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「ソルトウォーターゲーム」
ここ数年、「釣り」といえばバス・フィッシングに代表される淡水魚(フレッシュウォーター・フィッシュ)のルアーフィッシングが流行していたが、釣りブームが定着するにつれ、海水魚(ソルトウォーター・フィッシュ)の釣りの魅力も、世に広まりつつある。かつて海釣りといえば、釣った魚を食べるのが一番の楽しみだったものだが、最近ではキャッチ&リリースのゲーム、すなわち「ソルトウォーターゲーム」が主流になりつつあるとか。体長数メートル、体重何百キロという魚に一対一の勝負を挑むbbそんなスケールの大きなゲームは、他にそうあるものではない。 今日のAVANTIのカウンター席には、実際に数百キロもあるカジキと戦った釣りの名人も座り、その武勇伝を語っている。その話に、聞き耳を立ててみよう。
ずっとアウトドアをやってきて、最後に辿り着いたのが「釣り」。海でも川でも湖でも、どこでも釣りは楽しいんだけど、中でも抜群に面白いのが、『ソルトウォーターゲーム』、いわゆる海釣り。その中でも、ルアーを使った釣りが面白い。海釣りのルアーには漁師さんが使うようなバカでっかいルアーがあって、コイツをテコの原理で遠くまで投げる。ルアーが水飛沫をあげるように派手に引っ張ると、海の底から黒い影が浮いてきて、いきなり尻尾でルアーを弾き飛ばす。それでもラインを巻き続けると、まるでバケツのような口を広げて魚が食いついてくる。その瞬間の衝撃、そしてそこから引っ張り込む力、すべてが半端ではない。ソルトウォーターゲームの頂点といわれるのは、ジャイアントトレバリー、日本名「カスミアジ」。比較的ポピュラーで、東京湾でも釣れるのがシーバス、いわゆる「スズキ」。大黒埠頭あたりでも、1mのシーバスが釣れるので、都内在住のサラリーマンでも楽しめると思う。
最近パプアで狙っているのはキハダマグロ。今まで釣ったのは40kg台までなんだけど、もっと大きいのがいるはず。最高時速200kmで泳ぐ魚なので、400mぐらいの糸が15秒もあれば尽きてしまう。糸が摩擦で煙を出すわ、スプールが熱くて触れなくなるわ、とにかくとんでもない魚。コイツを狙って黒潮の原点、赤道南流が反転しているポイントに通っている。餌は飛び魚の子供で、手で捕まえられるくらい沢山いる。ところがこの間、その飛び魚の群れが妙に大人しかった。コレは周りに飛び魚を食べるような魚がいないのだな、と思ってウロウロしてたら、遙か彼方の水面に雲のような影が見える。何だろうと近づいてみると、恐いぐらいの鳥の大群だった。ココに魚がいるハズだ、と突っ込んでいったら、案の定3〜4kgのキハダやカツオがボコボコ跳ねていた。でも狙いの魚は別。そのキハダやカツオを食べに来た魚こそが、本当の狙いだった。そして友達の竿に掛かったのは、推定300kgのカジキ。まるで船と同じ大きさに見えた。4時間半格闘したあげく、やっぱり糸が焼けて逃がしてしまったが、あのワイルドな戦いこそが釣りの醍醐味。
フライは一人で優雅に楽しむ釣り。実はキャスティングの技術がすべての釣りで、複数の人間で行くと上手い人間の一人勝ちになってしまう。ところがルアーは、誰でも簡単に使えるよう道具が工夫されていて、しかも大きい魚が均等に掛かりやすい。だからルアーは入門向きで、みんなで楽しむのにも向いている。ルアーを15m投げようと思ったら10分練習すればいいけど、フライの場合は1日2時間練習して、それを一週間続けなきゃ無理。さらに、フライでカジキやマグロを釣ろうと思うと、ルアーを使って魚を寄せるティーザーマンなど、サポートの人が3人も4人も必要になってくる。道具も高いし、サポートの人の費用も掛かるので、フライはかなりハイソな遊びと言えるかもしれない。ルアーは魚の本能に訴えかける釣り。3mでも10mでも、見える限り魚はルアーを追いかけてくる。それに対してフライは、魚の捕食している目の前3cmを流してやらないと、絶対に食いつかない。でも、その難しさが魅力でもある。
釣りには、「いかにして魚を針に掛けるか」という楽しみがあって、大概の淡水の釣りがその楽しみに依っている。「絶対にアイツを釣ってやる」とか言っているのがそう。一方、釣りには、「掛かった後いかにしてキャッチするか」という楽しみもある。沖合に出て、鳥山なんかが見えて、カツオやシイラが群れている状況では、魚を針に掛けるのに、何のテクニックもいらない。そうすると、掛かった魚をいかに面白く釣るか、という楽しみを追求し出す。その楽しみ方の一つに、糸の太さを下げていくという方法がある。例えば、5kgまで耐えられる糸で5kgの魚を釣っても当たり前なので、2kgまでしか耐えられない糸で釣ろうとする。それが高じてくると、何年かに一度、下手をすると一生に一度しか掛からない魚に対して、必要以上に細い糸で挑戦するようになる。切れた瞬間、数年追い続けてきた夢が終わってしまう、という緊張感がたまらないらしい。切れない太さの糸を使うなら、でかい魚と体力勝負を楽しんでも良い。釣りには、色んな楽しみ方がある。
私が大阪で雇われ船頭をしていた時に、その釣り船屋のオーナーが、大阪湾の湾内でシーバスを釣る「インディ・フィッシング」を考案した。ポイントまでは、マリーナを出てからわずか15分。大型船やコンテナ船用の桟橋は、潮が引くと小型のボートでも入っていけるようになる。その桟橋の橋脚に、貝やフジツボが付いていて、そこに小魚が集まっている。そしてその小魚目当てに集まったシーバスを釣る。大阪湾の、それも非常に陸の近くで釣れるというのが利点。しかも、小型のボートを使うと奥の方まで入っていけるので、ボートの周りすべてがポイントになるので、簡単に釣れるし、いつも入れ食い。大きいのが釣れる日と小さいのしか釣れない日があるけど、日によっては80cmクラスがバンバン釣れる日もある。昔は「おかっぱり」といって、ルアー釣りは岸から釣るが普通だったけど、船で釣るようになって、岸からは狙えないポイントも狙えるようになって、楽しみが倍増した。
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