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「SF」
「2001年宇宙の旅」で人間に反乱を起こしたコンピュータ・HAL9000が作られたのは1997年、すなわち今年という設定である。これに限らず、20世紀前半に書かれた全盛期のSFの多くは、20世紀の最後から21世紀初頭が舞台になっている。しかし現実世界の今日は、車は飛ばないし宇宙ステーションで生活する市民もいない。火星人は襲ってこないし、空を飛ぶロボットもない。そんなことを夢想するものさえいなくなった。そしてSFという名の文学はその魅力を失ってしまう。 21世紀ももう間近。どんな未来がやってくるのかは分からないが、未来に夢を持っていた頃のSFを読むと希望が湧いてくる。子供の頃に読んだSF小説をもう一度開いてみよう。その前に、AVANTIで話をしているSF通の人たちの会話に耳を傾けると、SFの魅力を教えてくれるだろう。
アメリカが発表した「火星に生命体の化石があった」という話の発端は、火星に隕石が衝突した際にはじけ飛んだ石が地球に落ちてきて、それを調べたら生物の化石らしきモノがあった、ということ。なぜ火星から来たか分かるかというと、内含ガスのパターンで判別できる。79年のバイキング号は着陸した場所が火星の砂漠だったので何も見つからなかったのだが、もう少し火星の都会に行けば良かったのではと思う。今回は水の痕跡もあったそうなので、極地に行くと何か発見できるかも。
火星人というのは、イタリアのスキャパレリという天文学者が「火星に筋みたいなモノが見える」と言い出したのがきっかけ。それがいつの間にか運河になり、火星人がいるという話になってしまった。昔は「子供の科学」という雑誌に載っていた「今月の火星」というコラムに夢中になったり、パロマに200インチの天体望遠鏡ができると聞いて興奮したりもしたが、1967年のマリナー計画で探査船が火星に着いた頃から、ぱったりその手の話を聞かなくなった。そのときアーサー・C・クラークやカール・セーガンなど錚々たるメンバーが、やけくそ気味に「火星人は地球人に何を望んでいるか」という会議を開いたのが最高にして最後のイベントだった。
19世紀ロマン派の文学研究でアメリカに行ったのだが、その頃SF界で久しぶりにサイバーパンクというムーブメントが起きていた。イメージ的には、サイバースペース(電脳空間)に人間の脳を直接つなぎ、コンピューターネットワークの中に人間の意識が直接入り込んで、データの摩天楼の中でハッカーやコンピューターカウボーイが活躍する世界だと思ってもらえばいい。ウィリアム・ギブソンの「ニューロマンサー」がそのはしりだったのだが、実ははじめの方の舞台は千葉。どうやら日本人の友人に、「東京じゃありきたりだから、その近くでダークなイメージの工業地帯はどこか」ときいたら「千葉」と教えられたらしい。
1960年SFマガジン創刊以来、次でもう500号になる。そこで、11/25発売の1月号と次の2月号で特集を組む。読者を対象に、いままでのSF作品の中でどれが一番好きかというアンケートを行い、その結果発表とベスト50作品の詳細なブックガイドをつけるという企画をやることになった。ちなみに自分の一番好きな作品はグレック・ベアの「ブラッド・ミュージック」。意志を持った細胞がどんどん増殖していくという物語で、SF慣れしていない人でも読みやすいのでオススメ。それからロバート・J・ソーヤーのタイムスリップもの「さよならダイノサウルス」。ちょっとミステリーっぽいところもあるので、特にミステリーファンは読みやすいかも。
子供の頃から「一番強い怪獣」が何なのか凄く気になっていたのだが、科学的にいうと「力・エネルギー・仕事率」など強さを表す単位がいろいろで、較べることができない。そこで思いついた単位が「ジャイアント馬場」、略して「ジャバ」。怪獣図鑑に「ゴジラの尻尾の力はジャイアント馬場の5万倍」と書いてあったのがきっかけで、ゴジラの強さは5万ジャバ。例えばレッドキングは91億ジャバで、鉄腕アトムは4万5千ジャバ。ちなみに地球上にプロレスラーは4万5千人もいないから、全てのプロレスラーが同時に鉄腕アトムと襲いかかっても勝てない。レッドキングに至っては、全人類がジャイアント馬場になって戦っても勝てない計算になる。
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