SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2000年6月10日の放送内容

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト


「契約」

 古代、人は「神」と呼称される抽象的な概念と契約を交わすことにより、集団としての秩序を保とうとした。
 そして現代。人を動かし、そして拘束するのは、やはり「契約」である。物の売買、賃借、雇用など、すべての経済活用は、ある種の契約と見なすことができるであろう。
 しかし、訴訟天国アメリカと違い、日本ではあまりに契約について無関心な人が多い。
 もっともそのお陰で、「契約」に関するおかしなエピソードが絶えないのは、この手の笑い話を酒飲み話としてこよなく愛するこの店の常連達にとって、幸いと言うべきだろう。
 今日はそんな「契約」の話に、聞き耳を立てるとしよう。




  • 引田天功さん(マジシャン)の

    「キャラクター契約」の話

     バービーとのキャラクター契約で、私はいろんな事が決められている。髪は伸ばしちゃいけないし、切ってもいけない。色を付けてもいけない。そして年齢は24歳。
     その契約が、15年続く。ちなみに今は4年目。だから日本では「年齢不詳にしといて下さい」とお願いしている。自分で本当の歳を言ってしまうと、契約違反。生きている人間がキャラクターになっているので、それに対して意見を言うことさえできない。
     日本では公証役場へ行って「プリンセス天功」というキャラクターを登録してきたし、アメリカでは宇宙規模の契約書を交わしてきた。その契約書によると、3〜12歳の子供をターゲットとしたキャラクターなので、いつも人形と同じ格好をしていなければいけないし、ステージでは絶対に笑っていなければいけない。さらに、子供達とはスキンシップを心掛けなくてはいけないし、全世界どこへ行ってもその国の言葉で挨拶しなくてはいけない。とにかく契約は事細かに決められていて、痩せたり太ったりしてはいけないなんて、基本中の基本。
     「もし、違反したらどうなるんですか?」と国際弁護士に聞いてみたら、「それは簡単です。違約金を払えば良いんです」と言われた。そこで恐る恐る「違約金って幾らぐらいなんですか?」と聞いたら「何百億ドル」。そんなお金は払えないので、一生懸命契約を守っている。
     例えば食事。幸い食べても太らない体質なので、そっちは気にする必要はないんだけど、海外に行ったら栄養食品やスポーツドリンクしか口にしない。長期の滞在の場合はコックが帯同する。
     それから、私の友達といえば「ミッキーマウス」。でも、ミッキーと喋って良い時と悪い時があるので、日本のディズニーランドで会う時も、一度アメリカに問い合わせてから会った。ライバルは「セーラームーン」。テレビの視聴率で勝つと、アメリカから「Congratulations!」とファックスが送られてくる。それが、キャラクター「プリンセス天功」。

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  • Collections
    (「THE-SPAWN-MUSEUM」Princess Tenkoのフィギュア写真)
  • ふるさとへの手紙(「信越郵政局」引田さんのメッセージ)
  • 魔法使いサリー(舞台劇・引田さんがイリュージョンを指導)



  • 小竹伸幸さん(博報堂法務局)の

    「CM出演の契約」の話

     例えば、夫婦でCMに出ている場合、「離婚してはいけない」という契約を結ぶことはできない。その夫婦が自分たちのタレント生命を考えて、「今ここで離婚するのは得策ではない」と判断することはあり得ても、契約によって拘束するのは無理。
     実際に行われているCM出演に関する契約では、車のCMに出た場合、アルコール飲料のCMに出ないという条件が付いたりする。もちろん逆も不可。それから、犯罪を犯してはいけないという条件が付くことも多い。
     契約の内容を、自分で全部チェックするタレントもたまにいる。僕が仕事をした中では、広岡達朗さんがそうだった。契約書の条文を全部読まれて、ここの意味はどうだとか、ここの書き方はどうなんだとか、非常に緻密な方だった。さすがと言えばさすが。
     一番いい加減な人だと、契約書のあるページがひっくり返っていても気が付かない。「あれ?おかしいな、条文が飛んでるな」と思ったら、両面コピーの片面を忘れていたんだけど、その契約書にはしっかりハンコが押されていたり。
     日本のタレント契約だと、契約書は5〜6ページ。外国ほど細かく書かない。外国人と言えば、ジョン・ローンはちゃんと自分で契約書を読んでいた。サントリーのCM出演契約だったんだけど、契約書を読み、質問をして、直すべき所を直させて、契約書にサインをした後、その場でグラスを取り出して、自分でお酒を注いでくれた。そのお酒はもちろんサントリー。そんな律儀な人も世の中にはいる。

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  • CM探索隊
  • CM懐疑を。開きましょい、
  • John Lone unofficial website



