SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
97年2月15日の放送内容

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト


「AVANTIのカクテルブック」

 AVANTIの常連の誰かが「AVANTIのカクテルブックをつくろう」といいだしたのはいつの頃だったろう。みんなの熱意に口説かれて、ついにJakeが決心したのは去年の夏ごろだった。

 めったに昔のことを語らないシャイなJakeから昔の話を聞き出したり、カクテルにまつわるとびっきりの話を書いたのは馬場啓一さん。石津謙介さんをはじめとする常連のみなさんもAVANTIに対する深い思い入れを書き綴ってくれた。

 そして今年の3月、ついに「AVANTI COCKTAIL BOOK」がTFM出版から発売されることになった。今日はその校正を兼ねてカクテルブックに執筆した方々が集まっている。そのお話に聞き耳をたててみよう。



  • 馬場啓一さん(作家)の

    「カクテルブック」の話

     AVANTIのカクテルブックの表紙はギブソン。その中に浮かんでいるのはパールオニオンという小さなタマネギで、かつてベン・ハーのプロモーションでチャールトン・ヘストンが来日したときに帝国ホテルに泊まってギブソンを注文したら、タマネギがフグ造りになって皿に並べられていたという逸話がある。チャールトン・ヘストン本人から話を聞いた伊丹十三さんが本に書いているんだけど、よく考えればもう戦後の話なんだし、いくらなんでもそんなわけはないよねというのが伊丹さんの話のオチなんだけど、それくらいギブソンは日本では有名ではなかった。それから、おめでたい席で飲むならシャンペンベースのカクテル、例えばキールロワイヤルがいい。デジョンというフランスの町の市長が特産のカシスの有効利用を考えて、ワインに入れて食前酒にしようといったのがこのカクテルのはじまり。それでちゃっかりキールという市長さんの名前が残った。



  • ルイス・ヴィグデンさん(飯倉シガークラブオーナー)の

    「コイバ」の話

     コイバは他の葉巻と香りが全然違う。元々この銘柄はカストロ大統領が国に来るVIPに配っていたもので市販されていなかった。コイバが製品化されたのは1978年から。はじめは3サイズしかなかったコイバだが、1992年にはコロンブスのアメリカ大陸発見(すなわち葉巻の伝来)500年にちなんだ新シリーズ「コイバ・シグロ」が売り出された。実はネイティブ・アメリカンはタバコを吸うときに使う道具を「タバコ」と呼び、ハッパの方を「コイバ」と呼んでいた。それをコロンブスが誤って伝えてしまったのが現代までずっと使われている。



  • 石原隆さんと小川泰さん(テレビ制作会社)の

    「タイユバン・ロブション」の話

     筒井道隆君が「王様のレストラン」の撮影の際に生まれて一度もちゃんとしたフランス料理店に行ったことがないというので、監督とプロデューサーも一緒に恵比寿のタイユバン・ロブションに行くことになった。一週間前に予約も取り、行く直前に15分ほど遅れるという連絡も入れた。それなのに店に着くと「予約は受けていない」と店の人は言う。そこで押し問答になり「さっき遅れると連絡を入れた携帯電話がここにある。この携帯電話のリダイヤルを押すとそこのカウンターの電話にかかるが、それでもまだ予約を受けていないといいはるのか!」とタンカを切り、携帯のリダイヤルを押した。そして・・・



  • 村澤政樹さん(広尾ヘルムズデール・バーテンダー)の

    「カクテルブック」の話

     バーテンダーが必ず持っていると言ってもいいのがサントリーのカクテルブック。2000種類以上もカクテルが載っていて、これさえあればお店が開けるのではと錯覚してしまうほど。カクテルブックによってレシピが違うのは時代とともに味覚も変化しているから。そういう意味では最新のカクテルブックのレシピが正しいと言えるのかもしれない。



  • 石津謙介さん(作家)の

    「ディナーショー」の話

     自分が飲むカクテルは、おいしいから飲むというよりはそのカクテルの面白いエピソードに惹かれることがあるから飲んでいる。N.Y.のアルゴンクィーンホテルにブルーバーという有名なバーがあって、そこにはN.Y.在住の洋画家の高井さんによく連れていってもらった。でも「このカクテルを飲んだら」なんてすすめられたことは一回もなかった。酒には自分の味があるんだから、人にすすめられて飲むものではない。そもそも飲みはじめてたかだか50年の日本人にワインやスコッチの味が本当にわかるわけはない。自分の好きなワインもあるが、それはいわくが面白いとか、ただ単に自分の舌に合うというだけ。だから他人に勧めるなんておこがましいことは自分には出来ない。






    今週の放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    8'44" Anything Goes Tonny Bennett capitol TOCJ-5890
    19'40" Bachelor In Paradice The M.G.M Studio Orchestra & Chorus RHINO R2 72464
    34'12" Heart Peggy Lee RHINO R2 72239
    39'29" Cocktals For Two Keely Smith capitol TOCJ-5890
    49'28" Sunday In New York Mel Torme RHINO R2 72464

  •