
|
「オペラ」
東京の初台にこの秋オープンする新国立劇場によって、日本でオペラという文化が本格的に動き出そうとしている。まず新国立劇場内の「オペラハウス」はレパートリー制を目指しており、一度上演されたオペラのセットは、全て保存されることになっている。すなわちこれから上演が予定されている「ローエングリーン」「アイーダ」「蝶々夫人」「魔笛」などは、これから新国立劇場のスタンダードとして残ってゆくのである。 またこれまで海外から招いたオペラの場合、そのチケットは5万円以上していたのが、この新国立劇場では1500円の当日券さえ用意されている。 これまでの日本ではまともにオペラを見ることができなかった。多くの人は食わず嫌い、いや、オペラに触れる機会さえなかっただろう。この秋一度はオペラを見に行こう。ちょうど隣の席ではオペラの話をしている。何を見に行くかは、隣の席の話を盗み聞きして決めるとしよう。
「日本初のオペラハウス」というのが新国立劇場のキャッチフレーズ。この場合の「オペラハウス」というのは劇場で作品も制作するという意味。新国立劇場で行われるオペラは、オーケストラとソリストと指揮者を連れてきて、新国立劇場の芸術監督が制作するという形でつくられる。10/10のこけら落としはダン・イクマさんの「タケル」。次がワーグナーの「ローエングリーン」。そしてその次が「アイーダ」。「アイーダ」のチケットは全て売り切れてしまっているのですが、実はエキストラを募集しています。どうしても見たい、という方はぜひ舞台から見て下さい。
オペラは大抵不道徳なもので、ずっと見ていると道徳心がなくなるからやめた方がいい。海外のオペラは国の補助があるから安いけど、日本の場合は料金も高い。とにかく不倫しない人はオペラの登場人物にはいないってくらいのストーリーだから、夫婦では見に行っちゃダメ。ちなみに私が夫婦で見に行くときは別々の席で見ます。それに最初からずっと「死ぬ、死ぬ!」なんていいながら4時間出続けて、結局最後に死んじゃうなんてお話を見た後は、やっぱりどこか変になってしまう。まあ、オペラはやめておいた方がいいと思います。
音楽学校で勉強した人にとって、ロックなんて耐えられない。最初にイカテンに審査員として出演して欲しいという話が来たときは、ロックといえば髪の毛をツンツンに立てて、鼻ピアスをして、いつも地べたに座って、歌はただ怒鳴るだけというイメージしか持ってなかった。だから最初の頃に「そういう発声は学校で習ってない」って言ったらバカ受けしてしまった。でもああいう歌い方は絶対のどを痛める。それに対してオペラ歌手は、80を過ぎても素晴らしい声で歌える人がいるほど、歌う技術がある。
オペラに違和感があるという人は多い。セリフに旋律がついていたり、向かい合って見つめ会っていた恋人がいきなり正面を向いて歌い出したりするから変という気持ちは分からなくはない。でもそれは、舞台と客席の間にオーケストラピットがあることに原因がある。オーケストラピットから出た音に合わせて歌ったのでは、客席に聞こえるときに、微妙な距離の差のせいで音がずれてしまう。そこで音を合わせるのに重要な役割を果たすのが指揮者。舞台の上の歌手は、とにかく指揮者に集中するため正面を向かざるを得ない。これがオペラ歌手が正面を向く理由です。
イタリアではオペラはとても一般的な娯楽。ミラノのスカラ座だけは正装しないと入れないんですけど、貧しい人でも入れるように、年に2回くらい正装しなくても入れる日をつくるというくらいオペラは人気がある。オペラを見に行くときはだいたい夫婦とかカップル。12時頃オペラが終わってから、ピザとかトリッパを食べてから帰る。オペラだけじゃなくて、行く前や帰りも含めてイベントみたいな感覚だから、みなオシャレをして出かける。
|