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「ナイトクラブは夢の世界」
ホテルニュージャパンの隣にあったニューラテンクォーターというナイトクラブのオーナーを30年やってた。元々は進駐軍相手のクラブだったが、昭和20年代の終わり頃から日本人向けにサービスのキメが細かくなってホステスも置くようになっていった。キャバレーとの違いは女性同伴でも楽しめるようになっていること。お客の半分以上、そしてホステスを含めた従業員のほとんどが英語がわかったから、ミュージシャンもコンサートより本気になっていた。
一番印象に残ったアーチストはナット・キング・コールとアール・グラント。アール・グラントは両手でハモンドとピアノを同時に演奏していたんだけど、あまりに素晴らしい演奏でみんな泣いてしまった。大映の長田社長も感動のあまり「見ないと一生の損だ」といろんな人にすすめまくっていた。サミー・デービス・ジュニアはプロ中のプロ。どこで客を引きつけてどこで客を休憩させるかという構成が見事だった。それから、どのミュージシャンも必ず最初に「今日、このステージに立ててみなさんにお会いできたことがとても嬉しい」というセリフをいうのが印象的だった。
去年は堺正章さんのショーの演出をした。その他には研ナオコさんとか中井喜一さんのショーも演出もしている。その堺さんのショーでいつもいうセリフがあって、「小林幸子さんのショーといえば衣装、八代亜紀さんのショーといえば化粧、そして井上順のショーといえばメインが食事!」それに対して井上順さんが堺さんのショーを評して曰く、「普通のディナーショーは歌って歌っておしゃべりして、歌って歌っておしゃべりしてというテンポなのに、まちゃあきのショーは歌ってしゃべってしゃべってしゃべって、歌わないでしゃべってしゃべってしゃべって、だ」
ナイトクラブが減ってきて、東京で「ペントハウス」横浜で「クリフサイド」ぐらいしか残っていない。クリフサイドは元町の外れの静かなところにある白塗りの古い建物で、去年で出来てからちょうど50周年だった。昔は生のバンドだけだったらしいけど、最近はさすがにBGMと生バンドを交互に使っている。お客さんは踊りたい人が多く、パートナーを連れてきたりお店の人と踊ったりしている。楽しく踊った後にこっちを向いて拍手してくれるとお客様が一番嬉しい。
ディナーショーで水に潜ったことがある。大きな水槽の下にベッドをおいて、「水槽を通り抜けて、水に濡れずにベッドにたどり着きます」というネタだった。実はいつもやるデタラメマジック。ドラムが鳴ってお客さんが固唾を飲んで見守ると、水槽の中で僕がもがいているというギャグだった。うまくはまったけど、おかげで風邪を引きました。
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