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「バーテンダー」
山口瞳さんの追悼でバーテンダーの本を出すために、金沢の「ロンドン屋」に種材に行った。カウンターの高さが胸くらいあって、突っ伏すには最適。僕は取材の時は自分からあまり話さないのだけれど、それはナゼかというと、こちらが考えてる以上のことを話してもらいたいから。僕の思ういいバーテンダーとは、客の状況を見て話しかけてもいいか否かをきちんと判断できる人、だと思う。
バーテンダー心得、というのがあるのですが、そこで大切とされているのは衛生観念や、混ぜてはいけない組み合わせ、見た目にも美味しそうに創ること、などです。挨拶にも基本のマニュアルのようなモノがあって、ドアが開いてお客さんが入ってきたら「こんばんわ、いらっしゃいませ」などというように書かれている。
私は人のお店のお手伝いから始めたので、全部見よう見まねで覚えました。だから最初のころはシェイカーを反対に持ってたり、普通じゃやらない組み合わせでカクテルを創ってしまったりしました。ジンの種類を指定したり、マイナーなリキュールで創ってもらう、なんていうのがかっこいいカクテルの注文の仕方ではないでしょうか。
ラフロイというのはイギリスの北西の島のモルトウィスキーのこと。その島の地盤は海草が堆積してできたものだから、水もそのエキスを含んでいて色も薄くついてたりする。癖のある味、例えていうなら塩辛くて海のにおいのするスコッチって感じかな。
モルトの会、というシングルモルトをこよなく愛する人の集う会を2年前からやっている。月に一回、マッカラン特集などと決めて数種類を飲み比べてみたりしている。この前は、みんなでお金を出し合って、一本100万円するマッカランの50年ものを飲んだ。50年も経ても、昔のスコットランドの空気がそのまま残っているような感じがした。
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