「ベスト・コニサー」
元麻布は仙台坂上の辺りは古くからの屋敷町。その閑静な住宅街の奥、細い路地をちょっと入ったところに、イタリアンレストラン "AVANTI" はひっそりと佇んでいる。ちょっとわかりにくい場所にある上に、入り口もこの上なく地味。看板一つ出しているわけでもないので、誰もレストランとは気づかないだろう。
そのせいか、この店を訪れる客のほとんどが、常連と呼ばれる人たちばかり。しかし、長いこと店をやってきたお陰で、土曜日の夕方ともなると、店は大勢の常連客で賑わっている。
一口に常連客と言っても、有名人から普通の会社員まで、その立場は様々。しかし彼らに共通点があるとすれば、なにがしか一家言ある事と、人生を大いに楽しんでいる事だろうか。
このような人々を、AVANTIでは敬意を込めて「コニサー」と呼んでいる。フランス語で「目利き・玄人」という意味の言葉だそうだ。(英語なら "Connoisseur" である。)
それでは、今日もその「コニサー」たちの話に聞き耳を立ててみるとしよう。
河合薫さん(気象予報士)の
「スチュワーデス」の話
気象予報士になる前は、全日空で国際線のスチュワーデスをしていた。
『スチュワーデス物語』で知ってる人も多いと思うけど、スチュワーデスになると、最初の3ヶ月間は研修を受ける。そのカリキュラムに、「お客様との会話」という研修があった。「今、高度はどれくらい?」とか「どこの上を飛んでるの?」と尋ねるお客様が多いので、「高度1万メートルでございます」とか「カナダの上空でございます」と答えるマニュアルができている。
「カナダの上空」という答えは、当時の全日空ではアメリカ路線しかなかったから。スチュワーデスの仕事は厳しい肉体労働なので、どこを飛んでいるかなんて気にする暇がない。だから「カナダの上空」と答えておけば、とりあえず当たっていることが多いというマニュアル。しばらくしてヨーロッパ路線ができたら、今度は「カナダ」を「ロシア」に変えて使った。
「高度1万メートル」というのは、一応の平均値。雲ができる対流圏が、だいたい1万メートルくらいまでなので、その少し上を飛んでいることが多いという意味。でも、対流圏の高さは季節や場所によって違うので、実際に高度1万メートルで飛んでいるとは限らない。
その事がよく解るのが、オーストラリア路線で赤道を越える時。その近辺では、必ず飛行機が揺れる。スチュワーデス時代は「なんで赤道上空って揺れるんだろう、線でも引いてるんじゃないの?」なんてバカなことを言ってたけど、これは暖かい地域では対流圏が1万5千メートルくらいまで上昇するから。パイロットも対流圏に入らないように、一生懸命高度を上げるんだけど、それが追い付かなくて、飛行機が揺れてしまう。ま、こんな知識は気象予報士になってから知った事だけど。
スチュワーデスの喜ぶ質問と言えば、日本発のアメリカ路線なら、「オーロラが見えたら教えて下さい」と言っておくのが良い。オーロラが見えるのは秋から冬、しかも、この路線の日本発の便だけ。スチュワーデスでもなかなか見る機会がないので、見えたときは誰かに教えたくてしょうがない。ところが、その時間は大抵、お客様はお休みになられている。だから、あらかじめお客様からの一言があれば、こっそりそのお客様だけ起こして、一緒に感動を分かち合える。
【Hot Link !!】
続・気分はいつも雲の上(河合さんのサイト)
Rise's HomePage(現役国際線スチュワーデスのサイト)
くれない寮(『スチュワーデス物語』のファンサイト)
軽部真一さん(フジテレビアナウンサー)の
「オペラ」の話
映画『プリティ・ウーマン』の一幕。リチャード・ギアが「オペラは、最初に観たときの第一印象で、好きになるか嫌いになるかが決まる」と言って、ジュリア・ロバーツに『トラヴィアータ(椿姫)』を見せるけど、僕だったら違う。『トラヴィアータ』は、ヴェルディが作ったイタリアオペラの名作中の名作だけど、僕が選ぶとしたら、プッチーニのオペラだろう。
プッチーニのオペラは、甘く、切なく、美しく、女の人の一番好きな世界が凝縮されたメロドラマ。もちろんヴェルディのオペラもメロドラマなんだけど、いかんせんプッチーニより時代が古くて、甘さが足りない。プッチーニのオペラでも、『トスカ』じゃちょっとエグイから、『ラ・ボエーム』が良い。
『ラ・ボエーム』は、プッチーニの書いた青春のオペラ。パリの屋根裏部屋に住む4人の若者たち、詩人、画家、哲学者、音楽家、お金のない4人が、一緒に生活している。そこに、ミミという女性が現れ、ロドルフォという詩人と恋に落ちる。しかしこの恋が、悲しい恋だった。ミミは体を病み、ロドルフォにはお金がない。二人は一度離ればなれになり、そして再会したその時は、彼女の命が尽きる時だった。最後は愛するロドルフォに抱かれながら、ミミは亡くなってしまう。
似ていると言えば、北川悦吏子の『ビューティフル・ライフ』にも似ている、まさに恋愛ドラマの王道。観た女の子は必ず涙する。そういった意味では『トラビアータ』も同じ王道の物語なので、リチャード・ギアの選択は、間違ってるとは言えない。
