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「スコットランド」
スコットランドは、ほぼ北海道の大きさ。人口は英国全体の約1割、550万人。イングランドがアングロサクソン系なのに対して、スコットランドはケルト系ゲール人と、民族が違うため対抗意識は高く、ポンド紙幣の図柄でさえ、イングランドとは異なるものを使用している。日本であまり知られることのないスコットランドだが、最近はシングルモルトウイスキーの国として脚光を浴びている。隣の席から聞こえるスコットランドの話に、シングルモルトウイスキーを飲みながら、耳を傾けてみよう。
スコットランドに行くときは、仕事と自分の楽しみ両方を兼ねて、蒸留所を見てまわる。蒸留所に行く面白いのが、「ウイスキーキャット」と呼ばれる猫がいること。ストックしてある麦を食べてしまうネズミを退治するために飼われているのだが、この猫達はいつも栄養満点のネズミを食べてるから、ブクブクに太っている。それでもギネスに載るほどネズミを捕まえた猫もいたらしい。そして、蒸留所で飲ませてもらうウイスキーは最高に美味しい。普通はそれを飲みやすいように薄めたりした形で売っているのだが、薄める前の方がウイスキーの個性もはっきり分かり、ウイスキー好きにはたまらない。
自分は昔からバグパイプが大好きで、30年前にバグパイプを取り寄せてしまった。取り寄せたはいいが使い方が全然分からないので、そのまま壁にかけてあったの。それからずいぶん長いことそのままだったのだが、やっと6〜7年前、日本でバグパイプを吹いているグループがあるということを知った。どうやら目黒にあるパイオニアの地下駐車場で練習しているということで、そこに通い、最近少しは吹けるようになった。そもそもバグパイプというのは戦争で敵を脅かすための楽器で、バグパイプを持った兵隊は軍隊の一番先頭に立ち、真っ先に戦死するようなものだったらしい。
シングルモルトウイスキーは他のウイスキーに比べて個性的。普通のウイスキーはシングルモルトとグレンウイスキーを混ぜている。本来ウイスキーはブレンドするのが筋で、シングルモルトで飲むのもではなかった。しかし最近、一種の地酒であるシングルモルトウイスキーの個性が認められるようになり、世界中でシングルモルトウイスキーが飲まれるようになりつつある。スコットランドのシングルモルトウイスキーは、基本的に地域で分類される。それはローランド・ハイランド・アイラ島・キャンベルタウンの4つで、それぞれに特徴がある。おつまみで一番合うのはハギスという羊の内臓料理。乾杯するときはゲール語で「ウィードラムスランジーバ!」という。
スコットランドと試合したとき、スコットランドに連続トライを決められて、キャプテンの林さんがみんなに叱咤激励のビンタしたことがあった。「こんなところでどつかれたら洒落なれへんで」と思っていたら、たまたま自分の前で止まってくれたのだが、でもこういう日本の文化を、向こうの人はどう思うのだろうとも考えてしまった。キャプテンの林さんはそんな熱い人で、その手のエピソードがたくさんある。ロッカールームで壁にぶつかるつもりがベニヤ板で、敵のロッカールームに突っ込んでしまったとか、気合いを入れるために顔を叩きあっていたら相手の鼓膜を破ってしまったとか。
スコットランドへは「不思議大好き」のときにストーンヘンジを見に行った。スコットランドは車窓から見える景色が変わらなくて、下の方は土の赤茶色、真ん中が麦の深緑、上がブルーがかったグレーの空。この三層の景色にときどき赤が混じる。これは酔っぱらったオヤジの酒焼けした顔。これだけの景色がどこまでも続き、まずい料理を食べていたら本当に参った。ストーンヘンジもたいしたことなかったし。それに比べてピラミッドは本当にすごい。ピラミッドを見たら、あれを奴隷がムチで打たれながら作ったというのは嘘としか思えない。ピラミッドを作った奴隷達にとって、その作業は喜びに満ち溢れていたはず。それくらいピラミッドは凄い。
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