  • 江夏豊さん(野球解説者)と
    金子達仁(スポーツライター)さんの

    「阪神と契約するまで」の話

     高校生の頃、プロ野球は別世界だった。まさか自分が入れるとは夢にも思わなかった。だから、高3の時には大学に行くつもりでいた。
     実際、夏の大会が終わった後、東海大学のセレクションを受けている。そのセレクションの結果、大学から貰った条件は、はっきり言ってプロに行くより全然良かった。学費免除はもちろん、土地付きの一軒家に住まわせてもらえ、なおかつ、同じ高校の仲間を何人か入学させてくれるという話だった。
     そして大学の練習にも参加した。その時、僕の隣で投げていたのが、現在ダイエーにいる上田次郎さん。「これが1年で優勝ピッチャーになった上田か」と思って見たら、案外大したことがない。少なくとも真っ直ぐだけなら、絶対に自分の方が上だと思った。だから大学野球でやっていく自信はあったし、なによりも高校時代の仲間と一緒にやれるのが嬉しかった。だからドラフトで阪神の指名を受けても、プロに行く気は全然なかった。
     ところが、そこの現れたのが、当時、阪神のスカウトをしていた佐川さんだった。
     佐川さんはその前の年、ドラフトで大失敗をしている。阪神入団がほぼ決まっていた兵庫県育英高校の鈴木啓示投手の指名を、「スカウト生命を賭けて」別の投手に変えていた。その時はまだ、鈴木投手が300勝投手になるとは分かっていなかったが、少なくともその時に鈴木投手を指名していたら、同じ左の江夏を阪神は獲ろうとしなかっただろう。
     その佐川さんが、僕をホテル阪神の喫茶店に呼び出した。僕は何を言われても絶対に断るつもりだったが、一応、礼儀として話を聞きに行った。そうしたら、垢抜けない目をした鬱陶しいオッサンが、真っ黄色な指でショートホープを吸いながら、こう言いやがる。「球団もこんな無駄な時間遣わせやがって。俺はスカウトとして、お前みたいなピッチャー欲しいと思わんのや。お前なんかプロで通用せん。」
     我ながら単細胞というか何というか、その言葉にカチーンときて、「そこまで言うなら、入ってやろうやないか」と言ってしまったのだが、後で佐川さんに聞いたら、案の定、あれは佐川さんの作戦だったらしい。

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  • サントリー ドリームマッチ2000 in 東京ドーム
    (江夏さんも「モルツ」の一員として参加予定)



  • 小牧次郎さん(フジテレビ映画部)の

    「映画の契約」の話

     一口に映画の契約と言っても、出資会社との契約、配給会社との契約、制作会社との契約、俳優との契約と色々あるが、一番大変なのが「原作の映像化」に関する契約。
     まず最初に、オプションの契約をする。オプションとは「期間」の事で、「この作品を何年かの間に映像化する権利を下さい」という契約する。さらにこの契約には「その期間内に映像化されなかった場合の金額」も含んでいる。
     よくハリウッドで、映像化権がもの凄い金額で契約された、という話が聞こえてくるけど、残念ながら日本では、それと較べると本当に申し訳ない金額しか払えていない。
     でもこの話は、まだ、ちゃんとしている方。「日本中の原作を押さえている」と言われる有名なプロデューサーがいるんだけど、この人はちょっと目を惹く原作があると、必ず電話を掛けて「預からせてくれ」と言ってツバを付けていく。もちろんお金は払わない。だから出版社に「〜の原作はどうなってますか?」と聞くと、「○○さんに預かって貰ってます」と言われることがやけに多い。
     それから、意外と細かいのが「脚本」に関する契約。映画という物は、脚本が完成しないと、本当にその映画を撮るかどうか判らない場合がある。だから第一稿を脚色すると幾ら、それを何回か改稿を重ねて、判断の付くところまでで幾ら、そして映画化が決定すれば幾ら、という風に脚本家と契約する。ただし、良心的な人は。
     酷い人になると、「頼むよ!」の一言で書かせる。さらに、100回直させる。そして「ゴメン!成立しなかった!」で終わり。せいぜい、最後にメシを奢るくらい。日本の映画界にはまだ、そんな人がいる。

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  • FUJI TELEVISION MOVIES Producer's Page
    (残念ながら、小牧さんは執筆中につき、未掲載。。。)



  • SAMさん(振り付け師)の

    「振り付けの契約」の話

     残念なことに、振り付けには一切の権利がない。今までtrfというグループでやってきて、何回も乗り越えようとしたんだけど、どうしてもうまく行かない。
     いろんな話をしていくと、まず「前例がない」という事に行き着く。アメリカでもないらしい。でも、いつか誰かがやらなければいけないことだと思う。
     ダンサーは体を酷使する職業。踊れるようになるまで何年もトレーニングをして、踊れるようになってからも体を衰えさせないためにトレーニングを続け、時間を掛けて振り付けを考えても、貰えるギャラは僅か。例えば誰かの振り付けをして50万円、とか。その後ビデオ化されたり、どう使われようとも、一切の収入に結びつかない。音楽と較べたら天と地の差。
     でも権利を発生させると、「あれは俺の振りだ」とか言い出すヤツが現れて、醜い争いになるのも考えもの。「ダンサーは純粋だから良い踊りができる」という部分は大事にしなくてはいけない。

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  • TRF web site(オフィシャル)




    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    8'14" Charley My Boy Peggy Lee Capitol 7243 4 96729 25
    15'29" It All Depends On You Frank Sinatra Capitol TOCP-8131
    24'33" Until The Real Thing Comes Along Dean Martin Capitol CDP 7243 8 31775 23
    34'21" On Green Dolpin Street Dakota Station Capitol CDP 7243 8 29385 21
    44'30" Somethings Makes Me Want To Dance Nat King Cole Capitol CDP 0777 7 89545-21

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