『プリティ・ウーマン』に限らず、オペラと映画は結びつきが強く、特にマフィア物にオペラは良く合う。『アンタッチャブル』、『ゴッドファーザー・パート2』、いずれもオペラが使われている。
確か『アンタッチャブル』では、『パリアッチ(道化師)』というオペラが使われていた。このオペラは、ベルズム・オペラと呼ばれる現実的なオペラで、庶民が登場人物となり、不倫、嫉妬、殺害といったテーマが盛り込まれる。プッチーニのオペラを「月9」としたら、さしずめこちらは「土曜ワイド」と言ったところ。その「滅びの美学」が、マフィア映画によく似合う。
『アンタッチャブル』の中では、『パリアッチ』が上演されている最中に、ショーン・コネリーが殺される、という使われ方をしていた。血塗れで這うショーン・コネリーと、『パリアッチ』を観るアル・カポネことロバート・デ・ニーロ。デ・ニーロの元に手下がやってきて、ショーン・コネリーが死んだという報告を耳打ちすると、デ・ニーロはニヤッと笑う。そして、その後ろでは、『パリアッチ』のクライマックス、主人公が妻を刺し殺すというシーンが演じられていた。
ベリズム・オペラも、話が意外と単純で、ドラマチックに作られていて、ワクワクドキドキするので、女性と観に行くのには向いているかもしれない。
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Bravo! Brava! Bravi! 〜オペラをどうぞ〜
オペラに興味のない人のためのオペラの部屋
ラ・ボエーム(「TVZ OPERA」)
椿姫(「TVZ OPERA」)
「パリアッチ(道化師)」全2幕(「ちゃこぽんハウス」)
馬場啓一さん(エッセイスト)の
「水割りとカラスミ」の話
水割りというのは、ちゃんとしたバーテンダーに作ってもらえば、非常においしいお酒。日本的な飲み方だとあまりに言われ過ぎていたり、お姉さんが適当に作った水割りを飲む機会が多すぎて、水割りという飲み方は過小評価されている。本当に良い水と、おいしい氷。この2つをちゃんと使った水割りを出され、「水割りって、やっぱり良いなぁ」と思うことが、2ヶ月に1回くらいある。
昔のCMであった、ボール状の氷。あれなんかも、氷を融けにくくするための工夫だと聞いたことがある。ボールは表面積が一番小さいので、なかなか融けなくて、よく冷やしてくれる。ウイスキーを冷やすのは日本人とアメリカ人だけだ、という説もあるけど、やっぱり冷たいお酒の方が、喉がおいしいと感じる。程良く冷えて、水としっくり馴染んだウイスキーのおいしさっていうのは、僕はあると思う。
そういう水割りに合うつまみと言えば、カラスミ。カラスミは良い。マイ・ボトルじゃないけど、「じゃあ馬場さん、今日は例のヤツ出しましょうか」とカラスミを出してくれるバーがあって、これは嬉しい。あんまり保ちが良くなくて、しかも一人で一瓶食べられる量じゃないから、そのバーに行く前に、あらかじめ「今日は水割りだからね」と連絡しておいたり。そうすると、お店の方でも「カラスミあります」って壁に書くので、せっかくのカラスミが無駄にならない。ほんのちょっとでしょっぱくて、かつ味がある。これは良い。
イタリアにもカラスミのパスタがあるように、海の物が好きな国の人は、カラスミを上手に食べる。そしてカラスミは、どこかでブルーチーズのようなニュアンスがあって、ちょっと癖がある。そのちょっと癖のあるところが、ウイスキーには合うんだと思う。
しょっぱくて、たくさん食べられないのも良い。たくさん食べちゃうと、お酒はおいしくない。そういう意味でも、カラスミはオススメ。
【Hot Link !!】
カラスミの天日干しー伊東・川奈(「伊豆新聞 観光ニュース」)
鳥魚子(カラスミ)(「Yakibuta中華三昧Web」)
カラスミの冷製スパゲッティ(「男は黙ってパスタを食う」)
カラスミうどん(「かとっぽ」)
エド山口さん(タレント)の
「バンド言葉」の話
昔のバンドの人は、変な言葉を使っていた。「君」「お前」を「ユー」と言ったり、お金を数えるときは「ゲー千」と言ったり。
俺はずっとアマチュアでやってきて、バンドマン用語を知らなかったので、初めて横浜で仕事をした時は面食らった。
「ユーさぁ、ネカ決めないとさぁ」
って言われてワケ分かんなくて。
「いや、それはもう、バンマスにお任せしますよ」
「いや、ネカっていうのは、最初に決めておかないと、
仕事になんないからさぁ」
「世間並み……で良いんじゃないですか?」
いい加減しびれを切らしたバンマスが、
「金だよ、金!」
それでやっと分かった。
それから、こんな事もあった。
「おい、バーソ行こう」(ソバだな)
「あのさ、ザラハイ」(灰皿ね)
「バコタ」(タバコか)
「チーマ」(マッチだな)
「イーヒ」(火ね)
「ユーさぁ、カズオどうしたかな?」(あれ?なんでバンマスが
田中カズオ(友達)のこと知ってるんだろう?)
