「お土産」
おそらくAVANTIの常連客の中では最年少であろう村上早樹ちゃんがAVANTIへ現れ、手さげ袋の中から包みを取り出した。なんでも、鎌倉へ行って来たので、そのお土産だという。
ところが話を聞いてみると、本当は早樹ちゃん、伊豆へ行くはずだったとか。ところが待ち合わせ場所の「たまプラ」(たまプラーザ)を「鎌倉」と聞き違えてしまった早樹ちゃんは、やむなく鎌倉旅行に変更せざるを得なかった、という事らしい。何とも、方向音痴の早樹ちゃんらしい話である。
早樹ちゃんのお土産の中身も気になるが、隣のカウンター席から聞こえる「お土産」の話も楽しそうだ。ちょっと聞き耳を立ててみよう。
大田雅和さん(博報堂生活総合研究所)の
「駅前のお土産屋」の話
東京の駅前のお店は、ある法則性を持って並んでいる。たとえば、駅から見て左側にそば屋、右側にラーメン屋があることが多い。これは人が駅から出ると、なぜか8割が左に向かってしまうため、古くから栄えている商店街は駅から見て左にあることが多く、その結果、昔からあるそば屋が左で、新しいラーメン屋が右という配置になる。
さらに、駅を出て右側の最初の店は果物屋であることが多い。たとえば、目黒駅の権之助坂商店街、新宿のアルタ隣の果物屋、同じく新宿のパーラー高野などがそう。これは戦後、果物がお土産だった風習の名残で、果物屋は一種のお土産屋として、駅前で繁盛していたため。
【Hot Link !!】
生活博物館(博報堂生活総合研究所のHP)
泉麻人さん(コラムニスト)の
「ニッポンおみやげ紀行」の話
最近のお土産業界では、和洋折衷モノというか、饅頭の中にカスタードを入れたようなお菓子が流行している。この流行を作ったのは、仙台の「萩の月」の大ヒットだった。それから、地方の風物をムリヤリ織り込んだお菓子も多い。昔から「西郷隆盛まんじゅう」みたいなモノはあったけど、最近では金沢の「ゴジラ松井サブレ」なんてモノまで出ている。それと、どこでも置いているのが「○○へ行って来ました」モノ。でもアレって全部同じ所でつくっているんじゃないだろうか。
こんな事に詳しいのは、『ニッポンおみやげ紀行』という本を書いたから。その取材で見てきた中でも面白かったのは、長崎のカステラ屋。「高級」なカステラほど、日持ちしないということをウリにしていた。例えば「清風堂」が一ヶ月なのに対して、「文明堂本店」は十日。この差別化の手法は面白かった。
北海道のお土産なら、今は「夕張メロン」モノがブーム。森永の「北海道限定・夕張メロンエンゼルパイ」はけっこうイケた。
【Hot Link !!】
Tak's Room -本棚-(『ニッポンおみやげ紀行』の紹介アリ)
澤口文代さん(林着物店)の
「外国人向けのお土産」の話
ウチの店は新橋と有楽町の間の、インターナショナル・アーケードの中にある関係で、大使館の方や外国のお客様が多い。そのため浴衣や着物も、外国の方むけの大きいサイズのモノを揃えています。
有名な方がいらっしゃることも多くて、この間も四大テナーのカレイラスさんやドミンゴさん、それから俳優のブルース・ウィルスさんも「シックス・センス」のプロモーションで来日した時に、ウチの店に寄ってくれました。ブルース・ウィルスさんは本当に格好良い上に、上品に愛想が良くて、素敵な方でした。
どうも和服、それも浴衣のような堅苦しくないモノは、外国の方も室内着や楽屋着としてお使いになるらしく、みなさん好んで買っていかれます。アラン・ドロンさんもエリザベス・テイラーさんもシャーリー・マクレーンさんも、何度もウチの店にいらして下さるので、本当に和服を気に入っていただけたんだと思います。
山内浩さん(トラベルアイル)の
「羽田のお土産屋」の話
トラベルアイルは、羽田空港は全日空側の到着ロビーにあるお土産屋。本来はお土産を買い忘れた人のために作られた店なんですが、それ以外のお客様も時々いらっしゃいます。行って来たお客様と、言ったフリのお客様。見ていると何となく分かってしまうんです。
ウチは全国からお土産物を集めているのですが、中には北海道の『白い恋人』のように、仕入れることが出来ないモノもあります。『白い恋人』の場合は、北海道以外には出さないと決まっているんです。それでも『沖縄ハイチュー』みたいな、本来地域限定のモノも一部扱っているので、その地方の出身の方がわざわざ買いに来ることもあります。最近ではMAXの一人が沖縄の「サータアンダニ」というお菓子を買いに来たそうです。スッピンだったので僕は気がつかなかったのですが。
【Hot Link !!】
BIG Bird Official Home page
TRAVEL AISLE(BIG Bird Official Home page 内)
糸井重里さん(コピーライター)の
「お土産の価値」の話
もらって一番嬉しいのはお金。だからお土産の極限の姿もそこにあると思う。でも、まさか人の家に行って「これ、つまらないモノですが」とお金を出すわけにもいかないので、物を持っていく。ところが、一番困るのが物をいっぱい持っている人の所に行く時。高い骨董を持っていく人もいるみたいだけど、それはお金を渡すのに限りなく近い。それではあまりに精神的に貧しい。
例えば、僕の友達に白洲正子さんと付き合いのある人がいて、白須さんを訪ねる時に、あるお土産を持っていった。白洲さんといえば、趣味そのものが仕事の人だし、お金も持っている。そこで、彼が持っていったのは「ちりめんじゃこの佃煮」。その理由はと聞いたら、「俺が美味いと思ったから」だって。
このやり方は、すごくシンプルで格好良いけど、やっていい人とダメな人がいる。「俺が美味いと思った」こと自体が付加価値を生むような存在感がある人じゃないと、格好がつかない。
【Hot Link !!】
ほぼ日刊イトイ新聞
白州正子「両性具有の美」(新潮社)
白洲正子さん(訃報)(経歴・著書の紹介)
放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 10'32" |
Pick Yourself Up |
Ella Fitzgerald |
verve |
314 519 347-2 |
| 19'50" |
Melodie D'amour |
Eydie Gorme |
CBS/Sony |
32DP696 |
| 32'22" |
It's A Lovely Day Today |
Jackie & Roy |
Koch |
KOC-CD-7927 |
| 40'40" |
The Gift (Recads Bossa Nova) |
Eydie Gorme |
CBS/Sony |
32DP696 |
| 47'26" |
All Of Me |
George Berson |
Legacy |
CK52977 |
|