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「東京ネットワーク」
国土庁の発行する平成11年度版首都圏白書によると、日本に在留する外国人は、平成9年12月末現在で148万人に達しており、過去最高を更新しているらしい。そしてその約4割が首都圏に滞在し、更に言えば、その半数程度が東京都に集中しているそうである。「日本は共通の言語や文化で分かり合える国である」という幻想は、もはや遠い昔の話となってしまった。いまや日本は、殊更に東京は、人種と民族のるつぼと言っても過言ではない。様々な人種や民族が、独自の社会(ネットワーク)を創り上げ、無数の社会が共存する複雑な構造の街bbそれが "TOKYO" の本当の顔である。 今日は滅多に聞くの出来ない "TOKYO" の話に、耳を傾けてみよう。
渋谷の「Bar Isn't It」が最近のお気に入り。理由は、ひたすら安いから。飲み物も食べ物も、何でも500円。でも安いところが好きなのは僕だけじゃなくて、外国人ってみんな安いお店が好きだし詳しい。僕の友達には、「〜放題」のお店ならどこでも知っているようなヤツもいて、「○時から○時まで、ココが食べ放題だからココに行こう。次はあそこが飲み放題だから、そこへ行こう」と、そいつと飲み歩いくともの凄く安く上がってしまう。そして外国人は、みんなパーティー好き。実はコレも安上がり。10リットルはあるビールの樽を代々木公園に持ち込んで、バーベキューセットで肉でも焼いて、ラジカセとCDで好きな音楽をかけて、みんなでお喋りをすれば、安上がりでもとっても楽しい。日本人の若い人たちには、お金を使えば楽しいと思っている人が多いみたいだけど、お金を使わなくたって楽しむことは出来る。
今でこそ銀行で「売ります・買います」みたいな張り紙をよく見るけど、アレは元々外国人が持ち込んだ文化。だから外国人客の多いウチの店では、1972年に私が店に入った頃から壁一面に張り紙が張られ、「日本を離れるので、車と家具を整理したい」とか、「別荘を借りたい人いませんか」など、外国人らしいメッセージで溢れていた。あまりに張り紙が多すぎて、重ね張りされた下の方の紙が見えなくなるほど。その伝統は、今も変わっていない。でも最近、「メイド探している方、お電話下さい」みたいな職探しの張り紙が目立ってきた。これも時代の趨勢なのだろう。それと最近の傾向でもう一つ、日本人の利用が増えた。でもその張り紙は、「家庭教師やります」とか「ピアノ教えます」みたいな内容が多くて、何となく日本人らしい。
日本に住む外国人向けのあらゆるメディア、新聞や雑誌、テレビやラジオ、最近ではインターネットも含めて、それらを総称して、『エスニック・メディア』と呼んでいる。昔は外国人といえば白人だったが、80年代以降、いろんな国の人が日本に集まるようになってきた。そして彼らの「母国語の情報を読みたい」という欲求から、様々な言語のメディアが日本に生まれた。ペーパー・メディアに限っても、100種類以上出ていると言われている。その中でも、非白人系、例えば中国人のメディアは日本人が目にすることはほとんどなく、僕も「ある」という噂は聞くのに、どこを探しても見つからない。おそらく日本人の知らない独自のネットワークの中で流通しているのだろう。韓国語・ペルシャ語のメディアなども、見つけづらくて困っている。それに対して見つけやすいのが、ブラジル系のポルトガル語メディア。日系ブラジル人が20万人弱いるので、キヨスクなんかで売っていることもある。
日本に住むフランス人は約5500人。そのうち85〜90%が東京、もっと言えば港区麻布台に住んでいる。いつも面白いと思うのが、初めて日本にやってきたフランス人に、来日後3ヶ月くらい経った頃に話を聞くと、とても良く日本を理解しているコト。半分笑えて半分頭にきちゃう話なんだけど、10年日本に住むとそういうことは感じなくなるから、今の内に思う存分感じておいた方が良いと思って話を聞く。そして、もし日本に長く滞在するなら、東京以外の日本も見て欲しいとも思う。私の場合は10年前から石川県に興味を持ち、京文化の影響を受けた独特の文化に入れ込んでいる。そして実性院というお寺に何度も通ったら、ご住職や檀家の皆さんがお寺の離れを貸してくれるようになって、別荘というかアトリエというか、一人になりたいときにそこへ籠もるようになった。東京と違って、向こうは娯楽が少ない。だから逆に言えば、みんな本を読む時間があるから、ある意味文化水準が高い。そういう色んな日本を知って欲しい。
『Tokyo Classified』は、外国人のための情報誌。その編集記者をしていると、面白いお店の情報を知ることが出来る。タイ料理が好きなら、六本木の『ポータイ』がオススメ。美味しくて、そんなに高くないのが嬉しい。メキシコ料理だったら、六本木ロアビル斜め向かいの『ラ・フィエスタ』が絶対イイ。ちょっと高いけど、スッゴク美味しい。3月に恵比寿に出来た『Good Honest Club』は、有機野菜を使ったパスタやサンドイッチが美味しい、小さなお店。外国人の『Tokyo Classified』読者は、みんなでお酒を飲みながら、「Men Looking for Woman」や「Gay & Lesbian」などのコーナーを読んで、ワイワイ盛り上がっているらしい。さらに「and Others」というコーナーには、「カップルを捜しています。もし興味深くてアドベンチャーが好きな人はE-Mail下さい」なんて際どいネタもあって、酒飲み話にはもってこいみたい。
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