの。どういう意味かと聞かれても困るんだけど、「ワッショイ、ワッショイ」という普通の掛け声と同じで、特に意味はないと思う。
ねぶたの山車は、大雑把に言うと「でっかい提灯」なんだけど、とにかく凝った作りになっている。歌舞伎、古事記、三国志、水滸伝、など、その題材は様々。馬とか竜、虎といった動物モノも見応えがある。
青森の人間がこのねぶた祭りにかける情熱は凄い。「今年のねぶたが終わった瞬間、来年の山車を考え始める」という人もいる。具体的な作業が始まるのは冬。ストーブの隣で、細かい部品から作り始める。そして祭りの2ヶ月前、「ラッセランド」という場所に小屋を建て、その中でで組み立てる。ちょうど今頃は、組み立て作業の真っ最中だろう。祭りが迫ってくると、小屋に泊まり込む人も出てくる。
ねぶた祭りは、テレビで見るのと実際に見るのとでは大違い。さらに、見てるのと参加するのでは、また全然違う。一度「ラッセラー」と跳ねると、もう病みつきなので、ぜひ実際に見て、参加して欲しい。
ところで、祭りの三大要素は、動きと音と光だと思う。ねぶた祭りには、この3つが溢れている。だからねぶた祭りは、テレビはもちろん、ラジオでだってニュースになる。それに較べて、仙台の七夕祭りは「サラサラ〜ッ」って感じで、ラジオのニュースにはならない。やっぱりねぶた祭りの方が良いと思いませんか?こんなこと言ったら、また仙台の知り合いに仙台に知り合いに文句を言われてしまうかもしれないけど。
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日本の火まつり 青森ねぶたOFFICIAL SITE
青森ねぶた正調囃子保存会
青森市非公式ホームページ(個人サイト)
堀井憲一郎さん(エッセイスト)の
「祇園祭」の話
僕は京都の育ちで祇園も近かったので、祇園祭には嫌でも詳しくなった。
祇園祭といえば、7月17日が「山鉾(ほこ)巡業」、その前の晩の「宵山」、前の前の晩の「宵々山」、前の前の前の「宵々々山」、前の前の前の前の「宵々々々山」、前の前の前の前の前の「宵々々々々山」……って、京都の人間はこんな下らないことばかり言っている。
でも、こんな軽口を叩きながら、7月10日くらいから京都の室町周辺に出来ている山鉾を見上げて、そのまわりで「コンコンチキチン、コンチキチン」なんて音が鳴っているのを聞いていると、いよいよ夏という感じがする。
祇園祭で楽しいのは、何といっても夜。宵山までは、夜にその辺りへ行くと出店がいっぱい並んでいるし、歩行者天国の人出も凄くて、まさにお祭りという感じ。暗がりでカップルがイチャイチャしてるのは腹が立つけど。
当日の山鉾巡業は、ムチャクチャ暑いというイメージしかない。人の引く山鉾がゆっくりと動くだけなので、見ているとダレダレ。平安時代なら、京都でも指折りに高い建造物が動くんだから、ビックリしたのかもしれない。今なら、マリオンと東京タワーを動かすようなもの。それなら驚くけど、この時代、あれが動いたからと言って、今更としか思えない。
「角を直角に曲がるところが見所」なんて言われているけど、古臭い木のタイヤを付けているからカーブを曲がれないだけ。仕方がなく下に竹を敷いて、ガーッと回しているのは、京都人がハンドルに付け方を知らないせい。岸和田とか福岡みたいに、2〜3人が怪我をしようと、男らしくバーッと回しているのは格好良いけど、そういうのとも全然違う。
それから1ヶ月すると、「大文字」がある。「京都の夏は、祇園さんで始まって、大文字さんで終わる」と言われているけど、これも山が燃えているだけ。まあ、京都市中でみんなが苦労して高いところに登って見るのは、楽しいと言えば楽しいけど。
【Hot Link !!】
祇園祭(八坂神社による解説)
私の楽しんだ、京都の祇園祭(個人サイト・内容充実)
祇園祭ナビ(個人サイト・わかりやすい)
浜尾朱美さん(キャスター)の
「阿波踊り」の話
元々、蜂須賀家正公が城を築城した時に、落成を祝う喜びの踊りを無礼講で踊って良いと言ったのが、阿波踊りの始まりと言われている。
徳島というのは、非常に地味な県。1年の内で徳島が注目されるのは、8月12日〜15日の4日間だけ。だから徳島の人間は、その4日のために残りの361日を生きていると言っても過言ではない。
私は大学生の頃、お祭りの会場でアナウンスのアルバイトをしていた。「次は〜〜連です」みたいな紹介をする役割だったんだけど、踊りを中断させる役も兼ねていた。チャンチャカと踊っている途中、突然、音楽と踊りを止めて、その姿勢のまま「まだ、まだ」と我慢させる。みんなフラフラになりながら我慢して、また踊り出すというのも、阿波踊りの楽しみ方の一つ。
阿波踊りにはいろんな流儀があって、やっこさんという踊りや、コサックダンス風の踊りもある。この時期になると、徳島の町ではどこからともなく、あのお囃子のリズムが聞こえてきて、どこかで誰かが練習しているのが分かる。女踊りは、整然と揃って、高く高く手を挙げる。男踊りは、左右に飛んで散りながら、低く低く踊る。誰でも出来るもののように思われているけど、それぞれの流儀で、ちゃんと練習して美しく踊るのが阿波踊り。
踊りの最中にほのかに聞こえてくる横笛とか三味線を、ちゃんと演奏できる人がだんだん少なくなっているような気がするのが気懸かり。昔、おコイさんという芸者さんが吹き込んだという「正調・阿波踊り」というレコードがあるんだけど、そうやって伝えられている伝統の姿を大事にしたい。
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阿波踊り
熱狂阿波踊り99(昨年の様子)
水玉連(50年以上の歴史を持つ連)
放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 8'38" |
Summer Samba |
Astrud Gilberto |
verve |
J30J 20115 |
| 17'58" |
On A Slow Boat To China |
Kay Starr |
Capitol |
CDP 0777 7 80181 24 |
| 28'58" |
Dancing In The Dark |
Tonny Bennet |
Columbia |
OGK 40424 |
| 40'47" |
It's A Loudy Day Today |
Jacky & Roy |
KOCH |
KOC-Cd-7927 |
| 50'07" |
Let's Face The Music And Dance |
Nat King Cole |
Capitol |
CDP 7 98477 2 |
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