「カズオの事、ご存知なんですか?」
「バカ、おかずはまだかって言ってるんだよ」
尾藤イサオさんに至っては、俺の名前まで逆に言う。
「ドーエさぁ、ワンタイにスーテニにチャンカーと行ってさぁ、
ナイタマラだよ」
(エドさぁ、台湾にテニスに母ちゃんと行ったら、行ってさぁ、
たまんないよ)
「見ろ、ワーカのレーナガにナンオがリトヒでズンタッタだよ」
(見ろ、川の流れに女が一人で佇んでるよ)
でも、普通のヤツには通じないだろうと思って油断していると、痛い目に遭う。ある時、バンド仲間とタクシーに乗って、こんな事を言っていた。
「なんだよ、こんチャンウン、テンウンがターヘだ。
カンジがイーナなんだよ、バカ野郎。
何やってんだよ、ロイトだねぇ。」
(なんだよ、この運ちゃん、運転が下手だ。
時間が無いんだよ、バカ野郎。
何やってんだよ、とろいねぇ。)
そしたら、目的地に着いて振り返った運転手が一言。
「イー千ゲー百です。」(3千5百円です。)
大変失礼いたしました!と謝りながら、タクシーを降りた。タクシーの運転手は、意外と侮れない。
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コンパニオン業界用語
ゲーム業界用語事典
American Slanguage in the Field of Wind Band(吹奏楽の業界用語)
業界裏用語辞典(証券業界用語)
『知っておきたい業界用語』(旅行業界用語)
香山リカさん(精神科医)の
「精神科医の恋」の話
精神療法やカウンセリングは、一対一の仕事。そのため、擬似恋愛的な感情を持つこともある。
最初は、主治医である私の事が、患者さんには素晴らしい人に見えてしまう。これは精神分析理論において「理想化」と呼ばれる現象で、過去に体験したあらゆる良い感情が、すべて溢れ出てきた結果。だから私を見ているわけじゃなくて、私を通して母親を見ていたり、小学校の先生を見ていたりする。
ちょっとしたことで、逆のケースも起こる。今まで経験したすべての悪い感情が吹き出して、もう2度と私の顔を見たくない、と思われることもある。
そしてその感情がこっちに乗り移ってしまい、「この患者さんは好き」とか「この患者は嫌だなぁ」と思ってしまうこともある。これを「感情転移」と言う。そこには非常に複雑な人間関係が生じてしまうので、私たち精神科医は、感情転移を自己分析して客観的な立場をとれるようなトレーニングをする。
でも、いくらトレーニングを積んで、感情の自己分析が出来るようになっても、コントロールは出来ない。精神科医同士で結婚している人も多いんだけど、その夫婦喧嘩で夫が「君、それは僕に腹を立てているんじゃなくて、僕の中に見ている…」って説明したら、余計に相手を怒らせただけだったとか。
「精神科医だったら人格者なんでしょう」とか「何でも相手の気持ちが分かるんだったら、恋愛も絶対にうまく行くんでしょう」とか言われるけど、そんなことは全然ない。ただ、精神科医とは恋愛をしない方が良いかも。
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ストレス(香山さん編集によるメールマガジンなど)
Y-TAKA ホームページ(認知行動療法や精神科薬物療法について)
放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 7'37" |
Let's Fly Away |
Doris Day |
Columbia |
47759 3 2 |
| 21'08" |
Someday |
Dean Martin |
Capitol |
7243 8 54546 2 2 |
| 31'49" |
Moments Like This |
Peggy Lee |
Capitol |
CDP 7243 8 29396 27 |
| 38'18" |
you Hit The Spot |
Ella Fitzgerald |
verve |
314517 535-2 |
| 45'08" |
Oh What A Nite For Love |
Dorothy Collins |
CORAL |
MVCJ-19230 |
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