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「ヘアサロン」
常盤貴子はACQUA(アクア)、松たか子はビュートリアム、藤原紀香はヘアーディメンジョン…。何のことかお分かりになるだろうか。これらは、彼女たち御用達のヘアサロンである。さらに、ACQUAは野沢道生、ビュートリアムは川畑タケル、ヘアーディメンジョンは宮村浩気。これらの名前をご存知だろうか。彼らこそが、人気ヘアサロンを支える「カリスマ美容師」である。 青山から神宮前の周辺に軒を連ねるこれらの人気ヘアサロンと、カリスマという形容がつくほどの絶対的な支持を女性から受けている美容師たち。ここまで女性を虜にする秘訣はどこにあるのだろうか。 彼らの話し声に、聞き耳を立ててみるとしよう。
最近、美容師に男の人が増えた。髪を切ってもらう途中の顔を見られるのはすごく恥ずかしいんだけど、一度見せてしまえば吹っ切れる。男性の美容師に髪を切ってもらう時は、その人を彼と思うのがコツ。好きな人に切ってもらったと思えば、よりキレイになった気がするし、気分もイイ。でも美容師のみなさんが、寝る暇もないくらい忙しいのは、見ていて可哀想なほど。特にカリスマ美容師と言われる人たちの弟子達は大変。モデルのハントから撮影の準備まで、働きアリのごとく一生懸命働いている。最近の傾向としては、若くてもセンスのある人なら、すぐに出世できる環境が整ってきて、美容師の師弟関係というモノがすごく希薄になった。カリスマ美容師に一般の人が切ってもらうことはほとんど不可能だから、その下の人が今、狙い目。
毎月、月頭の第一日曜日、朝10時半から翌月の予約を受け付けている。先日も、4月分の予約を受け付けたら、お陰様で46分でSOLD OUTになった。評価していただいているのは嬉しい反面、大勢のお客様をお断りしなくちゃいけないのは申し訳なく思っている。最近のお客様に「おまかせ」という方が多いのも、やっとそこまでの信頼関係ができたんだと感じられて、ありがたく思っている。おまかせの時に大事にするのはインスピレーション。昔は、とにかく真っ直ぐ切るのが正しい、と考えられていた時代があったんだけど、僕たちの時代になって、人にはそれぞれにあった髪型がある、という考え方に変わってきた。だから、ギザギザだろうが、左右が違っていようが、可愛くて似合うと思えば、そういう風に切っている。
僕は女性の柔らかさが好き。だから、パーマについていろんな研究をした。みんな、髪が曲がっていればパーマと思っているみたいだけど、それは違う。例えば、外人の癖毛は、根元から動くような髪とか、毛先がいきなりストレートになっている髪とか、ものすごく色々なタイプがある。だからパーマにも、もっとバリエーションがあって良いんじゃないか、と考えた。それで、どの部分にどんな動きをつけたいか、というイメージから作ったのが、円錐ロッドだった。髪を柔らかいモノに巻き付けたときに、柔らかい動きのパーマができる、というのが原則なので、素材はウレタン。出来てしまえば当たり前のようだけど、完成するまでは大変な試行錯誤があった。今はパーマ液の研究もしている。究極には、手をかざしたらイメージ通りのパーマが掛かる、みたいなコトが出来たら嬉しいんだけど、そんなことは魔法でも使わなければ無理。でも、少しでもそれに近付きたい。
モデルという仕事をやっていると、髪型を自由に変えられない。でも時々、自分の髪型が無性に嫌になって、マネージャーに無断で変えてしまうこともある。髪を茶色にするときは、バレないように少しずつ少しずつ変えていく。美容院は、家から近いトコロ、というのが絶対の条件。美容院に行くと意外に時間が掛かるので、とにかく行きたいときに行ける近所の美容院がいちばん便利。でも、美容院で髪を切ってもらって、満足して帰ることなんてほとんど無い。言った通り切ってはくれるけど、付けなくてもいいクリームなんかを最後に付けられて、ナゼか変な風にセットされてしまう。そんな時は速攻で家に帰って、クリームを落とす。逆に、すごくイイ感じでセットしてもらえた時は、用もないのに出掛けたくなる。でも、そんな時に限って友達が捕まらなかったりする。
手の形が人によって千差万別なので、ハサミの種類も無限。その中でも、美容師が使うハサミには、小指掛け(しょうしかけ)という特殊なパーツが付いている。コレは取り外しも出来るようになっていて、流儀によって使ったり使わなかったりする。元々、男性の頭を刈るときに「刈り上げ」という技術があって、この時に使う大きなハサミを安定させるために、小指掛けが作られた。だから昔からやっている床屋の流れを汲むところでは、小指掛けを使うよう教えられる。ところがヴィダルサスーンという人が出てきて、美容師の間で小さなハサミが大流行した。それ以来、小指掛けを使わない人がものすごく増えている。面白いもので、ハサミを作る側としては、とにかく切るときに音のしないハサミが良いハサミだと思っていたら、これも最近の流行なのか、音のするハサミが欲しいという人が出てきた。どうやら、あまりにも音がしないと、お客さんが切っているのかどうか分からなくて、不安になるらしい。ハサミという道具は本当に奥が深い。
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